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舘ひろし&柴田恭兵&浅野温子&仲村トオル、準備なしでもあの頃に戻れる!『あぶない刑事』38年で築いた信頼関係

クランクイン!

 舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオルが集まると、その空間が一瞬にして『あぶない刑事』の世界に染まる。舘は「この4人が揃うと最強」とニッコリ。またタカ&ユージという名コンビを築いた柴田との出会いを、「奇跡」だという。1986年からスタートした伝説的ドラマの8年ぶりの劇場版『帰ってきた あぶない刑事』は、かっこよくてノリノリで、胸が熱くなって、ちょっぴりせつなくなる。どこを切り取っても最高の1作として完成した。4人を直撃すると、再会の感想や38年の道のり、『あぶない刑事』への想いを、劇中と同じように丁々発止のやり取りを繰り広げながら、笑顔いっぱいに語り合った。

◆「さらば」と言っちゃったんだけれど大丈夫かな

 軽妙なトークと激しいアクション、他の刑事ドラマとは一線を画すオリジナルな世界観で数多くのファンを魅了し愛され続けてきた『あぶない刑事』が、スクリーンに復活した。横浜港署捜査課の刑事であるタカ(舘)&ユージ(柴田)の最強バディの破天荒な活躍を描く本シリーズ。最新作となる本作では、刑事を引退後、ニュージーランドで探偵をしていた2人が横浜に帰還。タカ&ユージ、どちらかの娘?という可能性のある女性から、母親捜索の依頼が舞い込む。

――2016年公開の映画『さらば あぶない刑事』から8年。タカ&ユージが横浜に戻り、薫(浅野)、透(仲村)とも再会を果たします。ファンの方々も待ちに待った新作が叶いましたが、まずは帰還の感想を教えてください。

舘:僕は今回のお話をいただいて、本当にうれしくて。「さらば」と言っちゃったんだけれど大丈夫かな?と思ったら、「大丈夫だ」ということなので(笑)。それならば「やりましょう!」という感じでしたね。やっぱりこの4人が揃うと「最強だな」という気持ちになる。怖いものなしだなと感じます。

――撮影前に特別に準備されたことはありますか?

舘:まったくないです(笑)。アクションに関しても、クランクインしてから「このオートバイを使います」と持ってきてもらって、そこで8年ぶりに乗りました。でもまたがってみればすぐに乗れるようになるものなんです。

柴田:元暴走族ですから。なんの問題もありません!

舘:あはは! そうです。族の血が騒ぎます。

柴田:僕はいつも、「もういいだろう」と思っているんですよ。でも今回は「タカとユージ、どちらかの娘かもしれないというキャラクターを登場させる」と聞いて、今まで見せたことのないタカとユージとしての芝居ができたら面白いなと感じました。作家の方と話しながら「こんなふうにしたら楽しくなりそうだな」とアドリブも交えて作り上げていくと、まったく8年ぶりという気はしませんでしたね。なにせ年を取っていますから、時間が経つのが本当に早い(笑)。一週間は月、水、金の3日間しかないように感じますから。トオル、すぐそうなるぞ!

仲村:僕はまだ、一週間は7日間きちんとあります!

――柴田さんは、特別に準備されたことはありますか?

柴田:特にないですね。もちろんアクションでは、カットがかかるとヒイヒイ言っていました。でも、年相応のタカとユージでいいと思っていました。ポンコツでも一生懸命に走るのがカッコいいと思っています。

――タカ&ユージの元同僚にして親友の真山薫を演じ続けてきた、浅野さん。シリーズ復活の感想はいかがでしたか?

浅野:本当に、8年も経ったなんて思えませんでした。嫌だけれど、私もトオルよりはお二人の年齢に近いから…。私も特に準備したことはないんです。反射神経で、薫が出てくる(笑)。撮影現場ではベテランのスタッフと若いスタッフが違和感なく融合していて、だからこそスムーズに入れたのかなと思っています。

――このお三方とまたご一緒できるというのは、格別な喜びがありますか。

浅野:安否確認という感じです!(笑) 生きているな!って。

舘&柴田:あはは!

――横浜港署“三代目”捜査課課長で、タカ&ユージの前では永遠に後輩キャラとなってしまう町田透を演じるのが、仲村さんです。

仲村:昭和61(1986)年に『あぶない刑事』シリーズが始まって、映画も何本も作られてきましたが、僕は一度も「出るか、出ないか」を聞かれたことはないんです。

舘&柴田&浅野:あはは!

仲村:「お前が出るのは決まっているぞ」という状態なので、今回も「やるのか」という感じでしたが、やはり『あぶない刑事』に入る時のワクワク感はいつもあります。いつの頃からか現場でも「仲村さん」と呼ばれる人数の方が多くなってしまって、20歳の頃のようにまた小僧扱いしてもらえるんだと思うと、ちょっと楽しかったりして。

浅野:仲村さーん!

仲村:こうやってなんのためらいもなくいじってくる人たちに囲まれていると、青春が蘇るような気がします(笑)。今回の撮影時には、タカとユージが待っているところに、僕がレパードを運転して駆けつけるというシーンがありました。400、500メートルくらいの距離を運転してきて止めるというのを、テストも含めて何度も撮ったんですが、そのたびに“スタート位置までレパードを戻す”のは僕自身がやりました。戻すのは、他の現場ではスタッフがやるものですけど…。

浅野:カースタントもテレビシリーズを始めた38年前から同じ方なので、20歳の頃からのトオルを知っている人だもんね。そこは変わらないよね。

柴田:仲村さん、すみませんでした!

仲村:そういった感じも懐かしかったです(笑)。

◆タカ&ユージは「愛し合っている?」 38年の蓄積が“特別な味わい”に


――本作でもタカ&ユージが特別な絆で結ばれた2人であることがひしひしと伝わってきました。タカ&ユージの阿吽の呼吸はどのように生まれているのでしょうか。

舘:僕は、恭サマに甘えているんですよ。僕がちょっと言いづらいセリフがあって噛んだりしてしまうと、恭サマが「じゃあそれは、僕が言いますよ」と言ってくれて、僕は「お願いします」と。だからものすごく僕は楽だし、それにその方が絶対にいいシーンになるんです。恭サマが言ってくれた方が、より伝わるセリフになる。

柴田:探偵事務所の屋上で、(土屋)太鳳ちゃん演じる彩夏が、タカとユージに「2人は愛し合っているの?」と聞きますよね。するとユージは「タカのためだったら死ねるよ」、タカも「俺もだよ」と応える。この2人を演じていれば、さらっとこういうことを言えるのがとてもカッコいいなと思っていて。本音だけれどそれでいてベタつかず、2人の信頼関係がふわっと出てくるのが、彼らのステキなところだなと感じています。

舘:あのセリフの言い方や距離感は、ものすごく絶妙だった気がしますね。タカはタカで、照れていたりして。

柴田:それは、何年もやってきたからこそ出せる味なのかなと。タカのユージへの想い、ユージのタカへの想いが素直に滲み出てくるんですよね。

浅野:たっちゃん(舘)も恭兵ちゃんも、「それは恭サマ」「それは舘さん」とお互いの得意とするものを無意識に振っているような気がするんですよね。男の人は見栄を張ったりもするものなので、本当はそういうことってなかなかできないことだと思うんです。

舘:おそらく、「ここは任せた方がいい」とお互いのパートをわかっているんですよね。僕が面白いセリフを考えたとしても、恭サマが言った方がいいと思ってお任せするとパーフェクトにやってくれる。俳優の世界があったとしたら、僕と恭サマは、見た目は似ているかもしれないけれど、タイプとしては対角線上の一番距離の離れたところにいる2人だと思うんです。逆に、それがすごくよかったんだと思います。

仲村:初めて『あぶない刑事』に参加するスタッフがいたとしても、現場の中心に舘さんと柴田さんがいるだけで、ここは『あぶない刑事』の現場なんだということが全員に伝わる。以前、恭兵さんがおっしゃっていたんですが、舘さんがバイクに乗った瞬間に「これが『あぶない刑事』なんだ」というものがバーっと伝わってきたと。僕らの中にはやっぱり、(これまでのシリーズを支えてきた)プロデューサーの黒澤(満)さんや、監督の長谷部(安春)さん、撮影の仙元(誠三)さん、アクション監督の高瀬(将嗣)さんの存在やスピリットが色濃く残っていて。舘さんがバイクに乗ることで、そういったものまでみんなに伝わるというのはすごいことだなと思いました。

◆舘ひろし、柴田恭兵との出会いは「奇跡」


――ファンならば、興奮&悶絶するような場面の連続となっています。ご自身も、これぞ『あぶない刑事』だとワクワクしたようなシーンはありますか?

柴田:僕はラストの「イッツショータイム!」ですね。舘さんがハーレーに乗って、スモークの中から現れるシーン。今回の舘さんのバイクアクションは、今までの中でも最高にカッコよかった!

