「ふと思い出して漫画投稿サイトで懐かしい名前を検索した
静寂零夜(しじまれいや)は高校の同級生で/7年会っていない友人…
志島澪(しじまみお)のペンネームだ」
漫画の創作を通じて仲良くなった2人の女子高生の姿が描かれる漫画『Eternal』が2024年3月にpixivなどのSNSで投稿された。楽しかったひととき、すれ違ってしまった一瞬と、淡々とつづいた今が交錯するなか、主人公は漫画を完結させた澪のあとがきに書かれたとあるメッセージを目にしてーー。
(参考:漫画『Eternal』を読む)
創作する彼女たちを描いた作者・迷子さん(@meikosan71)もSNSに数多くの漫画作品を投稿する人物だ。本作を創作したきっかけ、漫画を描きはじめたきっかけなど、話を聞いた。(あんどうまこと)
ーー本作を創作したきっかけを教えてください。
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迷子:友人が学生時代から書いていた長編小説が完結した時にこの話を思い付きました。作品によってはリアルの出来事が創作のきっかけになることがありますが、本作の物語はすべてフィクションです。喧嘩するくだりもドラマ性を持たせるために考えたもので、現実では特に友情断絶はしていません(笑)。
ーー本作のクライマックスにて2人が再会するといった展開も描くことができたかと思います。それでも志島さんのことを想いながら漫画と向き合う片岡さんの姿を描かれた思いは?
迷子:片岡さんの後悔は、志島さんとの友情が絶たれたことと、創作漫画を完結できなかったことの2つなので、両方を回収するためにまず漫画を完結させる必要がありました。
はたから見たら早く連絡を取れば良いのにと思うんですが、2人の友情を語る上で創作活動を共有したことが切り離せないことなので、本人にとっては大事なことだったのだと思います。
ーー本作における最後の1コマ、再び創作と向き合う片岡さんの机に向かう姿を、窓の外から描かれた思いは?
迷子:ラストの1コマが主人公の後ろ姿だったりする漫画があると思うのですが、そのような感じで最後は主観ではなく俯瞰的に頑張る姿を描写してみました。この視点にすることで、本作が片岡さんだけの物語ではなく、創作に向き合う読者の方に届くものになれば良いなと思います。