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水さえ与えられない森の中 母親が幼い子どもに木についたしずくを飲ませようとする姿 「人間の境界」予告

映画スクエア

 2024年5月3日より劇場公開される、2023年のヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別賞を受賞した、ポーランドのアグニエシュカ・ホランド監督作「人間の境界」の、日本版予告が公開された。

 予告編冒頭では、2021年に、EUの混乱を狙ったベラルーシが、ポーランド国境に大量の難民を移送し、難民たちは”人間兵器”と呼ばれることになったという映画の背景を、テロップで紹介。続けて、ベラルーシ経由でポーランドに渡ることで、安全なうちにEUに亡命できると信じたシリア人家族たちが、飛行機でベラルーシに向かう様子が映し出される。

 ポーランドにたどり着いたと歓喜する彼らを待ち受けていたのは、彼らを“観光客”と揶揄(やゆ)する武装したポーランドの国境警備隊による強制排除だった。彼らは、非人道的な扱いを受けた末にベラルーシへと送り返され、極寒の森に敷かれる鉄条網を隔てた両国が押し付け合う状況となる。

 映像では、ポーランドの国境警備隊に抵抗し、難民たちを懸命にサポートしようとする支援活動家グループの奮闘、警備の任務に当たる若い隊員による「僕がどんな気持ちで国境を守ってるか君に分かるか?」という苦悩とも取れる叫びなどを切り取り、難民だけでなくこの森に関わるさまざまな立場の者たちの視点を捉えていく。終わりでは、水さえ与えられない森の中で、母親が幼い子どもに木についたしずくを飲ませようとする様子も収められている。

 「人間の境界」は、ベラルーシ政府がEUに混乱を引き起こす狙いで大勢の難民をポーランド国境へと移送する”人間兵器”とよばれる策略に翻弄(ほんろう)された人々の過酷な運命を、シリア人難民家族、支援活動家、国境警備隊の青年など、複数の視点から描き出す群像劇。安全な生活を送れると信じてポーランドへ渡ってきたシリア人家族。しかし、ようやくたどり着いた直後、武装した警備隊から非人道的な扱いを受けた上にベラルーシへ送り返され、そのベラルーシからも再びポーランドへ強制移送されるという、どちらの国からも難民を押しつけ合うような暴力と迫害に満ちた過酷な状況が描かれる。

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 監督は、3度のアカデミー賞ノミネート歴を持つ、「ソハの地下水道」「太陽と月に背いて」などのアグニエシュカ・ホランド。政府や右派勢力からの攻撃を避けるため、24日間という猛スピードで撮影を敢行した。当時のポーランド政権は本作を激しく非難し、公開劇場に対して上映前に「この映画は事実と異なる」という政府作成のPR動画を流すよう命じるなどの攻撃を仕掛けた。しかし、ほとんどの独立系映画館がその命令を拒否。ヨーロッパ映画監督連盟(FERA)をはじめ多数の映画人がホランド監督の支持を表明した。ポーランド国内では公開されると、2週連続トップの観客動員を記録した。

【作品情報】
人間の境界
2024年5月3日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
配給:トランスフォーマー
©2023 Metro Lato Sp. z o.o., Blick Productions SAS, Marlene Film Production s.r.o., Beluga Tree SA, Canal+ Polska S.A., dFlights Sp. z o.o., Česká televize, Mazovia Institute of Culture

 
   

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