トラックマンなどの計測器の進化と、コーチや選手自身の分析能力の向上により、効率化を進めた結果、個性的なスウィングは少なくなったが、パッティングは別。何を武器にして、PGAツアーの高速グリーンに対処するか、そこにはそれぞれの「哲学」が見え隠れする。トッププロたちの技術の結晶があるパッティングについて、2024年5月7&14日合併号の「週刊ゴルフダイジェスト」で中井学プロが解説している。「みんゴル」でもその一部をお届けしよう。まずは、マスターズチャンピオンのスコッティ・シェフラーと我らが松山英樹だ!
感性でストロークを操るスコッティ・シェフラー
スコッティ・シェフラー(アメリカ、27歳)
世界ランキング1位、賞金ランキング1位
フェデックスカップランキングランキング1位、平均パット数:1.666
以前、ピン型を使っていたときには、ややアドレスのばらつき(トウ側、ヒール側の浮きなど)が見られましたが、マレット型に替えたことでそれがなくなった印象です。マレット型はヘッドの据わりがいいので、ボール位置や手の位置を「ここ」と規定してくれるよさがあります。独特なスウィングからもわかるように、感性でゴルフをするタイプで、グリーン周りのタッチは一級品。アドレスの再現性がアップしたことで、さらに穴がなくなりました。(中井学プロ)
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両手を合わせるような形で、グリップを左右から包み込む。
振り子運動がしやすい。
体全体でラインを出していく松山英樹
松山英樹(日本、32歳)
世界ランキング15位、賞金ランキング3位
フェデックスカップランキング5位、平均パット数:1.758
ショット力が高すぎて、バーディチャンスが人より多いことから、 パットが「外れている」と見られがち。それでもぶれずに自分のストロークをやり続ける意志の強さは、称賛に値します。テークバック無しでボールを転がすドリルがありますが、それを実際のストロークの中でやっている感じの、全身で「押す」タイプのパッティングスタイル。マキロイと比較すると、フォローで右肩が 下がって、より「縦振り」の要素が強いのがわかります。(中井学プロ)