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絶品映像を一挙放出!進化を遂げる「肉外食」最新の戦いに迫る!:読んで分かる「カンブリア宮殿」

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急拡大ファストステーキ店とは?~人気のハンバーグ店も続々


2021年の開業から3年で32店舗へ拡大した「感動の肉と米」。平日の昼間から行列ができる人気ぶりだ。入ってすぐのタッチパネルで注文するのは何種類ものステーキ。注文して1分でもうステーキが出てくる究極の「ファストステーキ店」なのだ。

「感動の肉と米」を展開するのは焼き肉チェーン「あみやき亭」。強火のグリルで一気に火を通し、レアの状態に焼き上げた肉を客が溶岩プレートで仕上げる独自方式を作り上げた。

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客をつかむ理由は早さだけではない。焼きたてステーキにご飯と味噌汁が付いたセットが1000円。しかもご飯や牛しぐれ、キムチなどのご飯のお供はおかわりし放題だ。

その圧倒的な安さを生み出すために、厨房のスタッフを極力減らし、ご飯や味噌汁をセルフサービスにするなどさまざまな工夫でコストダウン。激しい競争に負けない斬新な業態を作り上げた。

「コロナ禍でピンチになりまして。ピンチをどうチャンスにするかというところで、まずステーキで勝負しようと」(営業部長・仲丸潤)

カンブリア宮殿は過去にさまざまな「肉の外食」を取りあげてきた。

肉の外食業界で話題となった革命的な店は東京・渋谷の路地裏にあった。ハンバーグの店、「挽肉と米」。厳選された挽きたての肉を客の目の前で丁寧に焼き上げていく。


最大の特徴はメニューで、ハンバーグとご飯、味噌汁の「挽肉と米定食」(1800円)の1種類しかないこと。究極の挽きたて焼きたてハンバーグ単品で客を魅了する戦略だ。

ちなみに羽釜で炊きたてのご飯はおかわり自由。ハンバーグは1人3個まで食べることができ、「鬼おろし&自家製ポン酢」をはじめ、さまざまな味を楽しめるように付け合わせにもこだわり抜いている。「挽肉と米」は開業5年で国内4店舗、すでに台湾にも出店している。

一方、激しい競争に勝ち続けている老舗は、神奈川県のハンバーグ店「ハングリータイガー」。客席に運ばれた熱々の鉄板で焼きあげる俵型ハンバーグの先駆けと言われる店だ。

リピーターを生むのが肉汁をベースにしたグレイビーソース。創業から変わらない、醤油仕立ての味わいだ。


おいしさの秘密が、店内で行われる800度を超える高温の炭火焼き。職人が編み出した「8面焼き」で仕上げていく。向きを変えて2回焼き、クロスの焼き目を入れる。ひっくり返して裏面も同様に。こうして丁寧に全ての面を香ばしく焼き上げていくことで、おいしい肉汁を閉じ込めることができるのだ。


良質な牛を育てるため、2003年からオーストラリアで牧場経営まで始めた「ハングリータイガー」創業者の井上修一。牛は放牧で育て、草だけを食べさせている。

「『満足した、おいしかった、また来るよ』と言っていただける状況に全てを仕上げていく。それが究極の目的です」(井上)

外食レジェンドが直撃~ステーキ戦争の裏側


肉の外食で日本中の話題をさらったのが2013年に1号店を開いた「いきなり!ステーキ」。分厚いステーキを食べたい量だけ立ち食いで、という斬新な業態に客が殺到。2019年には493店舗にまで拡大した。運営する「ペッパーフードサービス」の一瀬邦夫社長(当時)は一躍時の人になり、ついにはアメリカにまで進出した。


しかしその後、街中に類似店が溢れ「いきなり!ステーキ」は出店戦略の見直しを余儀なくされた。すると、その間隙を突くように急拡大するステーキ新勢力が現れる。2020年に沖縄から東京に進出した「やっぱりステーキ」だ。

全国で約90店舗を展開。一気に客をつかんだ理由は、低価格なのにおいしいミスジと呼ばれる部位にある。希少部位のミスジは、ほどよい甘みが特徴の赤身肉。「スジが多い」という欠点がありあまり使われていなかったミスジを丁寧に処理し、格安のおいしいステーキへと変貌させた。


