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校條拳太朗が憧れの俳優から感じた目指す姿「俳優としての究極体だと思いました」

WEBザテレビジョン

5月17日(金)より上演される、舞台『京極の轍―京羅戦争編―Powered by ヒューマンバグ大学』に出演する校條拳太朗。2024年初夏には、世界的に有名な海外発の都市伝説“this man”を日本独自の解釈で映画化した話題作『THIS MAN』の公開も控えるなど、舞台のみならず映像作品でも活躍している。

そんな校條が芸能界に入ったきっかけはスーツアクター。俳優としての原点について触れながら、大きな影響を受けた作品や今後の出演作への思い、将来のビジョンについて広く語ってもらった。

■スーツアクターを目指して上京し、舞台の世界へ

――まずは芸能界を目指したきっかけから伺いたいのですが、校條さんはもともとスーツアクターのお仕事をされていたとか。

お化け屋敷のおばけ役のバイトに応募したことがそもそもの始まりなんです。中学からダンスとアクロバットをやっていたことから、スーツアクターの仕事を紹介いただいて。そこからヒーローショーの中の人をやるようになったのですが、それがとても面白くて。

この仕事でテレビに出たいと思ったときに、アクション事務所の「ジャパンアクションエンタープライズ」の存在を知って上京したんです。でも、そこの養成所に通うのにお金がかかるということを知らなくて(笑)。どうしようと思っていたら、ありがたいことにいろいろな方たちとの出会いがあって、舞台の世界に飛び込むことになりました。

――スーツアクターは顔を伏せた仕事がほとんどかと思いますが、顔出しで活動する俳優を目指そうとは思わなかったのでしょうか?

地元にいるときは、周りに芸能の仕事をしている人がいなかったということもあって、まったく思いませんでした。体を動かすのが好きだったし、人前で体を使ってエンタメを届けられたら…という思いしか当時は持っていませんでした。

――現在は俳優としての仕事のやりがいをどこに感じていますか?

僕はとても飽き性なんです。同じ場所に通い続けるということが苦手で。でも、この仕事はさまざまな現場に行きますし、今回はこの人たちとこの作品、というように刹那的な瞬間を過ごせることが魅力だなと思っています。

■馬場良馬から受け取ったバトンを次へとつなぐ主演舞台

――5月上演の舞台『京極の轍―京羅戦争編―Powered by ヒューマンバグ大学』では、主役の久我虎徹(くが・こてつ)を演じられますね。

馬場良馬さんが座長を務めた前作にも出演させていただいたのですが、座組全員で精いっぱい作り上げた結果、今作へと続けることができたと思っています。だから、今回は受け取ったバトンをさらに次へとつなげる思いで頑張っていきたいです。

原作のある作品なので、原作ファンの方はもちろん、演劇が好きな方、今興味を持ってくださった方、すべての方を巻き込んで楽しんでいける作品を届けていけたらと思っています。

――座長のバトンを受け取った馬場さんから、前作で学んだと感じていることを教えてください。

座長という存在に正解はないと思うんですけど、共通して大切なことは座組の空気をよくすることだと思うんです。体育会系の座長もいれば、みんなからサポートされる座長もいますが、馬場さんはすごく大人で包容力がある座長でしたね。全員が笑顔でいられる空気を作りつつ、それでいて締めるところはしっかり締める。それも、喝を入れるのではなく背中で見せる方でした。

――では、校條さんが座長を務めるときに意識していることはありますか?

特にこれとは決めていなくて、座組によって変えています。例えば、若い人が多くてエネルギッシュなカンパニーだったら、大人として向きをそろえるような立ち位置になるときもありますし、先輩や大人の方が多いカンパニーだったら皆さんの胸を借りることもあります。本当に座長は人にもよるしカンパニーの雰囲気にもよってさまざまなので、どの作品でも学ぶことが多いです。

■座組の在り方を学んだ“ツキステ”

――4月1日(月)放送の月曜プレミア8『今野敏サスペンス 警視庁強行犯係 樋口顕 -炎上-』や2024年初夏公開の映画『THIS MAN』にもご出演される校條さんですが、映像作品ならではの面白さはどんなところにあるでしょうか。

表現の軸をイメージしたときに、そこに足していくのが舞台で、引いていく表現をするのが映像という、アプローチの仕方が真逆なんですよね。舞台では間があったら埋めなきゃいけないという思考になりますが、映像ではその間も芝居のうちになる。舞台では“やる”という方向に入れてきた力をすべて抜かなきゃいけなくて、難しくもありますが、でもそれが不思議と面白いなと感じています。

――これまでの俳優人生の中で、ターニングポイントだと感じている出来事があれば教えてください。

僕は作品でご一緒する方たちのお芝居にはあまり干渉しないようにしてきました。というのも、基本的に他の俳優さんへのお芝居に何かを言うのは演出家さんがすることだからと思っていたんです。でも、2.5次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージに出て、作品の中で作られたチームのリーダーをやっていたとき、何かできないことがあると、それはチームの連帯責任=リーダーの責任だと言われることがあって。

当初は「どうしてそうなるんだ」と思うこともありましたが、シリーズものとして作品が続いたこともあり、チームに愛情も芽生えて、みんなで作っていくものなんだと感じるようになりました。それこそ、先ほどお話した座組によって対応を変えるという考え方をするようになったのも、この“ツキステ”がきっかけでしたね。

■“俳優としての究極体”を感じた憧れの俳優

――では、これまでに、特に影響を受けた俳優さんや作品はありますか?

誰もが知る、役所広司さんですね。映画『すばらしき世界』(2020年)を観たときに、とても衝撃を受けました。役所広司さんは、役を演じているはずなのにどう頑張ってもお芝居には見えないほど、本当にその人物として存在しているんです。芝居をするけど、芝居をしていないというか。役者はそうあるべきだと、ずっと頭では考えていましたが、役所さんの演技こそがそれなんだと、この作品を観て実感しました。

誰かのお芝居を観てそう感じることは初めてだったので、観終わったあとにすごく興奮したのを覚えています。僕も絶対にこうなりたいと強く思った瞬間でした。

――俳優として理想とする姿がそこにあったんですね。

俳優としての究極体だと思いますね。作品を観ている人が、役所広司さんが演じていることを忘れるほど作品に溶け込んでいるということだと思いますし、だからこそ自然と観る側も作品の世界に入り込むことができる、そして作品の細部までを心で感じられるんだろうなと。役者は自分を見せるわけではなく、作品を届けることが仕事なので、まさにそれを体現していると思いました。


――最後に、プライベートでの過ごし方を教えてください。

オフの日はまったく家から出ません。猫を3匹飼っているんですが、猫ってキャットタワーなどの縦運動で大丈夫なので、毎日散歩をしなくていいですし、ご飯も朝お皿に入れておくと自分たちで必要なときに必要な分だけ食べてくれる。だから、時間が不規則な生活をする役者と共存できる存在だなと思っています。

それで、家にいられるときには、ずっと猫と一緒です。朝起きてご飯を食べて、おなかいっぱいになったらまた眠くなるので、3匹のうちの誰かを「今日はお前だ!」といって1匹連れて一緒に寝るという過ごし方をしています(笑)。

◆取材・文=榎本麻紀恵
撮影=岡本武志
スタイリスト=世良啓
ヘア&メーク=太田夢子
 
   

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