うーむ、これは嬉しい。きさくな人柄でグループ全体を盛り上げる山下ならば、絶対にいいお父さんになること請け合いだ。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、山下健二郎の“いいお父さん感”を読み解く。
全員がもはやゴッドファーザー
三代目JSBのことになると、いてもたってもいられない。これはほんと勝手な気持ちだけれど、彼らはファミリーに近い存在だから。そう思わせてくれるくらい三代目JSBとは、国民的なグループなのだ。文頭からえらくテンションがあがっているのは、この疑似的なファミリー・グループのメンバーに、文字通りの家族がひとり増えたからである。2021年に朝比奈彩と結婚したパフォーマー山下健二郎が、ついに第一子にめぐまれ、父親になった。
こうなったら、ぼくら全員でゴッドファーザー(後見人)になって、祝福の眼差しを注ごうではないか。
いいお父さん感の理由
後見人というより、初孫感のほうが近いだろうか。何せメンバー7人で結婚したのも、子どもが生まれ父親になったのも山下が初めてのこと。初めて尽くしの中で待望の第一子の誕生があり、山下パパ爆誕というわけ。
2023年12月の妊娠発表から、いいお父さんになる感はメキメキ伝わってきた。フィッシングを筆頭にスニーカー収集など、趣味人として知られている山下は、所ジョージを目標にしているという。そんな彼のことだ。きっと子どもともアウトドアな時間を共有する、いいお父さんになりそうだとネット上ではたびたび言われていた。
あるいは2018年からパーソナリティを務める『ZIP!』(日本テレビ)での朝の顔としての爽やかさにもパパ感が加味されるだろうか。山下屈指の名演作『パンとバスと2度目のハツコイ』(2018年)でも父親という役柄だった。
そりゃ全部そうだろうけど、でも彼のいいお父さん感はそれだけが理由じゃない。筆者が思うキーワードは、ずばり「エンターテイメント」。
根っからのエンターテイナー
第一子誕生を報告する3月25日のInstagram投稿を確認してみよう。青空の一枚に対するキャプションにはこうある。「今まで以上にエンターテインメントと向き合い……」。なるほど、山下が根っからのエンターテイナーであることがわかる。
2年ぶりとなった2023年の三代目JSBドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS 2023“JSB LAND”』(以下、『“JSB LAND”』)では、山下がMCを担当する「山フェス」コーナーがあった。
タキシードに身を包み軽快なMCでコーナーを回す姿は、グラミー賞受賞式会場を駆け回る名司会ぶりを思わせる。自他ともに認めるエンターテイナーというわけだが、朝比奈との結婚を発表したときの写真でもタキシードが印象的だったことは記憶に新しい。
“楽しませ名人”として
つまり、三代目JSBのMATEを心からエンターテインするのと同じように、妻である朝比奈のこともアミューズ(楽しませる)する存在。そんな“楽しませ名人”としての山下の本質的な特性を再確認することで、それがあのいいお父さん感につながるんじゃないかと筆者は思うのだ。誰かを楽しませるためには、何より本人が心から楽しんでいなければならない。ライブ、バラエティ番組、情報番組、旅番組などなど、どんな場所、どんなシチュエーションでもその場の誰よりも楽しむ山下にぼくらは自然と元気づけられる。
『“JSB LAND”』千秋楽後の『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS“JSB LAND”~AFTER PARTY~』公演もほんとうに楽しかった。メンバーが会場全体を駆け回るかくれんぼコーナーやファンと対抗の綱引きなど、エンターテイナー山下健二郎の汗が、そのまま客席にいるファンたちの目頭を熱くして、涙に変わっていたことをここに記しておきたい。
LDH配信コンテンツで見せた愛おしい姿
関西人のノリで盛り上げ担当を買って出るからには、笑いに本気で取り組もうとする。その姿勢は真剣そのもの。LDHが独自の映像コンテンツを配信するCLでは、名人芸っぷりを見せつけている。
特筆すべきは、毎年恒例になりつつある、新年のゴルフ対決。2024年1月2日に配信された『三代目 J GOLF BROTHERS – Vol.2』では、ゴルフ経験者である山下とリーダーNAOTOチームに分かれ、ドラコンからホール対決までバラエティ豊かなチーム戦が、新年一発勝負に相応しい盛り上がり方だった。
ところが、万全で挑んだはずの山下のティーショットの具合がどうもおかしい。山下本人は、ライブパフォーマンスよりこのゴルフ対決の方が緊張するというけれど、それ故の不調気味を隠せなかった。
それをNAOTOチームからイジられ、移動中のカート内で辛辣な愚痴をもらす山下の姿が愛おしいのなんの。ともあれ、このゴルフ対決で新年の初舞台を踏む健二郎さんを拝みながら、念願の第一子の成長を毎年恒例の祈願行事とするのもいい。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu