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世界的な2つの都市を舞台に2つの時代を駆け抜ける 『パスト ライブス/再会』ソウル&ニューヨーク ロケ地ガイド

otocoto

第96回アカデミー賞で作品賞、脚本賞にノミネートされた、映画『パスト ライブス/再会』。本作が長編映画監督デビュー作となるセリーヌ・ソン監督が12歳の時、家族とともにソウルからトロントへ移住し、その後ニューヨークに移った自身の原体験を元にオリジナル脚本を執筆。今回、映画評論家でもある小林真里監督が訪れた、ソウル・NYの『パスト ライブス/再会』ロケ地レポートをお届けします。

今年2月に、韓国のソウルとアメリカのニューヨークに立て続けに出張に行く機会があった。そこでソウルとニューヨーク、2つの世界的な都市を舞台に2つの時代を駆け抜けるラブストーリー『パスト ライブス/再会』のことを思い出し、ロケ地を巡ってみることにした。ニューヨークのメインの舞台になったのは、以前僕が2年間住んでいたイースト・ヴィレッジだったので、感慨もひとしおだった。ニューヨークの印象的なロケ地は特に足を運びやすい場所にあるので、もし訪れるチャンスがあれば、ノラとヘソンの再会後の足跡を辿ってみるのも面白いかもしれない。 

ソウル編

運命の分かれ道(22, Geumhosan 2na-gil, Seongdong-gu, Seoul)

12歳のヘソンとノラが学校帰りに別れを告げる、文字通りの「運命の分かれ道」として象徴的に登場するのが、この場所。地下鉄5号線の新金湖(신금호)駅から徒歩約10分。駅周辺には超高層の集合住宅ビルが立ち並んでいるが、やや険しい坂を上って1歩裏に入ると、昔ながらの路地が狭く古めかしい住宅街が広がっている。この坂を50メートルほど下ると教会や小さな商店街もある。

国立現代美術館 果川屋外彫刻公園

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ノラとヘソンが、ノラがカナダに発つ前にそれぞれの母親同伴でデートするのが、広大な敷地を誇る、国立現代美術館 果川館にある彫刻公園。劇中で可動していた巨大人体像「シンギングマン」(ジョナサン・ボロフスキー作)は、筆者が訪れた時は残念ながら改修工事中だった。ヘソンとノラが遊んでいた、巨大な2つの顔が見つめ合う、李一浩(イ・イルホ)の作品「New Gazing at Being」も、公園内の美術館寄りの場所で目にすることができる。メインの美術館もなかなか広大で、庭の無料エリアに草間彌生の作品(南瓜)も展示されている。地下鉄4号線の大公園(대공원고가교)駅から無料シャトルバスで約10分。

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ニューヨーク編

Holiday Cocktail Lounge (75 St. Marks Place New York)

映画の冒頭と終盤で登場する、ヘソンとノラ、アーサーが3人で酒を飲み交わす、イースト・ヴィレッジのバー「ホリデイ・カクテル・ラウンジ(Holiday Cocktail Lounge)」。セント・マークス・プレイスの1st Ave. と2nd Ave.の間にある。深夜2時まで営業。ノラのアパートからは徒歩で約7分。イースト・ヴィレッジでは映画やTVシリーズの撮影が頻繁に行われていたが、以前このバーのそばで、偶然ウディ・アレン監督の『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』(2019)の撮影現場に遭遇し、エル・ファニングが目の前を通り過ぎていったことがある。

ノラとアーサーのアパート (50 East 1st Street New York)

ノラとアーサーが住むアパートは、イースト・ヴィレッジの南端に位置し、すぐ南に行くと数多くのバーやレストラン、ライヴハウスがひしめくロウワー・イーストサイドや、チャイナタウンといったエリアが広がり、リトルイタリーやソーホーも徒歩圏内の魅力的かつ便利なロケーションにある。ノラとヘソンが最後の別れを交わす場所は、ここから西に30メートルほど行った場所(40 East 1st Street)。近くには、インディ映画や実験映画の貴重な上映の場でありレアな作品の名画座でもあるアンソロジー・フィルム・アーカイヴスがある。2006年に閉業するまでパンクロックのメッカであり伝説的なライヴハウス、CBGBもすぐそばにあった。

DUMBO(ブルックリン)

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