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左サイドで存在感を増す湘南DF畑大雅。殻を破った背景にある先輩からの言葉「過剰なほど『俺はできる』と自分に言い聞かせた」

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左サイドで存在感を増す湘南DF畑大雅。殻を破った背景にある先輩からの言葉「過剰なほど『俺はできる』と自分に言い聞かせた」(C)SOCCER DIGEST Web
 5月6日のJ1第12節・サガン鳥栖戦でようやく今季ホーム初勝利を挙げた湘南ベルマーレ。チームは現在、2勝4分6敗で17位と苦戦中だが、選手個々のコンディションは徐々に上がっているように見える。

 好調ぶりを示す選手の1人に、左ウイングバックの畑大雅が挙げられる。驚異的なスピードで上下動を繰り返す22歳は、第10節の北海道コンサドーレ札幌戦でプロ初ゴールを決めて以降は、攻守でさらに存在感を増している印象だ。

 特に変わったのは、攻撃面での積極性だ。ここ数試合、明らかにボックス内への侵入回数が増えており、サイドで相手DFと対峙した際にも、かなりの高確率でクロスかシュートまで持ち込めている。

 実際、山口智監督も畑の変化を感じている。

「ボックス内に入るタイミングや感覚、そこに行けば何が起こるのか掴んできたんじゃないかなと。札幌戦のゴールも、彼の自信につながっているんだなと、すごく感じています。これまでは、自分のストロングを自分で理解しているようで理解できていなかったと思う。自分の武器は何なのかを把握し、その武器を振るうことに迷いがないのが、今の彼の前への推進力を生んでいるのではないでしょうか」

 本人も確かな手応えを感じているようだ。

「札幌戦のゴールや、その他の決定機につながりそうだったシーンも含めて、ボックス内に入っていけば、思った以上にボールが転がってくると気づいた。それが分かっていれば、どんどん入っていきたくもなるし、自信を持ってプレーできています」
【動画】畑大雅が札幌戦でプロ初ゴール!
 畑は2020年に市立船橋高から湘南に加わると、ルーキーイヤーから持ち前のスピードとフィジカルを活かしてリーグ戦15試合に出場。ただ、2年目以降は持ち味を出す回数が徐々に少なくなり、伸び悩む時期を過ごした。

 プロ5年目の今季は「何かを変えないと」という思いで、オフに体重を落としてチームに合流。背番号は「3」に変わった。シーズン序盤は競争相手の杉岡大暉にポジションを譲り、継続的に招集されてきたパリ五輪を目ざす世代別代表からも外れるなど悔しさを味わったが、ここにきて高卒1年目の時のような輝きを取り戻している。

 畑の中で、どのような変化があったのか。復調の背景には、今季からチームに加わった経験豊富な先輩からの刺激的な言葉があった。

「(ルヴァンカップ2回戦のブラウブリッツ)秋田戦のあと、平塚に帰らずに翌節の札幌戦に向けて遠征をしたなかで、選手だけのミーティングで(鈴木)雄斗君から、熱い励ましをもらった。話の詳細は、刺激的なのでここでは言えないけど(笑)、簡単に言えばメンタルの部分で、『もっと自信を持ってやれよ』的なこと。その話を聞いて、自分の考えの甘さに気づかされました」

 自身のメンタル面を見つめ直し、試合前に「過剰なほど『俺はできる』と自分に言い聞かせた」という札幌戦で結果を残して、自らの殻を破った。今の畑は、間違いなくチームに欠かせない存在になっている。

 現在の好調を維持し、チームを下位脱出に導けるか。今夏のパリ五輪出場も含めて期待したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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