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巨人・菅野智之が小林誠司とのタッグで完全復活か 他球団から「全盛期と重なる」

週刊ベースボールONLINE

シーズン当初から続ける好投



V奪回を目指す巨人にとって菅野が開幕から好調を維持しているのは大きい

 この右腕の名前がコールされると、スタンドからの声援が一段と大きくなる。全盛期の姿を再び――。完全復活を予感させるのが巨人の菅野智之だ

 今季は3試合登板で2勝0敗、防御率0.44。球団史上最多となる8度の開幕投手を務めたが、今季は先発ローテーションの座を確約された立場ではなかった。オープン戦で結果を残し、4月4日の中日戦(バンテリン)で初登板すると、7回4安打無失点の快投で白星。11日のヤクルト戦(神宮)も6回3安打無失点で2勝目をマークした。3連勝はならなかったが、18日の阪神戦(甲子園)も7回途中まで1失点の粘投。9奪三振を奪った。

 他球団のスコアラーはこう分析する。

「コンディションがいいんでしょうね。投げミスがほとんどないので連打が難しい。ピンチになると、出力を上げる投球は全盛期と重なります。すべての登板試合でバッテリーを組んでいる小林誠司の存在も大きい。多彩な変化球を巧みに使い、直球を生かしている。菅野の良さを一番知っている捕手なので配球のコツをつかんでいますよね。昨年は序盤から目いっぱい投げていた印象だが、今年はメリハリをつけて投げている。マウンド上の仕草を見ると自信を取り戻しているように感じます」

昨年はわずか4勝止まり


 最多勝3度、最優秀防御率4度、沢村賞2度、MVP2度……8度の開幕投手は球界を代表するエースとして一時代を築いたが、昨年は右肘の張り、首痛など度重なる故障で開幕から2カ月以上をファームで調整する事態に。後半戦は一軍のマウンドに戻ってまずまずの投球内容だったが、プロ入り最少の14試合登板にとどまり、4勝8敗、防御率3.36と不完全燃焼に終わった。

 エースとして輝きを放っていた時期が強烈だっただけに、近年の成績は満足のいくものではない。打者を制圧する圧倒的な投球に陰りが見え始めたのが2021年。6勝7敗、防御率3.19とふるわず、メンバーに選出された東京五輪もコンディション不良で出場を辞退した。菅野は週刊ベースボールでこの時の苦悩を明かしている。

「ここまで4度の抹消があるのですが、正直にお話しすると、特に6、7月の時点では100パーセントで腕を振れる状態ではありませんでした。それでも何とかチームの力になりたいという気持ち、そしてメンバーに選んでいただいていた東京オリンピックへの思いがありました。変調に至った原因としては、自分自身の問題ではあるものの、例年とは異なり、オフシーズンに十分な準備期間を取れなかったことが挙げられます。キャンプを過ごし、練習試合、オープン戦は計4試合無失点も、結果ばかりが先行して、感覚的には決して良くはありませんでした。プレートの位置も変更してみたり、『まだ時間が必要だな』と自覚していましたが、やはり、じわじわとボディーブローのように効いてきてしまいました」

背番号「18」の先輩からのエール


 菅野は入団から18年まで背番号「19」をつけ、19年以降にチームのエースナンバー「18」に変更している。18の先駆者で巨人のエースとして活躍した野球評論家の堀内恒夫はエールを送っている。
 
「18番の背番号は重い。そして、菅野は責任感が強いと聞く。時々、菅野が悩んでいる姿を見ると、19番のままでいたら、もっと伸び伸びと投げ続けていたのだろうか。そう思うときもある。俺は、18番のユニフォームを着ながら敗戦処理としてマウンドに立ったこともある。エース番号を着けながら、こんなことでいいのかと葛藤したさ。恥ずかしくもあった。でもさ、自分の思いとチームの思いが、いつも一致するわけじゃない。その中で、自分はどう着陸するのか。それだけを考えて、伸び伸びと投げ続けてほしい。頼みましたよ」

 22年に10勝をマークしたが、昨年は4勝止まり。下降線をたどっているように見えたが、投球内容を見ると復活の兆しは見えていた。白星には恵まれなかったが、夏場以降は先発ローテーションで不安なく腕が振れるようになり、9月は3試合登板で月間防御率2.65と安定していた。

 まだシーズンが始まって1カ月も経っていない。エース復権と呼ぶのは菅野に失礼だろう。戸郷翔征、山崎伊織と切磋琢磨して投手タイトルを争うような数字を残したとき、V奪回が見えてくる。

写真=BBM
 
   

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