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【漫画】怪力少女と機械の体を持つ男が旅へーーフランス発の日本コミック、武田登竜門『DOGA』が面白い

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 結局のところ、「面白い物語」とは、多かれ少なかれ「旅」の要素が含まれたドラマのことではないだろうか。そんなことをふと、武田登竜門の長編コミック『DOGA』(双葉社)を読んでいて思った。

『DOGA』第1話を読む

 武田登竜門といえば、2021年、「商業デビュー作」として発表された短編「大好きな妻だった」(「webアクション」掲載作)がいきなりバズって注目を集めた鬼才だが、その骨太な作家性がいかんなく発揮されているのは、どちらかといえば、もともとは同人誌作品として描かれたSF仕立ての逃亡劇『BADDUCKS』(後に双葉社より全4巻で商業出版化)の方かもしれない。

 つまり、後者(『BADDUCKS』)で描かれているのは、“命を賭けた期限つきの旅”と、“異なる価値観を持った男女が出会い、やがて家族や仲間になっていく様子”であり、その極めて武田らしいテーマ(ないしストーリー展開)は、現在連載中の『DOGA』でも反復されている。

■フランス発の日本のコミック

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 ちなみに、その『DOGA』が連載されているのは日本のウェブ漫画サイト(「webアクション」)だが、版権はフランスの出版社・Ki-oon(キューン)が持っている。

 Ki-oon社では、これまでも、「日本の漫画家をスカウトし、フランスで先に単行本を刊行した後に、日本の出版社に営業をかける」という独自の出版事業を展開しており、具体的な成功例としては、ippatuの『虎鶇―TSUGUMI PROJECT―』などがある。むろん、『DOGA』も同様の形で発表される予定だったのだが、諸般の事情により、先に日本でのウェブ連載(および単行本化)が始まったようだ(※現在、フランス版の単行本の刊行も始まっている)。

■一度死んだ男が「海」を目指す物語

 『DOGA』の主人公はふたり。ひとりは、北の大陸ソテルナの若き領主・ヨーテルダ=バ=ソテルノア(以下ヨーテ)、もうひとりは、自由都市レウールで孤児として育った怪力の少女・ドガだ。

 あるとき、「自由」を求めて、領地の「外」の世界へと旅に出たヨーテだったが、レウールの貧民街で何者かに刺されてしまう。

 瀕死の重傷を負い、意識を失いかけた彼は、偶然通りかかった謎の女性(モーリア)によって助けられる。ただし、身体のほとんどのパーツは機械にされ、しかも、その身体は「もって2年」という期限つきでの生還だった……。

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