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新日本プロレス プロレスラー兼社長の棚橋弘至さんにインタビュー!〈前編〉【話題のエンタメ】

ファンファン福岡

 新日本プロレスの人気プロレスラー棚橋弘至(ひろし)さんがファンファン福岡編集部を訪問♡  昨年末、現役ながら同社の社長に就任したことで話題の棚橋さん。今年も福岡で開催される「レスリングどんたく2024」などについてプロレスビギナーの編集部が聞きました! 前編、後編に分けて紹介します。※2024年3月29日取材

ポーズを決める棚橋弘至さん

「“実質5秒反則できる競技”はプロレスのほかにない」

プロレスの初歩的なことや「レスリングどんたく」について教えてください。
 新日本プロレスは年間約150試合あり、それが10個ほどのシリーズになっています。毎年4、5月は「レスリングどんたくシリーズ」として西日本から九州に入り、熊本、鹿児島、大分に行き、最終戦は福岡の「レスリングどんたく」というのが毎年の流れです。

 プロレスは分かりやすく言うと基本的に何をやってもいいのですが、反則は5秒以内でやめないと負けになってしまいます。“実質5秒反則できる競技”はプロレスのほかにないんですよ。プロレスは戦いがあって、ルールがあって、レフェリーがいます。競技として見てもらうと面白いと思います。

 勝負は「相手の両肩をマットに3秒つける(スリーカウント)」「関節技を決めて、ギブアップをとる」「場外で20秒以内にリングに戻れないと場外リングアウト」で決着がつきます。

「遊園地でアトラクションを楽しむ感覚で来て」

リングに戻らせないようにする勝ち方もありますか? 
 ありますが、ファンが全然喜びません。ブーイングが来ます。ヒールはそういう勝ち方もしますけど、(ヒールの存在は)見に来たお客さんに楽しんでほしいという部分があります。

 プロレスを見たことのない女性やお子さんは「怖い、痛そう」といったイメージがあるかもしれません。なので僕があちこちを回って「プロレスにはちゃんとルールがあって、技を競い合って、勝負が決まるんです」ということを一から丁寧にプロモーションしていきました。そうするとだんだん女性ファンが増えていきましたね。

 現在48歳の僕らは金曜8時、土曜4時のプロレス中継を見ていた最後の世代なんですよ。その世代が結婚して子どもができて、家族単位で行動するようになった。新日本プロレスの会場には家族連れが多いです。感覚としては、「遊園地に行ってアトラクションを楽しんで帰りにごはんを食べて帰る」という流れができているんではないかなと思っています。

©新日本プロレス

会場に家族連れが多いとは知りませんでした。
 プロレスのいいところは、親御さんがお子さんに対して技や選手、“いい者・悪者”だったりについての解説ができます。説明しながら見ているとお子さんからのリスペクトを勝ち取れるし、お子さんも体の大きな選手たちを見て「いっぱいご飯食べて大きくなろう!」ということにつながるのではないかと。

棚橋さんも親御さんからプロレスを教わったのですか?
 僕の場合はずっとプロレス好きだったおばあちゃんでした。さらに父もアントニオ猪木さんのファンだったようで。僕の名前は、猪木さんの本名「猪木寛至 」から「至」の字をもらっていて、なるべくしてプロレスラーになってしまったんですね。そして社長にまでなってしまったという、よくできた話です。

©新日本プロレス

新日本プロレスには何人の選手が所属していますか。
 40人くらいです。多少増減はしますが、レギュラー参戦している外国人たちが10~15人いて、1大会50人前後で動いています。加えてリング回りのスタッフ、売店スタッフもいる「一座」です。だから僕は、チャンピオンというのは「座長」だと思っていますね。

 プロレスのテレビ中継が深夜帯の放送に変わって、僕たちは「マイノリティー」の自覚があります。巡業という興行の体系を最大限に生かして「こちらからお届けします」という気持ちでやっています。

