伊藤「確かにそうかもしれない。でも、そうは言ってもちゃんとラジオ用のマインドになっている気がします。実際にはちゃんとマイクに乗る声で喋っていますし、素早い頭の回転をしているなと感じることが多いですね」
――無意識に切り替わっている?
豊田「それはあるかもしれないです(笑)」
――演じるうえで意識されたことはありますか?
伊藤「声優をやっているからこそ、辛い経験も楽しい経験も含めて由美子の気持ちがすごくわかるので感情移入してしまうことが多くて。演じている中で辛くなってしまうこともあったので、常に由美子の人生を生きてるんだと自分に言い聞かせながら演じました。自分とも親和性の高いキャラクターだったので、そこの塩梅が難しかったですね」
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豊田「お芝居が上手な設定のキャラクターなので、みんなから上手いと思われる演技をしないといけないというプレッシャーはありました。自分も同じ声優だからこそ、感情移入できることもあったので、千佳と心情を重ね合わせながら演じることを意識しました」
――お二人はユニット・Pyxisとして活動されているだけではなく、「BanG Dream!」などでも共演されていますが、今回の撮影現場はどのような雰囲気でしたか?
伊藤「今回は周りを見る余裕はあまりなかったくらい大変な現場でしたね。でも、萌絵さんはほんとにコミュ力が高いので、新しく現場に入ってくるキャストの方にも、満遍なくお話されていたイメージがあります」
豊田「確かに皆さんといろんな話で盛り上がってたかもしれない(笑)。私は喋るのが好きなので、質問したいことがあったら先輩にも話しかけに行ってしまうんですよ。とにかく和気あいあいとしていた現場でしたね」
伊藤「いろんな世代の声優さんが来るので、当時の声優事情を聞くのがめっちゃ楽しかったです」
豊田「毎回為になってました(笑)」
――ちなみに、お二人には世間には知られていないギャップはありますか?
伊藤「少なからずありそうな気がします(笑)」
豊田「少なからずあるよね」
伊藤「でも皆さんはやっぱり優しいので、私のことをすごくいい子だと思われている気がする……」
豊田「実際にすごくいい子ですし、みんなからも天使みたいな扱いを受けることが多いんですけど、実際の美来はめちゃめちゃ面白いんですよ。面白いワードとかツッコミとかを結構するんですけど、私以外にそのツッコミをできる場がないらしくて。私はもっと美来は面白いんだよっていうのを皆さんに知ってほしいです!」
伊藤「みんな天使とか可愛いとか言ってくれるんですけど、面白いって言われたい!(笑)」
――豊田さんはいかがですか?
豊田「私はそんなにない気もするんですけど、SNSとかだけ見てる人だとびっくりするかもしれないですね。実際に喋ってみたら思っていたのと違うって言われることは多々あります」
――あ、言われるんですね
豊田「よく言われます。ファンの人に限らず、仲良くなった業界の友達とかからも、会う前とイメージ違うって言われますね」
――そう思われることに対してはどう思っているんですか?
豊田「シメシメって感じです。そうでしょそうでしょうって(笑)。決して狙っているわけではないんですけどね」
取材・文=川崎龍也