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初デートは、焼き鳥店。順調だったのに、3度目に深夜のバーで会った後、女の態度が急変したワケ

東京カレンダー

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:一晩過ごしたあと、女の態度が冷たくなったワケ。2回目のデートまでいい感じだったのに…



どうしてだろうか…。つい先日まで頻繁にきていた美波からの連絡が、ほとんど来なくなった。

― 雄一郎:美波ちゃん、この前話していた映画見た?

いつもだったら、すぐにとは言わないけれど当日中には返信が来ていた。

でも美波から返信が来たのは3日後で、明らかにテンションが落ちているのがわかる。

何度かデートには行き、楽しく過ごせていたはずの僕たち。

それなのに、どうして美波の態度は変わってしまったのだろう…。


Q1:女が男からのデートの誘いに応じた理由は?


「本気で彼女が欲しい」と先輩に嘆いたら食事会を開いてくれて、そこに来たのが美波だった。

僕と先輩、そして美波とその友達の2対2だった。外見や雰囲気がタイプだった美波に、僕は最初から狙いを定めていた。

「じゃあ雄一郎さんは、今年で30歳になるの?」
「そうそう。美波ちゃんは?」
「私は29歳だから、一つ違いかな」
「近いね!」

渋谷にあるIT企業で働いているという美波は、なんだかキラキラしている。



「美波ちゃんって、華やかだよね。よく言われない?」
「たまに言われるかかな…」
「家はどの辺り?」
「私は三宿だよ。雄一郎さんは?」
「僕は三茶!近いじゃん!」

僕たちが仲良くなるのは時間の問題だった。

そしてこの日しっかり美波と距離を縮めた僕は、すぐにデートに誘った。

お互いの家から近くて美味しい『やきとり 児玉』で、僕ははやる気持ちを抑えながら美波を待っていた。



「ごめんね、待った?」
「ううん。僕も今来たところだから」

春らしい白色のトップスがよく似合っている。そんな美波とまずはビールで乾杯し、僕たちの楽しいデートが始まった。

「この前、楽しかったね」
「うん、楽しかった!雄一郎くんもだけど、優太先輩もいい人だね」
「でしょ?僕の直属の上司なんだけど、彼って本当にいい人でさ」
「雄一郎さんって、広告代理店だったよね?」
「そうだよ」

そんな会話をしながら僕は核心に迫っていく。

「ちなみになんだけど。美波ちゃんって、今彼氏とかいるの?」
「もしいたら、こうやって男性と二人でご飯は食べに来ないよ」
「そっか。じゃあ今はフリー?」
「…うん、そうだよ」

焼き鳥を食べながら、美波がちょっと恥ずかしそうに頷く。その様子が可愛かったのと、僕にチャンスがあることを知り、ぐいっとビールを飲み干した。

「じゃあさ、またデートに誘ってもいいってこと?」
「もちろん」

― 楽しい…!!

最近何人かの女性とデートを重ねてきたけれど、久しぶりに「この子と先に進めたらいいな」という感情が芽生えている。

「雄一郎さんは?彼女は?」
「僕もいないよ。マジで探してる。だからこの前の食事会も、先輩に頼んでセッティングしてもらったし」
「そうだったんだ」
「そしたら、こんな可愛い子に出会えて。本当にラッキーだなって思ってる」

これは本心だった。美波とあの食事会で出会えたことに、僕は感謝している。

「本当に?そう言ってもらえるの、嬉しいな…」

完全に良い雰囲気だ。この日はもう1軒行き、良いムードのまま解散した。


Q2:女が、男との関係を進めるのを一旦ストップした理由は?


この1週間後、もう一度二人で食事へ行き、いい感じに進んでいた僕たち。

会っていない時も、他愛もない内容のLINEを送りあったりしていた。

― これって…向こうも、俺のこと多少は好きってことだよな?

美波も同じ気持ちだろうと感じていた。

金曜の夜、クライアントの男性たちと飲んでいる時に急に美波に会いたくなり、僕は2軒目で彼女を呼び出した。

― 雄一郎:美波ちゃん、お疲れ!今何してる?

すると美波から、20分後くらいに返信が来た。

― Minami:今表参道で友達とご飯してた〜
― 雄一郎:今三宿で飲んでるんだけど。よかったら来ない?
― Minami:あと30分後とかでも大丈夫なら!
― 雄一郎:全然大丈夫。待ってるからゆっくり来て!ここにいるよ。

そして30分後。美波がやって来た。



「ごめんね、お待たせ…。っていうか、他にもゲストがいたんだね(笑)」
「あぁ、こちらクライアントの田中さんと吉田さん」

クライアントといっても、仲が良くカジュアルに飲める関係だ。

そして二人も、美波が来た途端に明らかに顔がデレっとしている。男だけで飲むよりも、美人な女性がいてくれたほうが嬉しいに決まっている。

「こちら、美波ちゃんです」
「初めまして、美波です」

二人に紹介すると、ますます男性陣二人は嬉しそうな顔になった。

「美波ちゃん、良ければ二人の間に入って座って。何飲む?」
「どうしようかな…皆さんは、何をお飲みですか?」

こうやって、突然の連絡でも会えるのは嬉しい。

しかも気立ても良い美波は、場まで盛り上げてくれている。

「雄一郎、お前こんな美人な友達がいたのになんで隠してたんだよ」
「隠してないですよ!美波ちゃんは最近知り合って」
「そうなんです、雄一郎くんは家も近くて」

美波が合流したのがもう23時前くらいだったせいか、酒もどんどん進んでいく。さらに金曜の夜ということも相まって、4人でかなり盛り上がった。



そして気がつけば24時半になった頃。そろそろ「帰ろうかな」と言う美波に対し、クライアントが爆弾発言してきた。

「雄一郎と美波ちゃんは、付き合ってるの?」

美波がなんと答えるのか知りたかったが、ハッキリ否定されるのも怖くて、僕は慌てて会話を遮る。

「そういうのじゃないですよ、吉田さん飲み過ぎですよ!」
「ごめんごめん」
「美波ちゃん、そろそろ帰るみたいなので。僕たちも解散しませんか?」
「そうだね、そうしよう」

こうして会計を済ませ、店の外に出る。二人をタクシーに乗せ、僕と美波は夜道を歩き始めた。

「美波ちゃん、この後どうする?もう1軒くらい行く?」
「行きたいけど、眠いから今日は帰ろうかな」
「そうだよね。またすぐにね」
「うん、またね」

流れているタクシーに乗り込んだ美波に手を振り、僕は家の方向へと歩き始めた。

そしてこの後お礼のLINEが美波から来たところまでは、いつも通りだった。しかしこの後から、美波から連絡が来ることはなくなってしまった。

― タクシーで自宅まで送らなかったのが悪かったかな…。

それは悪かったと思っているが、それだけが原因じゃない気もする。どうして美波は会ってくれないのだろうか。


▶前回:一晩過ごしたあと、女の態度が冷たくなったワケ。2回目のデートまでいい感じだったのに…

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

▶NEXT:3月24日 日曜更新予定
女が心の中で思っていたコトとは


 
   

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