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藤原季節、コロナ後の葛藤経て「日本映画界へのリベンジ」 オールキャストオーディションのR15+作品に熱い思い

シネマトゥデイ

藤原季節

 俳優の藤原季節が20日、渋谷ユーロスペースで行われた映画『辰巳』(公開中)初日舞台あいさつに遠藤雄弥、森田想、佐藤五郎、倉本朋幸、松本亮、小路紘史監督と共に登壇。現状の日本映画界への熱い思いを吐露した。

 本作は、小路紘史監督にとって『ケンとカズ』以来、8年ぶりとなる作品。元恋人が殺される現場に遭遇した辰巳(遠藤)が、被害者の妹・葵(森田)の復讐の旅に同行するさまを追うクライムドラマ。

 『ケンとカズ』は、2015年の第28回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞したほか、「新藤兼人賞銀賞」を受賞。インディペンデント映画でありながら、評価の高さから上映期間が2度延長されるなどロングラン上映となった。

 そこから8年、本撮影が終了してから5年の歳月を経ての新作となったが、本作はすべてのキャストがオーディションによって選ばれるという現在の日本映画としては異例ともいえる作品だ。その『ケンとカズ』にも出演している藤原は「当然のことながら僕もオーディションです」と語ると「主人公を含め度重なるオーディションを経て出演に至った。そんな日本映画はないと思います。閉塞した日本映画界に風穴をぶち開けるような作品になっています」と胸を張る。

 小路監督は5年間という月日について「当初は2019年に撮影を行って2020年に公開する予定だった」と述べると、コロナ禍に突入したという予期せぬこともあったというが「まだできることがある」という思いで、追撮や編集を繰り返し、満足いく作品にまで仕上げたという。小路監督は「何かが起きるのではという期待が持てる映画になっていると思います。みんながそこに向かって団結して力を合わせていかないと完成できないような映画。そういう作品を作るためには必然の時間でした」と語った。

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 そんな思いで完成した作品に「今後の映画作りに生きる経験だった」(遠藤)、「自慢したい、誇らしい作品」(森田)と映画への思いを語るなか、藤原は「僕は映画が好きなんです」とつぶやくと「でもコロナ禍後、映画との縁が全然ないんです」と苦笑い。

 さらに藤原は「オファーをいただけなかったこともあるかもしれないし、あがっていた企画が倒れてしまったこともありました」と言葉を紡ぐと「そんなとき『俳優は人気商売だから』とか『季節には数字が足りないから企画が動かないだよ』と言われたこともありました」と明かし「じゃあ、数字を持っていない俳優が陽の目を浴びるチャンスってどこにあるんですか? 映画を志す俳優たちが見る夢ってどこにあるんですか」と心情を吐露。

 すると藤原を含めた登壇者が「ここにある」と小路監督を見つめる。藤原は「この作品には、オールキャストオーディションという平等なチャンスを勝ち抜いた俳優たちがいる。この作品は日本映画界へのリベンジです。皆さんのお力を借りて、大きな竜巻を起こしていきたいです」と熱い思いを語ると、会場からは拍手が巻き起こった。

 藤原の言葉に遠藤は「季節が言ってくれましたが、この映画はとても素晴らしい豊かな108分になっています」と語ると、希望の星である小路監督に「これからもうちょっと短いスパンで映画を撮ってください」とスピーチし、会場を笑わせていた。

 小路監督は「ここに立っているみんなと映画が作れて本当に幸せでした。さらに今日ここに立っていないキャスト・スタッフの方の応援や協力で成り立った映画です」と、映画に携わったすべての人への感謝を述べていた。(磯部正和)

 
   

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