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篠原涼子の“お笑いとの相性”が良い理由。番組で語った『ごっつええ感じ』への想いからわかること

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 水を得た魚のように、こんなにいきいきとした篠原涼子を久しぶりに見た。

 毎週金曜日よる9時から放送されている『イップス』(フジテレビ)でミステリー作家を演じる篠原が、かなりいい。W主演となるバカリズムとの相性がいいのだろうか。

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、篠原涼子とお笑いとの相性を読み解く。

実年齢に合わせてカッコよさが増す人

 筆者のようなアラサー世代にとっての篠原涼子は、やっぱり『アンフェア』(フジテレビ、2006年)の刑事役の印象が強い。永山瑛太扮する相棒刑事とともに、場合によっては銃を発砲して犯人を逮捕する。

 スパパンと切れ味鋭い篠原のカリスマ性が、圧倒的な魅力を放っていた。同作放送から10年近く経ってもその魅力は変わらず、恋愛アプリの会社に勤務する40歳の主人公を演じた『オトナ女子』(フジテレビ、2015年)でも依然としてイケイケ。

 冒頭の出勤場面。髪をかきあげ、タクシーを呼び止めようとするが空車ではなかった。呼び止めようとしたその手で眼鏡をかける。流れるような一連の動作。同作の篠原を見て、実年齢に合わせてカッコよさが増す人だなと思った。

『ごっつええ感じ』での“不適切”な扱い

 翻って、グッと若い頃の篠原はどうだったか。『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ、1991~1997年、以下、『ごっつええ感じ』)に出演していた当時は、カッコよさのイメージとはかけ離れていた。でも今見るとそれが意外すぎて逆に新鮮に映る。

『ごっつええ感じ』へのレギュラー出演は、1991年から。当時篠原は18歳。時代性もあってか、篠原は不適切な扱いを受けまくる。コント職人としての才覚冴えわたる松本人志の面白さが、まだ不適切を勝っていた時代かもしれない。特に松本がキャシィ塚本という料理研究家に扮するコントが滅法面白い。

 真面目に料理を作り始めたかと思いきや、食材をめちゃめちゃにしながら、怒涛の暴力的展開になるのがお決まり。助手役の今田耕司と篠原には容赦なく平手打ちをくらわせ、篠原は必死でタイミングを合わせながら血糊袋をおでこにあてる。今じゃ考えられないコント番組時代だった。 



“ごっつ”で習得したお笑いマナー

 そんな時代について、『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~』(テレビ東京・2023年10月19日放送回)にゲスト出演した篠原が言及した。

『ごっつええ感じ』に対して、「私はお笑いの世界に入るために芸能界に入ったのではなく歌がやりたくて」と語りつつ、「ハリセンのやり方だったりとか、つっこまれるのがステータス的な。そういうところから1つ1つ覚えていって」とも。

 お笑いに関して右も左もわからなかった篠原が、ダウンタウンからの洗礼によって、篠原ははからずもお笑いマナーを修得したというわけか。

 現在放送されているドラマ『イップス』で、W主演のバカリズムとの相当なデコボコ・コンビを活き活きと演じているのは、そもそも篠原とお笑いの相性が良かったからかもしれない。バカリズムとの掛け合いによって、コントっぽいドラマとして楽しめる。

設定に既視感があるワケ

 篠原が演じるのは、かつてはヒット小説を生み出していたが、現在は情報番組のコメンテーター仕事で忙しいミステリー作家・黒羽ミコ。長らく小説を書いていない。パソコン画面に向かってみても一文字も書けない。

 それまで得意だったことがいきなりできなくなるイップス状態なのだ。そんな彼女の小説に対して、SNSでアンチコメントするのが、こちらもかつては検挙率ナンバーワンだった刑事・森野徹(バカリズム)。サウナで起きた殺人事件現場でふたりは偶然居合わせる。

 ミコはこれを好機と捉え、小説執筆のために殺人事件の取材を始める。でもなんだか、ミステリー作家が特異なシチュエーションで再び創作意欲を駆り立てる設定には、既視感がある気が……。



『ウェディング・ハイ』タッグによる初共演

 2023年に放送された中村倫也主演ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日)でも、鳴かず飛ばずのミステリー作家が、殺人事件に巻き込まれる様が描かれていた。あぁ、そうか。中村倫也、篠原涼子、バカリズム。この組み合わせといえば、『ウェディング・ハイ』(2022年)だ。

 同作で篠原が演じたのは、ウェディングプランナー。中村は新郎役。ドタバタ結婚式群像コメディの脚本を書いたのが、バカリズム。そんなつながりから、『イップス』では、あえて既視感のあるミステリー作家設定にしている。

『ウェデイング・ハイ』には出演はしていなかったバカリズムが、『イップス』では篠原とお手合わせ。お笑いドラマを楽しんで演じる篠原と変に笑わせようとしないのに、そこはかとなくおかしいバカリズム。いいじゃないか。『ウェデイング・ハイ』タッグによる初共演。面白くならないはずがない。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu



 
   

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