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“産まない”ことを決めた、34歳女性の胸のうち。「夫の一言で前を向けた」/結婚人気記事BEST

女子SPA!

 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年4月4日 記事は取材時の状況)

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 女性にとって、出産は大きなライフイベント。もちろん“する/しない”の選択は自由ですが、身体への負担の大きさや、収入・生活面での変化を余儀なくされるという点で、自分ひとりで決断をするのがなかなか難しいものでもありますよね。

 今回ご紹介するのは、悩み抜いたすえに「私は出産しない」という決断をした、ある女性のお話です。

「当たり前に出産すると思ってた」生活が一変

 千香子さん(仮名・34歳)は大学入学を機に上京し、卒業後は旅行会社の営業職に就きました。数年後、社内で出会った先輩と結婚。当時の思いについて千香子さんはこのように振り返ります。

「就職から結婚までとんとん拍子で進んでいたこともあったので、その延長線上で『あと2、3年働いたらタイミングの良いところで出産できたらいいな』と考えてました。でも本当にぼんやり何となく考えていただけで、お金のことも健康のことも将来あるべき夫婦家族の姿も、具体的なイメージは全然できていませんでしたけどね」

 結婚してからもバリバリと仕事と夫婦生活を両立させていた千香子さんでしたが、ある日身体の不調をきっかけに婦人科を受診することになりました。

「色々検査をして先生から『次回の受診の際に大切な話があるので、もし可能なら旦那さんも受診に来てもらえませんか?』と言われました。不安の中で後日受診をすると、先生から、妊娠が難しい身体だと告知されました

 妊娠のためには不妊治療が必要だということ、それも、何度もチャレンジしてやっと妊娠できるかどうかというレベルだと言われ、その日は夫ともほとんど話さず一晩過ごしました」

 千香子さんは、それまで漠然と考えていた人生設計を改めて考えなければいけないと、強い不安を抱き始めました。

 体調不良のため仕事量の調整をしながら日々の生活を送っていた千香子さんですが、自身が抱いていた「普通に結婚して出産する」というビジョンをどのように変えていけばよいか思い悩む日々が続いていました。不妊治療をするとなると、時間に関してもそうですが、金銭的、身体的負担も増えます。現在と同じ生活サイクルではやっていけない現状と、どう向き合うべきかと考えていました。

夫とのすれ違いに苦しんだ日々

「夫婦共働きといえど収入が多いわけでもなかったので、いつまで続けるかわからない不妊治療にどこまで生活が耐えられるかと悩みました。そもそも私も夫も子供が本当に欲しいのか、今の全てを投げ打ってでも、生活をギリギリに切り詰めてでも不妊治療をする必要があるのか。今後夫婦としてどう暮らしていくか考えて、夫とも毎晩話し合いました」

 しかし夫婦の話し合いは、うまくいかないことも多かったようで……

価値観の違いを感じたり、自分の気持ちを理解してもらえなかったり、苦しいことが多かったです。衝突が続いて顔も合わせたくないときは、ビジネスホテルで一晩過ごしたりもしました。だけど夫が私との未来を真剣に考えてくれていることはまだ救いだと感じられました。

 それよりもつらかったのは自分や夫の両親から『いつになったら孫に会えるの?』と聞かれたときでしたね。両親は生きてきた時代も違うし女性は結婚したら家に入って専業主婦として子育てをするのが当たり前という価値観でしたから。働きたいという私の希望と両親の期待、そんないろんな思いが積み重なって号泣してしまうことも度々ありました」

 なかなか答えの出ない話し合いの中で、夫のあるひと言をきっかけに千香子さんは考えを改めることに。



千香子さんを変えた、夫のひと言

「夫から『子供がいなかったとしてもそれで家族が成り立たないわけじゃない。妊娠出産も大切だけど、それより君が不安にならない家族の形を一緒に考えようよ』と言われたんです」

 夫の言葉で、それまで「とにかく妊娠して出産“しなければならない”」という固定観念に縛られていたことに気づかされたという千賀子さん。

「“~すべき”、“~しなければならない”という考え方は大切なこともありますが、私の出産に対する思いに関してだけ言えば自分自身を苦しめていたんです。

 本当に子供が欲しいか、今後どのように生きていきたいか考えて……出産はしないことに決めました。夫婦の生活と仕事に集中して幸せを得たいと思ったんです。選ぶまではたくさん泣いたりもしましたけど、そういう経験も踏まえて『生きていてよかった』と思える人生にしたいです」

 千香子さんは葛藤の末、“今あるもの”に集中することを決めたのです。

友だちの赤ちゃんを見て、おめでとうと笑えるようになった

 出産しないと決めてからの千香子さんは、心の面でこんな変化があったと話していました。

「自分の状態を『出産ができない』と捉えていたときは、友人や同僚が妊娠出産をしても素直に祝えませんでした。羨ましさや妬ましさで心がいっぱいだったんです。だけど『出産はしない』と自分で選べたことで良い意味で人は人、自分は自分と考えられるようになっていきました。

 正直、羨ましさがゼロになるわけではないんですけど、赤ちゃんを見ておめでとうと笑えるようになりそんな自分がちょっとだけ好きになれました

 自分で自分の生き方を選べたことが、自分を認めることに繋がった彼女。「結婚したら出産して子供を持つのが当たり前」という考えに苦しむことから脱出した今、夫婦で選択した生き方に胸を張って欲しいと思います。

―シリーズ「結婚・出産を“しない”と決めている人たち」―

<文/大庭スミ、女子SPA!編集部>

【大庭スミ】
ライター、メンタルカウンセラー。メンタルについて相談を受けることも多い。@sumi19191



 
   

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