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信じられないクレーム!「光に当てると本に傷が…」書店員を悩ます、“美本希望”のお客さん【作者に聞く】

Walkerplus

ゴールデンウィークは忙しい日常を離れて、家でゆっくりと読書を楽しむ人も多いのでは。積読していた本を取り出したり、新たな本を求めて書店に出かけてみたり。気になっていた本を手に取り、心豊かな時間を過ごすのもすてきなゴールデンウィークの過ごし方だ。

本稿では、漫画家・佐久間薫(@sasakumako)さんが描く書店員の裏側「カバーいらないですよね」より、「本」へのこだわりについて描いた「美本を希望するお客」を紹介したい。



■予約購入した本に傷があるとのクレーム。「え、どこ?」
書店員は、本の陳列や整理、レジ打ちのほか、さまざまなお客さんの要望や質問に対応するのも仕事の1つだ。この日レジカウンターにやってきたのは、予約購入した雑誌の交換を希望する男性だった。

傷があるとのことだが、書店員が見る限り傷らしきものは見当たらない。「少しわかりにくいかもしれませんが…」と、男性は雑誌を斜めに持ち上げた。「光を当てればわかります。見てください」と傷を示した。

店頭在庫の中から交換可能か確認してもらうと、やはり「すべて傷んでいるので美本を注文してほしい」と男性。書店員はそのこだわりに困惑しつつも、「好きな雑誌を一番キレイな状態で買うため」の熱量の高さに関心する。

■意外な本との出合いもある。やっぱり本屋は楽しい
現役書店員の目線で“書店あるある”が描かれている漫画「カバーいらないですよね」。本書については「事実をもとにしているお話が多いですが全部ではありませんし、漫画用にアレンジもして描いています」と佐久間さん。今回のエピソードに登場したこだわりのあるお客さんについては、「できないこともありますが、うちの店は可能な限り対応する方針です」と話す。

本書では接客トラブルなどのネガティブな側面や書店員の毒のある台詞描かれているが、柔らかいタッチの作画で見事に中和されているのも印象的だ。作画は鉛筆で描くことにこだわっている。

「ベタの部分も鉛筆で仕上げてそれ以降はスキャンしてパソコンで仕上げるんですが、鉛筆の細かなグラデーションを残したいので微妙な調節が難しく、回によって濃淡のバランスが違ったりします(誰も気づいてないと思いますが(笑)、まあ、それも味わいとして読んでいただけたらと思います」

近年では出版不況やネット販売の拡大で書店を取り巻く環境は厳しいと言われている。そうした中でも、書店で働き続けることについて聞いてみた。

「やっぱり本屋は楽しいと思います。よく言われていることだと思いますが、ネット書店は家に居ながら本が探せるし届くのも早くて便利ですが、本屋の店内をぶらぶら当てもなく見て回り、探してもいなかった魅力的な本を見つけることってありますよね?また、うちの店は特に地域密着型なので、常連のお客さんが店員と雑談することも多いです。そういった楽しさは、実店舗ならではだと思います」

佐久間さんは、ほかにも書店員夫婦のもとにやってきた猫たちを描いた「猫ニャッ記」、お客様に振り回されながらも真摯に向き合う書店員を描いた「本屋の今泉くん」などの著書がある。気になる人は合わせて読んでみよう。


取材協力:佐久間薫(@sasakumako)
 
   

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