シミュラクラ現象ってやつかな?緑色のライトが2つあると、顔に見えてきちゃう。先日DARPAが公開した新型の戦車、その名も レーサー・ヘビープラットフォームは、巨大な車体に緑色のライトを備えたロボット戦車だ。
重さ12トン長さ6メートルという破格のサイズに、目のように光る緑のライトが特徴の RHP は、なんと無人で完全自律走行が可能。従来のものとは一線を画す次世代型戦車だ。
だがこの戦車にはさらなるミッションが課せられている。もとから走りやすく舗装された道路環境よりもっと複雑で予測不能なオフロードでの自律性を求められているという。
RACER Experiment 4 — RACER Heavy Platform (RHP) Highlight Video
オフロードを自律走行。緑に光るライトがある戦車
DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)が最近公開した映像は、オフロード用無人車両の性能評価の試験の様子だ。この試験はDARPAが開発したRACER(レーサー)というプログラムのもとに行われている。
RACERとは、Robotic Autonomy in Complex Environments with Resiliency の略称で、ここでは舗装道路に比べて複雑で予測不可能なオフロード地形での自律性を目指すものだ。
今回は4回目の実験で、2023年末にテキサス州で行われた。
ここで初めてこのたび披露されたのが、細長い緑色のライトが特徴の巨大な戦車、 レーサー・ヘビープラットフォーム(RACER Heavy Platform:RHP) だ。
まるで顔があるようなRHPが、自動ルート追従などの性能を披露する様子は、現地メディアでもさっそく取り上げられている。
かつてない自律機能を目指す巨大なロボット戦車RHP
比較対象がないのでわかりにくいが、RHPは重さなんと12トン、長さ6メートルの大型戦車だそう。特筆すべき点はまだある。RHPのミッションは前述したとおり、でこぼこな無舗装面や道なき道など、複雑で予測しがたいオフロードを走行するという戦闘規模の自律性だ。これは従来の戦車にはない機能となる。
なおRHPには、米テキストロンシステムズ社開発の Textron M5 ベース プラットフォーム が使われている。
このプラットフォームは、以前アメリカ陸軍が行った新技術や新戦略の開発活動の向けに同社が開発した、無人戦闘車両 Ripsaw M5 の設計の基礎になっている。
つまりRHPの場合は基本 Ripsaw M5と同様の設計で、そこに今回のRACERプログラムの自律制御ハードウェアとソフトウェアが追加されているという。
緑色の「目」がある戦車として話題に
しかしとりわけ注目されているのが、印象的な緑色の「目」だ。これは実際には、車両のステータスを示すインジケーターライトで、緑色に光ってる時が自動運転モードのオンを示すそう。確かに緑じゃない時もある。その時は遠隔操縦中なのかも。
と知っても、やはり一種の目の錯覚、シュミクラ現象というかパレイドリアというか、この2つのライトが目にしかみえない。配置も正面の絶妙なところだし、一度そうなるとそんな風にしか見えないんだわ。
それだけでDARPA自慢のRHPが顔のある戦車になるから不思議。まるで何かのキャラみたいで親しみまでわいてくる。ただよくみるとこのライト前後両方にあるような?
「緑色の目が気になる」「SF映画っぽい」の声
話題のRHPに関しては海外メディアのコメント欄にこんな反応が。・緑色の目がだんぜん気になる。もう生きてるみたいだ
・自動運転技術がこんなに進化してるって驚愕
・実戦でどんな機能を発揮するのか見たいわ
・緑の目ってちょっと怖くね?
・とんでもなくデカい戦車だぞこれ
・自動運転の戦車がほんとにできるなんてな
・戦争の未来の風景を夢想した
・この緑色の目がすごくSF映画っぽい
ロボット戦車RHPは今後も話題に
数十年前から自律走行車の開発に取り組み続け、80年代以降は時代に合わせて戦略的なコンピューター政策も取り入れてるDARPA。そのかいあって米軍の進歩は驚異的なものになり、2020年代からの自律走行車は少々の積雪も問題にならないほど性能が向上している。
今回公開された最新ロボット戦車RHPは、その大きさや能力、そして特徴的な緑の目でまだまだ話題になりそうだ
ただこの緑の目、テスト用の特別仕様ってことはないのかな?それとも今後はこういうライトで自動運転中かどうかを教える戦車が増えるのかしら。
References:gizmodo / hothardware / theregister / youtubeなど /written by D/ edited by parumo