沖縄から殴り込みをかけた「ディーズプランニング」社長・義元大蔵は「ステーキを日常食にしたい。毎日でも食べられる気軽な食事にしたいです」と語っている。

こうして新業態が次々に登場し、戦いを繰り広げる外食産業を長年見続けてきたのが、「すかいらーく」創業者で現「高倉町珈琲」会長の横川竟(86)だ。76歳で「高倉町珈琲」を創業。現在、39店舗にまで拡大している。

横川が今も欠かさないのが気になる最新の外食店の調査だ。「(調査は)カフェ業態とは関係ないですが、自分がやろうとしていることと“同じ考え方”で成功していると、同じことをやればいいという裏付けになります。うちの欠点を見つけるのです」と言う。

そんな横川が「気になる」と訪れたのは、東京・足立区の「感動の肉と米」北千住店だ。


あっという間に出てきたステーキを、早速実食する。「溶岩プレートがあるから焼く時間が短縮できる。逆に言うと焼きたてが食べられる。うまいです」と言う。ただしこの店舗については「換気が悪い。もっと店内を爽やかにするともっと売れて、あと2~3割は伸びると思います」と、気になる点も指摘した。

「立地を間違えなければすごくいいチェーンになる。この質が守れたら1000店になる」(横川)

一方、急増する格安ステーキ店についてはこう語る。

「スタート時は1000円で出せるが、しばらくたつと値上げするのはどの企業も共通している。値上げをすると新たな店が出てくる“追いかけっこ”をやっている。今後は『感動の肉と米』『やっぱりステーキ』『いきなり!ステーキ』3社の戦いになると思います。どれもそれなりに特徴があるので、我慢してどこまでやっていくか」(横川)

「いきなり!ステーキ」創業者~81歳で新たな店を開業


4年前のカンブリア宮殿では、「いきなり!ステーキ」創業者の一瀬と横川がこんなトークを繰り広げていた。


「やはり出店を急ぎ過ぎた。4年間で187店舗を達成して、5年目には『1年間で200店舗出す』と宣言して出した。お客様がいない所にも出店してしまった」(一瀬)

「一瀬さんは『いきなり!ステーキを日本一にしたい』という思いがすごく強いのだと思います。強すぎるから店をたくさん作ってしまう。すると不足するのは『人』と『いい立地です』(横川)

この2年後の2022年、一瀬は社長を辞任。「いきなり!ステーキ」の現在の店舗数はピーク時の490店から半分以下にまで縮小したが、分厚いステーキでお客を喜ばせる創業以来のコンセプトは今も守り続けている。

一方、東京・墨田区の両国駅の近くで一瀬が新たな挑戦をしていると聞き、訪ねてみた。

その店「和牛ステーキ和邦」で提供されているのは、ジューシーでしつこくない上質な脂が特徴の和牛ステーキだ。


「サーロインステーキ」は300グラム6000円。肉を焼いているのは一瀬本人だった。2023年、一瀬は81歳にして今度はこだわりの和牛ステーキ店を立ち上げたのだ。

「円安で輸入牛の価格がどんどん上がっており、おいしい和牛を食べてもらいたいと思って。『何となく生きている』というのが嫌で思い切って……」(一瀬)

一瀬は「81歳の男の子」という自伝まで出版していた。

熾烈!珈琲チェーン戦争~焼肉店もうどん店も参入


カンブリア宮殿はこれまで、熾烈な競争を繰り広げる珈琲チェーンも取りあげてきた。

横川が展開する「高倉町珈琲」は2013年の創業から10年で39店舗まで拡大。上品でゆったりした空間と、「リコッタパンケーキ」などのこだわり抜いたメニューで着実に客の支持を増やしてきた。ところが、そんな横川を襲ったのが空前の珈琲チェーン戦争だ。

2021年、コロナ禍の取材で、横川はこう予言していた。

「日本ではファミレスを含めて約1500店が閉店予定です。閉店した中の2~3割が焼肉とカフェになると思います。現に近くにライバルが出店しています」

今、郊外で続々と増える珈琲チェーン。1000店舗を超えた「コメダ珈琲店」に、「すかいらーく」が急拡大させる「むさしの森珈琲」。さらに都心の「ルノアール」も郊外型の「ミヤマ珈琲」を展開するなど、その争いは熾烈さを増し続けている。

神奈川・新百合ヶ丘で行列を作るのは、異業種が立ち上げた珈琲チェーン「コナズ珈琲」。42店舗を展開する店を作ったのはうどんの「丸亀製麺」を展開する「トリドール」だ。まるでハワイに来たような雰囲気の中、本場のコナコーヒーやトロピカルなスイーツが楽しめると人気を呼んでいる。

