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「並外れたアスリートであり人物」現役引退を発表した長谷部誠の特別なキャリアに現地メディアも敬意! 樹立した偉大な記録の数々にも脚光

THE DIGEST

「並外れたアスリートであり人物」現役引退を発表した長谷部誠の特別なキャリアに現地メディアも敬意! 樹立した偉大な記録の数々にも脚光(C)THE DIGEST
 フランクフルトの長谷部誠は4月17日、記者会見において今季限りでの現役引退を発表した。

 今年1月18日に40歳になった彼は、「22年間プロサッカー選手として過ごしてきましたが、現役生活に終止符を打つ時が来ました。この決定については慎重に検討しましたが、今が適切な時期であると考えています。長年にわたって経験し、達成できたことを、誇りを持って振り返ることができます。(中略)今後はシーズンの重要なラストスパートに全力を注ぐことになります。そして、夏以降はアイントラハトでの新しい役割を楽しみにしています」と語り、引退後もフランクフルトに指導者として残留することを明らかにしている。

 クラブのスポーツディレクターであるマルクス・クロシェは、「マコトは常に、多くの選手にとって素晴らしいロールモデルだった。彼のプロフェッショナルな姿勢とライフスタイルにより、40歳になった今でも高いレベルでサッカーをすることができている。シーズン後に現役生活を終えるという彼の決断は、尊敬に値する。彼はフランクフルトで素晴らしい功績を残した。その長年の経験を若い選手たちへ伝えるために、クラブに残ることを嬉しく思う」との声明を発した。
  2002年に藤枝東高から浦和レッズに入団し、中盤の底に君臨してJリーグやAFCチャンピオンズリーグなどのタイトル獲得に貢献した彼は、2008年1月にドイツに渡り、ヴォルフスブルクでは加入2シーズン目にリーグ優勝を経験。2013年に移籍したニュルンベルクでは怪我や2部降格の憂き目に遭ったが、2014年よりフランクフルトの一員となり、中盤の底、もしくは最終ラインで安定したプレーを見せて、2018年にDFBポカール、そして2022年にはヨーロッパリーグというビッグタイトルを手にしている。

 そして日本代表としては、ジーコ政権下の2006年2月に親善試合アメリカ戦で初キャップを刻んで以来、2018年までに114試合でプレー(2得点)。ワールドカップは、2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会と3度(計11試合)出場し、2011年には唯一のタイトルとなるアジアカップを、キャプテンとして勝ち取った。

 プロ選手として700試合近くプレーし、ドイツではブンデスリーガで383試合に出場(4月17日現在)。これは外国人選手としては、クラウディオ・ピサーロ(490試合)、ロベルト・レバンドフスキ(384試合)に次ぐ記録であり、当然ながらアジア人としては歴代1位である。 また、ブンデスリーガにおいて40代以上でプレーした選手は、歴代で10人だけであり、ここでも長谷部はその名を残している。ちなみに今季最終節(RBライプツィヒ戦)を迎える5月18日の時点での40歳121日は、ブンデスリーガ歴代最年長ランキングで9位に入るものである。ベスト10は以下の通りだ。

1位:クラウス・フィヒテル(DF/1988年引退) 43歳6か月2日
2位:ウリ・シュタイン(GK/1997年) 42歳5か月19日
3位:ハラルド・シューマッハー(GK/1996年) 42歳2か月12日
4位:クラウディオ・ピサーロ(FW/2020年) 41歳8か月24日
5位:ミロスラフ・ヴォタバ(MF/1996年) 40歳7か月11日
6位:ベルント・ドレハー(GK/2007年) 40歳6か月11日
7位:イェンス・レーマン(GK/2010年) 40歳5か月17日
8位:マンフレド・ブルグスミュラー(MF/1990年) 40歳4か月20日
9位:長谷部誠(MF/2024年) 40歳4か月(予定)
10位:クラウス・ライトマイヤー(GK/2004年) 40歳10日

 こうした偉大な記録を樹立した長谷部の引退発表については、世界中の多くのメディアが一斉に報じているが、ドイツのスポーツ紙『Kicker』は「並外れたアスリートであり人物がステージを去る」と題した記事で、「彼はスピード不足を、優れたポジショニングと予測能力で補い、ビルドアップでは優れたビジョンと正確なパスで見る者に感銘を与えた」と、「謙虚で礼儀正しい二児の父親」のプレーを称賛した。
  また、現モナコ監督のアディ・ヒュッターがフランクフルトを率いていた際の「長谷部に関してはワインと同じようなもので、歳をとればとるほど良くなる。彼は我々のチームのキープレーヤーだ」という賛辞、当時のスポーツディレクターだったフレディ・ボビッチの「長谷部は“指導者”であり、模範的なプロだ」というコメントを紹介している。

 そのストイックさと誠実さ、優れた頭脳、確かな技術とセンスにより、間違いなくドイツにおける日本人選手の地位向上に大貢献した長谷部。そのキャリアに多大な敬意を払うとともに、残りの現役生活とその後のキャリアが充実したものとなることを願わずにはいられない。

構成●THE DIGEST編集部

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