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『9ボーダー』松下洸平「大好きだよ」の破壊力 3姉妹の“幸せ探し”は恋愛の嵐に

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金曜ドラマ『9ボーダー』©︎TBS

 「何でもいいから現状を変えたい」と願う時、一歩踏み出す勇気さえあれば、きっかけくらいは掴めるかもしれない。しかし“幸せになる”ために何かを変えるのはそう簡単なことではなく、何を頑張ればいいのかがわからなくなってしまう時だってある。金曜ドラマ『9ボーダー』(TBS系)が描き出す、大庭家3姉妹の幸せ探しは今日もそれぞれ難航中だ。

参考:木南晴夏、『9ボーダー』六月と友達になりたい「一緒にいたらすごく楽しそう」

 会社を辞めると宣言した七苗(川口春奈)は、有給休暇を使って自由な生活を満喫している。突然のキスをきっかけに、コウタロウ(松下洸平)への気持ちを確信し、2人の関係を前向きに考えようとしている七苗だが、彼女は自分の将来についても模索中だ。街ゆく人の働く姿を見てはつい目で追ってしまう七苗は、「どうしたいかわかんないときは、今日一日楽しく過ごそ」というコウタロウの言葉に励まされる。相変わらず、記憶喪失で身元不明のコウタロウだが、彼の存在はもはや七苗にとって欠かせないものになり始めていた。

 一方、七苗とコウタロウのキスを偶然目撃した陽太(木戸大聖)は大きなショックを受ける。八海(畑芽育)は陽太の切ない気持ちを感じ取り、六月(木南晴夏)も「陽太もねぇ……ずっとここ(胸の中)にいるもんねぇ」と陽太の気持ちを察している。陽太は七苗を本気で好きな故に、コウタロウを恋愛相手として認めることができない。

 しかし、恋とは好きになるのも、相手に振り向いてもらえるのも簡単なことではないのだ。陽太は「ななのことどう思ってるんですか?」とコウタロウに切り込むが、これもまた八海の気持ちを知っている視聴者からするとなかなかに切ない展開が繰り広げられている。

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 そんな中、失踪中の大庭家の父・五郎から「もうすぐカエル」とハガキが届く。3姉妹は父が元気にしていることを知り安心するも、同時に銭湯の経営難という新たな問題に直面する。赤字だった大庭湯の現状を知り、言い争いになった八海と七苗は喧嘩に。真面目で働き者の七苗は、一日銭湯の手伝いもほとんどせずに家にいる八海が許せなかったようだ。さらには、家を飛び出した八海を庇ったコウタロウにも「あたし達って、何?」と詰め寄ってしまう。

 しかし、そんな七苗の“一生懸命さ”は、ある人にとっては影響を与えていたようだ。大庭湯に現れたのは、これまで令和的な価値観を逆手に取り、やや過剰なまでにプライベートを重視してきた双葉(箭内夢菜)だった。七苗の立場になったことで仕事の大変さを実感した双葉は、「大庭さんみたいになりたくない。そう思ってたのに、なんだか来ちゃいました」「彼氏とすっぱり別れてやります」と告白する。

 少々意外な展開であるが、七苗にイラッとされている印象の双葉のパーソナリティが初めて見えたことで、温かい気持ちになった視聴者も多いのではないか。銭湯での七苗と双葉のやりとりは、演じる箭内夢菜の「彼女自身、内面では秘めたる情熱もあって、頑張り屋さんな部分もちゃんと持っている子なんです」というインタビューが体現されたかのようなシーンになった。(※)

 一方、「また誰かを好きになって失った時」の辛さを恐れている六月は、ようやく邦夫(山中聡)と会って離婚届を渡す。彼女を心配した松嶋(井之脇海)との新しい恋が今にも始まりそうな予感が漂っている六月だが、3姉妹の幸せ探しはまだ始まったばかり。七苗や八海とは違い、すでに自分探しを終えている六月は、どんな大人の幸せを手にするのだろうか。

 第4話のラストでは、七苗と六月は、八海の「ぐだぐだしてる私でも、ひとつだけ、確かなことがあって……この家が好き。大庭湯が好き」という言葉で、本格的に銭湯を立て直すことを決意。さらに七苗は、ようやくコウタロウと互いに想いを確かめ合う。恋に仕事に、自分探し……。3人が探している“答え”が出るのは、もう少し先かもしれない。それでも大切な人たちの笑顔が溢れる銭湯で、七苗、六月、八海の等身大の日常は続いていく。

■参考
※ https://realsound.jp/movie/2024/05/post-1655773.html
(文=すなくじら)

 
   

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