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「ムー」三上丈晴編集長が語る、“日ユ同祖論”の面白さ 話題の歴史ミステリー『アマテラスの暗号』を読む

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■“日ユ同祖論”の面白さが凝縮された小説

参考:オカルト雑誌「ムー」編集長が語る、日本一あやしい記事を届け続ける理由

 日本古来の天皇制や神々を扱った歴史ミステリー小説、伊勢谷武氏の『アマテラスの暗号』(宝島社文庫)が話題を呼んでいる。元ゴールドマン・サックス(NY)のデリバティブ・トレーダー、ケンシ(賢司)は、丹後・籠神社の第八十二代目宮司であった父と40数年ぶりに再会する予定だったが、父がホテルで殺害されたとの連絡を受ける。父の死の謎を探るため、賢司は元ゴールドマンの天才チームの友人たちと日本へ乗り込む――というストーリーだ。

 概要だけを読むと、王道の歴史ミステリー小説のように思えるだろう。しかし、この小説の醍醐味は、オカルトマニアなら刮目するであろう様々なネタが次から次へと登場する点にある。特に、“日ユ同祖論”について、近年ここまで扱った本は珍しいのではないか。その読みどころはどんな点にあるのか。そして、物語の根幹となる日ユ同祖論とはいったい何か。日本唯一のオカルト雑誌「ムー」の三上丈晴編集長に話を聞いた。

――三上編集長は既に『アマテラスの暗号』をお読みになったそうですね。

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三上:このたび宝島社さんから文庫化されましたが、廣済堂出版で最初に出版された本も読んでいます。驚いたのは情報量の多さですね。日ユ同祖論に関するネタが、これでもかというほど詰め込まれている。ここまで広範囲に、かつ日本人とユダヤ人が同じ祖先であることを示す証拠を羅列した作品は、ほかにはないのではないでしょうか。参考文献などは明示されていませんが、すべてのテーマについて、引用されたと思われる資料が写真や図版はもちろん、論理展開に至るまで詳細に思い当たります。これらをミステリー小説としてまとめるには、さぞかし大変なことだったと察します。

――日ユ同祖論と聞いても、読者には聞きなれない人も多いと思います。どのような理論なのでしょうか。

三上:日ユ同祖論とは、その文字のごとく、日本人とユダヤ人は祖先が同じ、つまりは同族であるという仮説です。大きく分けると、本家がユダヤ人であるという説と逆に日本人が本流であるという説があります。後者は日本超古代史といわれる分野で、『竹内文書』など異端の史料が元になっているのに対して、前者は日本列島にやってきた渡来人の中にユダヤ人がいて、それが日本人の一部になったという論理です。いずれも、根拠になっているのは日本文化にあるユダヤ的な要素です。古くは江戸時代、日本にやってきたスコットランド人商人ノーマン・マックレオドが指摘しています。

■ユダヤ教とはどのような宗教なのか

――日本人はユダヤ教に触れる機会は少なく、なかなかピンときませんよね。文化の類似点に気づいた人はそれまでにもいたのでしょうか。

三上:キリスト教の宣教師の中には薄々気づいた人がいたと思います。日本人の中にも松浦静山などの知識人は知っていたようです。ただ、明確にユダヤ人と日本人の関係を論理的に展開したのは、やはりマックレオドが最初です。商人として世界中を歩き回り、多くのユダヤ人と接してきた経験があった彼だからこそ、日本の中のユダヤ文化に気づくことができたのでしょう。

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