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『ちびまる子ちゃん』TARAKOさん後任の菊池こころはどんな声優? “交代問題”を考える

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菊池こころ

 かつてない大役だ。TVアニメ『ちびまる子ちゃん』でTARAKOさんの後を継いでまる子を演じることになった菊池こころには、『ドラえもん』で大山のぶ代の後を引き受けた水田わさびに負けない注目が集まり、しばらくの間は「よく演じている」とか「やっぱり違う」といった声がつきまといそう。もっとも、声優としての実績は過去に演じてきたいくつもの役で分かっている。やや癖のあるまる子というキャラクターも、しっかりと自分のものにしていってくれるだろう。

参考:孫悟空、ドラえもん、ルパン三世ら 声優の交代を考える

「TARAKOさんが大事に演じ続けてきた“まる子”。正直怖い気持ちもありますが、『ちびまる子ちゃん』が大好きだというこの気持ちを大切にして一所懸命努めます。しばらくは耳慣れないと思いますが、どうか長い目で見守っていただけたらとても心強いです。よろしくお願いいたします」(※1)

 長年、『ちびまる子ちゃん』でまる子を演じてきたTARAKOさんの訃報を受け、後任のまる子役に決まった声優の菊池こころは、公式サイトにコメントを寄せて、まる子という役を演じる気構えを示した。「しばらくは耳慣れないと思いますが」という言葉は、過去のアニメ番組で何度も行われてきた声優交代の度に取り沙汰されたこと。それでも、多くはしっかりと後を受け継ぎ、役を自分のものにしていった。

 『ちびまる子ちゃん』と同じようなご長寿アニメでは、『ドラえもん』でドラえもんの声を大山のぶ代から水田わさびが引き継ぎ、『クレヨンしんちゃん』で野原しんのすけの役を矢島晶子から小林由美子が引き継いだ。いずれも独特の声質や演技が求められる役柄だが、水田わさびは得意としていた少年役をアレンジするようにしてドラえもんになりきった。小林由美子も少年役を多く経験してきた実績に、演技力を乗せてしんちゃんのふざけたような幼稚園児を演じている。

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 菊池こころも、こうした流れに乗っていけるかどうかというと、やや見えないところがある。基本的に声質がキュートなのだ。たとえば『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のうちはサラダは、サスケとサクラの間に生まれた娘で、火影になるといって頑張る優等生的キャラクター。勝ち気だが愛らしいところもあって、声にもそうしたキャラクター性が滲んでいる。

 『ねぎぼうずのあさたろう』で演じたこももも、女忍者で強気なところを漂わせつつ、愛らしさも感じさせる声音で観る人をひきつける。林原めぐみを少しだけハイトーンにしたような感じとでも言えば印象は伝わるか。やはり林原のように前へと飛び出すような強さがあって耳に残る。演技についてもなかなか巧みだ。

 『デジモンユニバース アプリモンスターズ』のガッチモンや、『ハートキャッチプリキュア!』のポプリのようなマスコット系キャラクターも演じて来た。男の子のバディであっても女の子のパートナーであっても、しっかり演じて頼もしさを感じさせるバイプレイヤーぶりを聞かせてくれた。

 そうかと思ったら、『エア・ギア』では鰐島亜紀人という二重性を帯びたキャラクターになりきって、尖った少年像といったものを見せてくれている。それでいて『銀河へキックオフ!!』のクールな天才ストライカー、青砥ゴンザレス琢馬も演じてしまうのだから、底が知れない声優だ。

 とはいえ、まる子は特殊で特別だ。『戦闘メカザブングル』でチルという子供を演じ、『まじかる☆タルるートくん』でやはり子供のようなタルるートを演じていたTARAKOさんが、同じようなキャラクター性を持った少女を演じた上で、30年をかけて作り上げてきた役だ。その声質なり演技は、菊池こころが演じてきた役の上には見当たらない。抜擢が発表され時、誰もが「えっ」と驚いたのも分かるだろう。

 似ている声を選ぶなら、『みどりのマキバオー』でミドリマキバオーを演じ、『ポケットモンスター』のシリーズでニャースを演じ続けて来た犬山イヌコが近かった。あるいは、劇場アニメ『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』で、“おんたん”こと中川凰蘭に、原作者の浅野いにおも認める演技でなりきったあのも、多忙ささえクリアできれば起用されて不思議はなかった。どちらも声質が近く、演技にも似たところがあったからだ。

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