「低栄養」という言葉を聞いたことがありますか? 飽食の現代では「戦前のこと?」「外国の話?」と思いがちですが、これは現代の日本の高齢者に多くみられるものです。文字通り、加齢によって食欲が低下し、かむ、飲み込む、消化するなどの体の機能が落ちることによって栄養がとれなくなっている状態のことをいいます。体調がとても悪い、経済的な問題などから食事の回数や量が減っている場合だけでなく、毎日3食きちんと食べていても低栄養になっているかたが、実はとても多いのです。
私たち栄養士が「低栄養」と判断するときは、血液検査の結果なども踏まえて検討しますが、自分でもわかるポイントがあります。体重が減ってきて、今までの食事量では食べ切れず、少しずつ残すようになることです。もし身近な家族の栄養状態を確かめたいときは、次のことを調べてみてください。
・背中を触ると骨ばっている
・握った手を握り返す力が弱くなっている
・舌が白くなっている
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・口の中に食べ物が残っている
・今まで片づいていた部屋が散らかっている
・起床時間や食事がバラバラになっている
些細なことが、低栄養の片鱗だったりします。低栄養であるということは、心身の健康が維持できなくなっていることで、病気になりやすく、介護状態につながる可能性があります。