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ビッグモーターがWECARS、ジャニーズ事務所はSMILE-UP.に 社名変更のメリット・デメリット

J-CASTニュース

中古車販売大手ビッグモーター事業・従業員を引き継いだ新会社「WECARS」が2024年5月1日、発足した。経営陣も刷新される。旧ビッグモーターの社名は「BALM」に変更され、不正請求問題の対応に取り組む。

店舗の看板も「WECARS」に変わる予定だが、SNSを中心に、不祥事を起こした企業が社名変更してリスタートする「社名ロンダリング」だと厳しい声もある。コーポレートガバナンスに詳しい日本能率協会総合研究所主任研究員の前島裕美さんに、話を聞いた。

変えたことは良いことだが

直近の事例では、旧ジャニーズ事務所の社名が「SMILE-UP.」に変更。故ジャニー喜多川氏に性加害を受けた被害者への補填業務を行う。マネジメント業務を引き継ぐ新会社も設立され、所属タレントや社員の希望者が移籍。半面、タレントの退所・独立も相次いだ。

ビッグモーターの新会社設立を巡っては、SNSを中心に「社名を変えただけでは社風は変わらない」といった指摘がある。だが、前島さんは「変えたことは良いことだ」との見解を示した。

「同じ社名を続けた場合、過去のビッグモーターを引きずっている感があり、変わったことがアピールしにくい。今回の社名変更を伝えるプレスリリースの『過去との決別』といった内容を世間や社員に訴えるためには、同じ社名のままだと訴求しにくいと思います」

だが、過去の社風や不祥事がなくなるわけではないとも。「社名変更は新しい会社に生まれ変わるという意思表示としては評価できます。これが『社名ロンダリング』だと指摘されないよう、正しい経営に戻す社内改革を新しい経営陣は進める必要があります」。

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不祥事に対する企業の対応方法が、社名変更の良し悪しに関わる。過去の事例でも、不祥事で社名変更した会社が倒産した場合もあれば、そのイメージを払拭できた会社もあるという。ただ名前を変えるのではなく、変えた上でどのように対応するかが重要だと話した。

3つのメリット

そもそも企業が社名変更するメリットは何か。前島さんは、グローバル展開しやすくなると話す。例えば、漢字表記の企業がカタカナ表記に変えた場合、日本語圏外にも伝わりやすくなる。

2つ目は、会社名と主力商品をリンクできる。旧富士重工業は2017年4月にSUBARUへと社名を変更。自動車メーカーだと分かりやすくなった。3つ目は、社名変更がニュースになり、宣伝効果が生まれる点だ。従来のイメージを刷新すると訴えることができる。

だが、デメリットもある。前島さんの指摘は「金銭的なコストがかかる」だ。会社の看板から名刺などを刷り直し、特許関係の申請など変える必要がある。また、以前の会社名のブランド力や訴求力がなくなり、売り上げ減少に繋がるリスクもあるという。

 
   

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