2023年6月、東京・調布市にできた「果実屋珈琲」調布深大寺店も新規参入組だ。温かみのある木目調で、天井の高い店内。店の自慢は新鮮なフルーツをふんだんに使ったサンドイッチや、いちごやオレンジが盛りだくさんのパフェ。フルーツにこだわったカフェ「果実屋珈琲」を作ったのは、日本屈指の焼肉チェーン「焼肉きんぐ」を展開する「物語コーポレーション」社長・加藤央之だ。


「『焼肉きんぐ』は現在300店舗あって、次をどうするか。新たなチャレンジをした方がいいと思います」(加藤)

サンドイッチに使うパンはひとつずつ店内で焼き上げるこだわりぶり。もちろん、フルーツのおいしさには絶対に手を抜かない。この日使っていたのは「食べる宝石」と呼ばれ、糖度も高い宮城県産の「ミガキイチゴ」。あえて、安定した仕入れや鮮度管理が難しいフルーツを武器に、他の珈琲チェーンと差別化する狙いだ。

「1000円から1500円の客単価で圧倒的に確立されたカフェはないので、そこはチャンスがあると思っています」(加藤)

異業種の外食からの参入が相次ぐ一方、地方から東京に挑む新勢力もあった。茨城・ひたちなか市で創業し、熱狂的ファンを増やす「サザコーヒー」だ。茨城の本店から東京駅前の複合施設内のKITTE丸の内店まで、現在17店舗を展開する。


急拡大の秘密は、珈琲のおいしさそのものにあるという。腕利きのバリスタが入れるコーヒーは25種類。自家焙煎するのはもちろん、コーヒー豆自体を世界中の産地と直取引することで、競合にはまねのできないコーヒーを提供している。


社長・鈴木太郎の自慢は1杯3000円の最高級の豆「パナマゲイシャ」だ。

「ゲイシャという品種はパナマで植えるとなぜかうまい。茨城は『納豆』と『水戸黄門』だけじゃないんです(笑)」(鈴木)

歴史ある店舗が続々登場~王者スタバの未来戦略


京都市東山区の清水寺へと続く二寧坂にできた「スターバックス」京都二寧坂ヤサカ茶屋店。築100年を超える町家の趣ある佇まいの奥が客室になっている。土地の歴史を感じさせる今までにない店。ここに「スターバックス」の次なる戦略が隠されているという。


「スターバックスコーヒージャパン」CEOの水口貴文が説明する。

「地域の人にとって特別な存在であるようなスターバックスをつくっていく。その究極バージョンが『リージョナル ランドマーク ストア』です」

「リージョナル ランドマーク ストア」とはその地域を象徴する場所に作る店。地域文化を発信する場としてすでに全国で28店舗を展開している。

例えば鹿児島 仙巌園店では、登録有形文化財になっている旧薩摩藩主・島津家ゆかりの建物に出店。神戸 北野異人館店では、歴史ある異人館を丸ごとスタバにした。スタバに集う人々が、地域との絆を深められる今までにないカフェを生み出そうとしているのだ。

「今は少し社会が分断されている時代なので、温かい人と人のつながりを提供することが我々の仕事。それが求められている感じはします」(水口)

地域に貢献する店こそが生き残れる。そんな戦略は商品開発にも反映されている。

「47 JIMOTOフラペチーノ」は、47都道府県の現場のスタッフがそれぞれの地域への思いを込めたフラペチーノ。


例えば秋田県から生まれたのは、男鹿半島産の塩を使い、塩キャラメル風に仕上げたフラペチーノ。山梨からは、名産のぶどうとホワイトチョコとの組み合わせ。宮崎では日向夏とマンゴーのソースを合わせたものが誕生した(いずれも現在は販売していない)。

全国1900店にまで拡大し、カフェ業界で圧倒的強さを誇るスターバックス。その独自の地域戦略で、さらにリードを広げられるのか。

「一番大切なのは 存在意義だと思っています。『日常に活力と潤いを』そこはずっと変わらないと思います」(水口)

※価格は放送時の金額です。

<出演者略歴>
横川竟(よこかわ・きわむ)1937年、長野県生まれ。1970年、すかいらーく国立店開業。2006年、すかいらーくCEO就任。2008年、すかいらーくCEO解任。2014年、高倉町珈琲創業。

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