この日、目の届くリビングで鹿の子ちゃんを遊ばせていたという飼い主さん。寝室に繋がる廊下側のドアは風通しのために開け放していたといい、寝室の入り口にトイレットペーパーなどを積み上げてブロックしていたそうですが、運動神経のいい鹿の子ちゃんにあっという間に突破されてしまったそう。
飼い主さんは「寝室に行ってしまう鹿の子ちゃんを見つけては連れ戻す」を繰り返していたそうですが、そのうち先住猫・海松茶(みるちゃ)くん(撮影時5才10カ月)が鹿の子ちゃんを連れ戻してくれるようになったのだそうです。
まるで「母猫」のよう?
鹿の子ちゃんを大事そうにくわえてリビングにやってくる海松茶くん。その様子はまるで、やんちゃする子猫を気にかける母猫のようです。鹿の子ちゃんに対し、母性ならぬ“父性”を爆発させる海松茶くんの様子には、「こんな姿を見ると、癒されます」「イクメンしてる〜〜なんて可愛い〜の〜」「人も動物も、パパが育児に積極的なのって微笑ましいですね」などと反響が寄せられていました。当時の出来事を飼い主さんに聞いた!
反響を呼んだ2匹のやりとりについて、飼い主さんに詳しくお話を聞きました。飼い主さん:
「最初は、寝室に行ってしまった鹿の子を追い立てるように連れ戻していた海松茶ですが、そのうちあのようにくわえて連れ戻すようになり、偶然このときだけ撮影することに成功しました。
昨年の4月に愛猫・凛々(りり)が病気で亡くなってしまったのですが、海松茶はずっと一緒にいたパートナー猫の凛々がいなくなって寂しがっていたので、鹿の子が来たことに喜んでいる様子でした。
海松茶は生まれつき優しいコではあるものの、おとなのオスなのでなにかの拍子に強く仕返ししないかと心配していましたが、そんな心配はまったくなく、このような光景を見て飼い主も嬉しく思っております」
また、今回の投稿にたくさんの「いいね」がついたことについては、「『いいね』の数には驚きましたが、多くの方にうちの猫たちが可愛いと思っていただけたことが嬉しかったです」と話していました。
海松茶くん、鹿の子ちゃんはどんなコ?
先住猫・海松茶くんはとても優しくて、なんでも譲ってしまう控えめな性格のコ。甘えん坊でおもちゃで遊ぶのも好きだそうですが、いまは大好きなおもちゃも鹿の子ちゃんに譲ってあげているのだとか。飼い主さんは、鹿の子ちゃんが寝たときに海松茶くんと思いっきり遊んであげるようにしていると話します。
新入り子猫・鹿の子ちゃんは、元気いっぱいな女のコ。運動神経が抜群だといい、家中をムササビみたいに飛び回ってやんちゃぶりを発揮しているとのこと。お迎えしたばかりでまだ未知数とのことですが、「人懐っこい性格で、初対面の人を虜にするような魅力がある」と飼い主さんは話します。
そんな2匹は、微笑ましい関係を築いているそう。海松茶くんが鹿の子ちゃんのことを溺愛している様子で常に見守っているといい、「鹿の子の姿が見えなくても、海松茶の行動で居場所がわかるような感じ」なのだとか。鹿の子ちゃんも優しい海松茶くんのことが大好きな様子で、ぐいぐい近寄っていくそうです。
【獣医師解説】オス猫でも子猫のお世話をするの? 部屋の中でやんちゃする子猫を連れ戻す猫の心理
新入り子猫・鹿の子ちゃんが寝室に行ってしまったときに、先住猫・海松茶くんが鹿の子ちゃんをくわえて連れ戻していました。この光景からは、どのようなことが読み取れるのでしょうか。ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生に聞きました。
山口先生:
「オス猫でも子猫のお世話をすることはあります。比較的性格が穏やかなコには、その傾向があると思います。紹介した海松茶くんも、母猫がするような子猫のお世話をしたのでしょうね。子猫の安全を守るための本能的な行動だと思われます」
写真提供・取材協力/@youkaleeさん/Instagram
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
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取材・文/雨宮カイ