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桜井ユキ、『虎に翼』でさらなる飛躍へ 華族のお嬢様・涼子の“これまで”を体現する気品

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『虎に翼』写真提供=NHK

 3週目に入り、ますます勢いづく朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)。ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)が通う明律大学女子部の同級生たちが一気に退学してしまったようだが、残った仲間たちとの結束はより強くなっているところ。そんな仲間のひとりが桜川涼子だ。演じているのは桜井ユキである。

参考:桜井ユキは稀代の“染まり”女優?

 この涼子という人物は華族のお嬢様で、雑誌で取り上げられるほどの有名人だ。成績は優秀で、海外で過ごした経験があるため英語も堪能らしい。いつもお付きの女性を伴って行動している。山田よね(土居志央梨)、大庭梅子(平岩紙)、崔香淑(ハ・ヨンス)といった寅子の個性豊かな仲間たちの中でも、ひときわ目を引く存在である。
 
 演じる桜井が朝ドラに参加するのは、『ちむどんどん』(2022年/NHK総合)に続いてこれが2度目。同作ではヒロインに大きな影響を与える大城房子(原田美枝子)という人物の、若き日の姿を演じた。出番としては非常に短いものだったため、多くの方が若干の物足りなさを感じたのではないだろうか。しかし『虎に翼』ではメインキャラクターのひとり。法曹の世界を舞台に、女性たちの社会進出を描く本作においては、今後も重要人物であり続けるのではないかと思う。
 
 本作の公式ガイド『連続テレビ小説 虎に翼 Part1』(NHK出版)にて桜井は涼子を演じるにあたって、昔の映画や本などから華族のことを学んだことを明かし、「驚いたのは、当時の華族の女性には、歯を見せて笑ってはいけない、指を開いてはいけないなど、事細かな決まりがあったこと。涼子もきっといろいろな場面で抑えつけられて育ったんだろうと思いました」と述べている。さらには「内向的にならざるを得なかった涼子が、思ったことを素直に口にする寅子や、男性にもどんどん意見を言うよねに感化され、変化していきます」とも。 

●『真犯人フラグ』菱田朋子の“怪演”も忘れがたい桜井ユキ

 寅子と涼子は生まれ育った環境がまるで違う。頭はキレるが少々おてんばなところのある寅子と衝突するのではないかと心配したが、涼子ははじめから心強い味方となった。桜井の気品にあふれた振る舞いからは、涼子の“これまで”がたしかに感じられる。おそらく、いずれは彼女の口からも具体的に“これまで”が語られるのではないだろうか。それはもちろん、寅子たちの絆がさらに深まるときであり、本作のドラマとしての強度がより高まる瞬間である。涼子が華族に生まれたことで感じてきた苦しみのようなものを、桜井はどのように体現していくのか。

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 俳優としてのキャリアはすでに10年以上ある桜井ユキ。映画では『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY-リミット・オブ・スリーピング ビューティ-』(2017年)や『真っ赤な星』(2018年)といった主演作を持ち、2019年には『だから私は推しました』(NHK総合)で連続ドラマ初主演も果たしているが、もしかすると『虎に翼』でようやく彼女の存在を認識した方もいるのではないかと思う。朝ドラは視聴者層の幅が広い。これがさらなる飛躍にもつながってくるに違いない。

 そんな桜井にもっとも注目が集まったのは、やはり『真犯人フラグ』(2021年~2022年/日本テレビ系)に出演していたときではないだろうか。彼女が演じた菱田朋子はかなりトリッキーなキャラクターであり、桜井のパフォーマンスは“怪演”と呼べるものだった。あの彼女の挙動を思い出すと、いまだに身震いしてしまう。桜川涼子と菱田朋子を同じ人間が演じているとは、ちょっと信じ難い。実写版『ゴールデンカムイ』の続編となる『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』(WOWOW)にも桜井は出演しており、同作が世に放たれるのは、ちょうど『虎に翼』の放送が終了するタイミングの頃らしい。寅子とともに涼子の歩みを応援しつつ、その日に向かいたい。
(文=折田侑駿)

 
   

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