引退を決意するのは「1番を目指さなくなった時」

ファンファン福岡編集部でインタビューに答える棚橋弘至さん

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今年の棚橋さんのマイテーマは?
 社長になって、今チャンピオンベルトはどこにも絡めていません。「IWGP世界ヘビー級」という新設されたベルトに僕の名前を刻んでおきたいなと。

 「何がきっかけで引退を決意するのかな」と考えた時期があって、それは「1番を目指さなくなった時」だと思っています。けがを抱えて体力的な衰えもあるのですが、それは引退理由ではなく、気持ちの部分でまだ「IWGP世界ヘビー級」のベルトを巻きたいと思っているうちは現役を続けていくし、僕が見てみたいです。(そうなったら)社長で、チャンピオンで、エースで、ほかの選手から「世代交代してください」といわれそうですね。ワンマン会社になっちゃいますね(笑)。

ファンファン福岡編集部を訪問した棚橋弘至さん

棚橋さんイチオシの若手選手は?
 20代後半、30代前半の選手に「令和闘魂三銃士」(海野翔太、成田蓮、辻陽太)がいます。元々の始まりは、スーパースター「武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋」の「闘魂三銃士」。そのオマージュです。新日本プロレスは“セット売り”が好きなので。その中で誰が一番抜け出すのか見ています。さらに、上村優也(福岡大学出身)がちょっと遅れて凱旋帰国しました。内藤(哲也)、オカダ(・カズチカ)たちより下の世代がリーグ戦で優勝するようになり、新日本プロレスの胎動が始まっています。

 辻対内藤のチャンピオンシップで勝ったほうが「レスリングどんたく」のメインで新たな挑戦者を迎え撃つかと思いますが、このように、両国国技館の大会から全部つながっているんです。プロレスは1話完結なんですけど、長く見ると今年の(東京)ドームから来年のドームまで、年間を通した大河ドラマなんですよ。

すてきな表現です。大河ドラマなのですね。
 1人の選手を応援していくと、勝った負けたのうれしさ、悲しさも感じられるし、若い選手を見ていたら急成長していたりもしますし。5年、10年見ていたら、若手がチャンピオンになっているし。シュミレーションゲーム的な感覚で見てみてください。「あの選手は若い頃から目を付けていた」などと育成ゲーム的な要素もあるかもしれません。

 プロレスは一度見たら、楽しんでもらえる自信があるんですけど、長く見てもらったらもっと面白いです。選手の成長、ストーリーがあります。プロレスラーは全員が1番になりたいので、ライバル関係が自然発生するんですよ。いつまでも1番になりたい気持ちを残している大きな子どもともいえます。
 いろんな思いでプロレスを見てくれるファンの夢をリング上で見せられたらと思っています。

「推しが決まらない人は、まず棚橋を推して」

初心者はまず若手を応援してみるのがいいのですね。
 ビジュアルで“ジャケ買い”するようなイメージで「なんとなくこの選手好きだな」という軽いノリで見てもらえたら。見方が分からないかもしれませんが、周りにベテランファンがいて、コールが発生したり、拍手が起きたりするので、自然と溶け込めると思います。

 “推し”が決まらないという人は、まずは棚橋を推してください。僕が入り口で大丈夫です。プロモーションを通じてできたファンが会場に来てくれるようになったんですけど、棚橋を通り越して、オカダ推しになってしまって…。僕は“最初の男”…、いや“初恋の男”なんですよ(笑)。

©新日本プロレス

―初心者の観戦におすすめの席は?
 コロナ禍前は「博多スターレーン」など1,000人規模の会場で開催していました。そこは(リングと客席が全体的に)近くて臨場感がありましたね。

 ただ、いきなりリングサイドだと刺激が強いかもしれないので、最初は2階席で俯瞰(ふかん)で見てください。そうすれば、飛び技もきれいに見えます。「好き」が加速してきたら、2階席アリーナ、リングサイド、特別リングサイドと近づいてきてください。前の方が熱量が高い傾向にあります。棚橋は間近で見たほうがいいんでね。

〈後編へ続く〉

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