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50歳が「ひとり旅適齢期」なワケ。女性ひとり旅が似合う土地ナンバーワンは?

女子SPA!

 50歳という年齢に、あなたはどんな印象を持ちますか。

「いやはや遠くへ来たな~としみじみ思った」と語るのは、『50歳からのごきげんひとり旅』(大和書房)の著者、料理家の山脇りこさん。

 なんと発売後約1ヶ月で5万部を突破しました。人生後半の折り返しスイッチとして、これ以上ぴったりな書籍はないのでしょう。

50歳を過ぎたら大切にすべきこと

 本書いわく「2020年以降、日本人女性の過半数が50歳以上」。日本人女性の過半数が50歳以上という、驚愕の事実です。老いるというのはそれだけで気が滅入り、うつむき加減になってしまうのかもしれません。

 でも50歳で鬱々としていたら、60代、70代を生きるのがつらくなってしまいます。対策として山脇さんが行きついたのが、「思い出したらごきげんになれる、ごきげん玉貯金」。

 50歳以降に必要なのは、自分のごきげんを最高な状態に整えること。そのために有効なのが、ひとり旅だというのです。

50歳はひとり旅適齢期

 本書によると50歳は「最強にして最後のひとり旅適齢期」。酸(す)いも甘いも経験し、大人としての分別も体力もあり、自由になるお金もあって、適切な使い方もわかっています。

 そして「群れることにやや疲れていませんか?」との問いかけに、うなずく方もいるのではないでしょうか。

 ひとりだからこそ気兼ねなく、無計画に楽しめるのです。空を仰いで気ままに歩けば、新しい空気に心身が生き返るはず。



女性ひとり旅が似合う土地ナンバーワンは?

「ちょっとひとりで京都まで」。一度は言ってみたいセリフです。

 ソロ活が認知されて久しいですが、未だ女性のひとり旅にさみしいイメージを抱く人もいるようで。そんなイメージ、当人はまったく意に介していないのですが、こと京都のひとり旅となるとグッと色香に包まれます。「非日常感ましまし」と本書が言うように、いつだって京都はそそられる土地なのです。

「ひとり旅の受け入れ態勢もばっちり」と本書が絶賛する京都は、山脇さんのリピート率も1位。京都の中心部の通りは南北と東西で規則正しく直行し、「碁盤(ごばん)の目」になっています。ひとつの方角さえわかれば、道に迷ってしまうことはほぼないでしょう。

 本書で紹介されているひとり旅は、「骨董屋さんへ古伊万里を見に行く」。古伊万里とは有田焼の一種で、おもに江戸時代に生産された有田焼や三川内焼や波佐見焼なども含めた総称です。

 なんだか格式高いしハードルも高い、と私などは怯(ひる)んでしまいますが、50歳という成熟した年齢だからこそ、歴史も由緒もある古伊万里が馴染むような気もします。たとえ買う目的がなくとも、京都という特別感あふれる土地で骨董品に魅入られる、というシチュエーションそのものに酔いしれてしまうのです。

 出会いは人だけではなく、物も同じ。なんとなく入ったお店で古伊万里の器にひと目惚れしてしまったら、とてもロマンチックではありませんか。

 山脇さんにも新しい出会いがありました。竹の箸です。「箸でここまで違うのか? と思うくらい、なんでもおいしくなりましてね」と古伊万里のお店のご主人に聞き、俄然興味がわいたのです。さっそくご主人からおしえてもらった竹屋さん、「竹松」へと急ぎました。

 古伊万里は買わず(買えず)、目と心で堪能し尽くし、お店を後にしましたが、ご主人のあたたかい接客とおもてなしは、間違いなく「ごきげん玉」の貯金になったことでしょう。竹の箸も、今では繰り返し使うほどの愛用品になったそうです。

宿泊して、奈良まで足を延ばす

 ひとり旅だからこそこだわりたいのが宿泊先。旅の拠点となりますから選び方も重要です。本書のオススメが「地下鉄でいうと烏丸御池駅、丸太町駅あたり」。

 なぜなら「地下鉄はもちろんのこと、バスに乗るにも便利だから」。ついでに新しくてリーズナブルなホテルも多いのだとか。

 烏丸線に乗り、京都駅を越えて竹田駅に行くと近鉄線につながります。ここから宇治や奈良にも行けますから、一度で二度おいしいひとり旅になるのです。

 ほんの数日の予定でも、京都市内だけではなく宇治の平等院鳳凰堂や、奈良の東大寺大仏殿まで観光できそうです。マイペースに行き来できるのが、ひとり旅のよさでもありますよね。



芸術にふれる、金沢

 2015年に東京から新幹線が開通した時、遠く憧れの地だった金沢が身近になりました。山崎さんは、その時に行った母とのふたり旅をなぞるひとり旅に。

 まず訪れたのは「金沢21世紀美術館」。東京をはじめ主要都市でも美術館はありますが、ひとり旅がプラスされると美や学びの浸透率が違ってくると思いませんか。

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 このときは特別展「フェミニズムズ FEMINISM」が開催されていたそうですが、「多様性を認めようとすれば絶対に避けて通れないテーマ」です。他民族とかLGBTQだけではなく、女性の生き方にも多様性が求められる時代。ひとり旅でこのテーマに巡り合うあたり、運命的なものを感じるのは私だけでしょうか。

 旅の醍醐味(だいごみ)のひとつに、お土産があります。家族に、友人知人に、もちろん自分にも。山脇さんが購入したのは、菓子舗「吉はし」さんの上生菓子(前日までに要予約)。

 金沢は菓子文化も華やかで、金沢駅のショッピングモール「金沢百番街」のお土産ゾーンは、新しいお店も老舗も一堂に会しているそうです。お菓子だけではなく、加賀棒茶や地酒もチェック。新幹線の発車時刻には余裕をもって、お土産探しも旅の一部です。

自分だけの時間に集中する

 平日は仕事で忙しく、休日は家事や付き合いで忙しい。昔よりも1日が短くて、漠然(ばくぜん)とした不安に苛(さいな)まれてしまう。その原因のひとつが、SNSではないでしょうか。

 ひとりでいても、SNSを見てしまうと、ひとりの時間ではなくなってしまいます。頭の中が、雑多な情報でいっぱいになるからです。

「ひとり旅のときは、なぜかSNSを見る時間がものすごく減ります」と山脇さん。「まわりに見たいものがたくさんあるからか、緊張してドキドキしているからか」と分析しながらも「それがとても気持ちいい」と言うのです。

 手のひらにおさまるスマホの世界もいいけれど、たまには両手で抱えきらないほど大きく、澄んだ世界に身をまかせてみませんか。指で検索するのではなく、時間と足を使って赴く未知の旅が、50歳からのあなたを成長させてくれるかもしれません。

<文/森美樹>

【森美樹】
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx



 
   

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