舘:あれは、僕から監督へのリクエストだったんです。煙の中から出てくるって、なんだかロマンティックだなと思って。

浅野:やっぱりたっちゃんがハーレーに乗って、恭兵ちゃんが走っているのを、ファンの方は一番見たいんだと思うんです。やっぱりみんなが大拍手をするのは、たっちゃんと恭兵ちゃんが変わらずに走り続けてくれていること。そんなたっちゃんと恭兵ちゃんに最新作でも出会えるのが、最高のプレゼントだと思います。

仲村:誰かが言っていたんですが、昭和、平成、令和と3つの時代をまたいで、アニメーション以外で映画のメインのキャラクターを演じ続けているのは、ゴジラと仮面ライダーとタカとユージだけだそうです。そろそろタカとユージは、人間ではなくなる。

舘&柴田&浅野:あはは!

仲村:これほど激しくいろいろなものが変化した38年間で、変わらないカッコよさを見せられることこそ、この作品の最大の魅力だと思っています。

――ドラマ放映から38年経ってもなお、ファンから歓喜と共に迎えられるシリーズです。本シリーズはご自身にとって、どのような作品になっていますか。

舘:俳優にとって代表作があるか、ないかというのは、すごく大事なことで。『あぶない刑事』は、間違いなく僕の代表作になっています。そういった意味では、僕は『あぶない刑事』という作品に携われたことは、とても幸運だったなと思っています。

柴田:『あぶない刑事』がヒットすればするほど、「もっと違う作品を作りたいな」「『あぶない刑事』を超えたい」とムキになってやっていたようなところもありました。でも『あぶない刑事』があるからこそ、もっとシリアスな作品に出会うこともできたし、「超える、超えないではないんだ」と気づき、どんどん次の作品、次の作品とやっていくうちにあっという間に70代に足を踏み入れていて。『あぶない刑事』があるからこそ自分が思っている以上に長く、刺激的な俳優人生を送らせてもらえた、とても大事な作品です。

――そう思える作品を、舘さん、柴田さんと一緒に作れたことをどのように感じていますか。

舘:奇跡でしょうね。恭サマ以外では、タカ&ユージは成立しなかったと思います。

柴田:それは僕もまったく同じ意見です。舘さん以外の役者さんだったら、絶対に成立しなかった。僕は出会った時にすぐ、舘さんご本人が気づいていないようなチャーミングさやナイーブさ、やさしさをものすごく感じたんです。僕が突いたら「よせよ」なんていう、チャーミングな部分を見せてくれたらものすごくステキだなと思った。また舘さんはラグビー部でキャプテンをやっていらっしゃったので、みんなをまとめる力がすごい。根っこの太い樹としてドーンといてくれるので、僕は好きなようにやることができたんです。僕にとっても、本当にステキな出会いをさせていただきました。

――本作における薫の登場シーンも最高です。薫ほど爆発力のあるキャラクターに出会うことも、なかなかないかもしれません。

浅野:ね!(笑) 歴代の監督たちが「いいよ、いいよ」と言ってくださって、いろいろなことをやらせていただきました。他のドラマでは、許してくれないようなことばかりですね。刑事部屋で育ててもらって、みんなと30年以上ずっと一緒にやってくることができた。恭兵ちゃんと一緒で、「『あぶない刑事』もいいけれど、それを超えられたらうれしい」と思いながらやってきたようなところもありましたが、結局『あぶない刑事』に戻ってきてしまうんですね。年齢を重ねてみると、それってものすごく幸せでありがたいことだなと思って。いつまでも「薫役は浅野だ」と替えがきかないものとして選んでくださって、薫を唯一無二のものとして捉えてもらえる。それは本当にうれしいことだなと感じています。

舘:僕はね、他の作品をオンコ(浅野)とやったこともありますが、やっぱりなんだか特別なんだよね。

浅野:ええー! シリアスな作品をやっても!?

舘:そうなんだよ。なぜだか、他の女優さんとオンコは違うんだよね。それはトオルも同じで、他の作品で共演してもやっぱり特別なんだよ。

仲村:僕は昔から、『あぶない刑事』は俳優として、もはや人間としての「故郷」だと思っています。『あぶない刑事』のテレビシリーズの撮影が始まったのは、38年前、昭和61年の夏でしたが、その前年の夏、僕は普通の大学生としてアルバイトをしていました。そんなまだ俳優として0歳児のような状態で入った現場で、何から何まで教えていただいて、守ってもらって、甘やかしてもらって、育ててもらって。今、自分は何を心の支えとして戦っているんだろうと思うと、すべて『あぶない刑事』の現場で教わったことばかりだなと気づく。そういった、僕にとってはまさに「故郷」のような存在です。

――いつでも帰ってきてほしいシリーズです。さらなる続編は考えられそうでしょうか。

舘:いまはまったく考えられないね(笑)。

柴田:まあ舘さんが「全員集合!」と言ったら、全員集合しますよ。

(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

 映画『帰ってきた あぶない刑事』は5月24日より公開。
 
   

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