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寺脇研が選ぶ「今週のイチ推し!」東大卒なのに仕事ができない発達障害の不条理と葛藤!

アサ芸Biz

 最近、発達障害という言葉を聞くことが多くなった。子どもの頃はわからなくても大人になってから「生きづらさ」から障害が見つかることが多いらしい。

 本書も社会で「生きづらさ」を抱えた発達障害の実例が多く登場する。実は著者自身が発達障害なのだ。大学を卒業し、就職したが、発達障害のため、うまくいかない。その結果、ライターの仕事を得て、なんとか自立できた。これはラッキーな部類だと言う。

 そもそも発達障害とは、主にADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)を指しての総称だ。

 本書に登場するのは著者のような高学歴で発達障害がある人たちだ。発達障害は、学歴に関係なく生きづらいのだが、特に高学歴ゆえに、多くの問題を抱えている。

 例えば「東京大学を出ているのに客からの電話1本も取れないのか」とバカにされ、単純作業にまわされるという具合だ。客から電話を取る行為は、発達障害には非常に困難なのだ。内容を聞き、把握し、それを誰に伝えるべきかを判断し、電話の相手に伝えるというマルチタスクができないからだ。

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 東京大学大学院卒のIさんは、感情のコントロールに苦労し、コンサルタント会社を首になる。Iさんは、別の会社に再就職するが、仕事の段取りやコミュニケーションが不得手でミスを繰り返す。コロナでリモート勤務になってようやく落ち着く。

 ふさわしい仕事を見つけた人もいる。慶応大学卒のMZさんは、就活で挫折し、うつ病になりフリーターとなる。エリートの同級生たちからは「ニート」と蔑さげすまれる。映画館のバイトで日々を過ごしていたが、映画学校に通い、脚本を学んだことで人生に道が拓ける。

 彼女は売れっ子の脚本家となったのだ。すると、同級生の見る目が変わった。彼女はバカにした彼らに「ざまぁ」というねじ曲がった気持ちを抱いた。

 本書には、自身も発達障害である大学准教授の横道誠氏の見解が掲載されている。

 横道氏は「自分の周りにいる研究者は、多かれ少なかれ発達障害の特性がある人が多い」と感じるらしい。大学は、ある意味で社会から隔絶しているため、発達障害にとっての「ユートピア」になっているのだ。しかし、横道氏は最近の大学は「合理性」を追求するのに急で、社会と同じになりつつあるのが問題である、と指摘する。

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