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映画好きなら見逃せない! 今見てほしいこの3本!! —石丸博也復活! 名吹き替えで楽しむジャッキー・チェン映画

キネマ旬報WEB

「カンニングモンキー/天中拳」

海外のスターの吹き替えには、この人の声じゃないとダメという声優さんがいる。中でもジャッキー・チェンと声のイメージが一体化しているのが石丸博也だ。2019年に『同じ声優による同一俳優への吹替映画への最多数』としてギネス世界記録にも認定された彼は、1981年からTVで放送されたほぼすべてのジャッキー・チェン映画で吹き替えを担当した。中でも70〜80年代のコミカルなカンフー映画で、修行しながら成長していくジャッキーの声は、石丸博也以外考えられない。昨年、惜しまれつつも声優活動の引退を発表したが、今回奇跡の復活。かつてTV放映時にカットされた部分に、新たに声を入れた〈吹替完全版〉によるジャッキー・チェンのアクション映画全7作品が、4月から5月にかけて特集放映される。

「蛇鶴八拳」

ジャッキー・チェンが本格的にカンフー映画に主演し始めたのは、76年。それ以前の下積み時代にはブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」(72)や「燃えよドラゴン」(73)をはじめ、100本近い作品にスタントマンとして出演している。大体ジャッキー映画の主人公は、前半で強敵に痛めつけられ、その後過酷な修行を経て最後に敵を倒すのがパターンだが、アクションは攻撃する側以上に受ける側の動きも大事。〝受け〞の俳優の技量が高ければ、それだけ攻撃側の強さも引き立つのである。スタントマン時代に多彩な〝受け〞の動きを身に付けたジャッキーは、強敵にやられるときも、師匠に厳しい修行をさせられているときも、ただ痛がるのではなく、そこにコミカルでアクロバティックな動きを入れ込んで、独自のスタイルを確立した。今回は主に、そのコミカルな初期のカンフー映画が登場する。

 

 

「少林寺木人拳」

「カンニングモンキー/天中拳」(78)は、完全にコミカル路線へシフトしたジャッキーの魅力が全開。最初はまるで拳法ができない風来坊が、盗賊団の秘密計画を立ち聞きしたことから追い回され、必要に迫られて拳法を身に付けていく。座頭市の扮装をはじめ、ジャッキーの七変化も面白い。タイトルは最後に武道の奥義書をカンニングしながら主人公が闘うことに由来している。

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「蛇鶴八拳」(77)は、少林寺から必殺技の秘伝書が紛失し、その行方をめぐってジャッキー扮する青年拳士が活躍する。こちらは正統派の伝奇活劇で、さっそうとしたジャッキーのキャラも魅力的。相手役は「ドラゴン怒りの鉄拳」、「ドラゴンへの道」(72)で知られるノラ・ミャオ。特にこの映画の彼女は美しさが際立っている。

5月放送予定の「少林寺木人拳」(77)は、父親の仇を討つために少林寺で修行に励むジャッキーが、この寺で監禁されていた達人に拳法の極意を教わるが、後にこの達人こそ父の敵だと知り、師弟対決するというもの。全体的にコメディ色が薄いが、少林寺を卒業するための最終試練で、数十体のロボットのような木人の攻撃をジャッキーがしのいでいく場面に、ひと捻りしたアクションの面白さがある。他にも巨匠キン・フー監督の映画の女神・シュー・フォンと共演したカンフー・ラブストーリー「成龍拳」(77)など、20代のジャッキーのキレのあるアクションとコミカルな演技を、石丸博也の名吹き替えによって楽しんでもらいたい。

 

文=金澤誠 制作=キネマ旬報社 (「キネマ旬報」2024年4月号より転載)

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■4/22[月] 夜8時
「蛇鶴八拳〈吹替完全版〉
監督:チェン・チーホワ
出演:ジャッキー・チェン、ノラ・ミャオ、キム・ティン・ランほか
© 2019 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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