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前田敦子32歳、“母親としての決意”を明かす「重たい親にはなりたくないな」

女子SPA!

 俳優の前田敦子さん(32歳)が、公開中の映画『一月の声に歓びを刻め』に主演しています。国内外の映画祭で高い評価を受ける三島有紀子監督自身が47年間向き合い続けた「ある事件」をモチーフにした作品で、性被害という難しいテーマに挑戦した作品となっています。

 前田さんは、アイドルグループ「AKB48」の第1期生として“絶対的エース”と呼ばれ、2012年まで活動。卒業後は、テレビドラマや映画、舞台に多数出演。独立後も俳優として多方面で活躍するほか、一児の母親としても日々を精力的に過ごしています。

 前田さんに現在の仕事への想い、多忙な中での子育てのこと、映画『一月の声に歓びを刻め』のこと、そしてこの先のことを聞きました。

息子にとって“重たい親”にはなりたくない

――今回の映画、放送中のドラマと、仕事が充実している日々だと思います。以前よりさまざまなインタビューで「仕事は自分から切り離せない大切なもの」と言っていましたが、そのスタンスは今も変わらないですか?

前田:変わらない、ですね(笑)。仕事をしている時のほうが日常みたいになっちゃっている自分がいるかもしれないです。プライベートで楽しんでる自分が、ちょっと非日常な感じになっちゃっていて。

もちろん、子どもとの時間はまた全然別なのですが、前田敦子というひとりの女性としてのプライベートを、というイメージがまったく湧かなくて。だから友達にもあまり会っていないですし、ますます仕事人間化してる自分がいます(笑)。

――より仕事への想いが強くなっていると。

前田:そうなんですよね。実感しています。子どもがもうすぐ5歳になるのですが、本当に絶大なる、かけがえのない存在でいてくれるんです。最近はますますしっかりした人間らしくなってきて。そうなるとより一層、お互いに一人ひとりの人間として完結しているなって感じなんです。

子どもが大きくなると誰でも変わってくるものだと思うのですが、少なくともわたしは子どもに寄りかかるような母親にはなりたくないんです。なりたくないからこそ、ますます自立みたいなのを、ちょっと追い求めてる部分はあるかもしれないです。

特に男の子ってね、お母さんを大切にしてくれるじゃないですか。気を遣わせる母親になりたくないんです。ちょっと先を見過ぎている感じも自覚しているのですが、重たい親にはなりたくないなって思っています。

かっこいい背中を見せられていることが自信に

――数年前にそれまでの事務所より独立されましたが、そのことと強くあろうとする想いは関係あるのでしょうか?

前田:強くならなきゃと思っていないんです。でも、強くならなきゃいけない選択を、勝手に自分がしているんですよね。自分で強くなりたいから、そっちに行ってるわけじゃない、強くなっちゃうんです。自分がやりたいほう、行きたいほうを選ぶとそっちに行くんですよね。

――そういうお母さんって、子供にしてみたらかっこよく映っているのではないですか?

前田:そうですね。そういう背中を見せられてる感じは、ちょっと自分の自信にも繋がります。実際、子供を見ていると、自分の足で立つような生き方をしようとしてくれてる感じがすごくあるので、このままこういう背中見せれたらいいなとは思っています。でも、それが終わった時に「じゃあどうする?」って感じは残りますね(笑)。

――これからいろいろと親の仕事も分かってくるでしょうしね。

前田:あ、5歳ですが、もうそれはもう全然理解しています。わたしが元アイドルということも知っています。『【推しの子】』の星野アイちゃんと同じって言っていて、「そ、そうだね」としか言えないですよね。確かに同じことをやっていたなあと(笑)。



演じた“れいこ”という役柄について

――今回の作品で演じられた、“れいこ”というキャラクターについて教えてください。

前田:基本的に彼女の日常は描かれないのですが、元彼が亡くなり、そのお葬式に行くという本当に悲しい一日から始まります。自分は何も寄り添えなかったと、ぽっかり穴が空いちゃっている状態。このまま一日を終われないなっていう感覚だったと思います。

そんな時にレンタル彼氏を名乗る一人の青年と出会い、本当に初めましてだったからこそしゃべれることもあると思うんです。なので、れいこにとってはちょっとだけ日常から外れた、自分と向き合える時間みたいなのものが描かれていきます。

――監督の体験がベースにある物語ではあるものの、それとは別にキャラクターとして演じていたのでしょうか?

前田:れいこ自体は、そうですね。監督が生き写しになっている役柄はなくて、監督のオリジナルのキャラクターでもあるんです。わたし自身もそのこととは切り離しつつ、作品を一緒に三島監督と作るという感じで、監督と向き合った部分はあるかもしれないです。

――なるほど、それで作品を観ている人の中には、彼女と自分自身が重ね合わさる瞬間があるかも知れないですね。

前田:そうですね。特に大阪・堂島編は街中で撮影がたくさんあったので、日常の中にれいこがいるみたいなイメージが、撮影していてもありました。劇中ではれいこにフォーカスが当たっているだけで誰もが普通に生きている世界だから、他に思うことがある人もいるだろうし、何も思わない人もいるだろうし、本当に日常の一コマですね。

「自分で限界を決めつけちゃいけないな」

――ところで2024年が始まったところですが、どういう一年にしたいでしょうか?

前田:今年はきっと新しい流れになるんだろうなって思っています。やったことがない経験をしていきたい想いはずっとあるので、そうするために準備している段階です。人生って、自分で限界を決めつけちゃいけないなっていうのは思います。

――それは何がきっかけでそう思うように?

前田:独立をしてから、いろいろなお仕事をいただける新しい出会いがたくさんあって、自分は「もうこれしかない」「これでいい」などと決めつけると、そういうふうに人生がなっていくなって思うんです。だから、自分で自分のことを縛り付けることが、一番経験から遠くなっていく、経験ができなくなっていくなって。わたしはそういうところから抜け出したくて独立したのですが、でもやってみて良かったなと思うんです。

あと、「もういくつだから」と決め付けをしがちですよね。「もう30代になっちゃったから」みたいな。そんなこと関係ないって思う自分でいて、いろいろな可能性が増やせるのであれば、そっちでいたいじゃないですか。だから「いつまでも何やってんの?」って言われるような大人でいいやと思っています。



「自分のやり方はなんだろう?」と考える

――自分の生き様をお子さんに見せるっていう先ほどの子育てにも通じますよね。

前田:そうですね。母はずっといろいろな挑戦をしていたから、自分も挑戦してみようみたいに思ってほしいんですよね。そうすると、夢を持ちやすい子になれるかも知れない。「夢なんか持つもんじゃない」という人もいますが、夢は持ってなんぼだと思います。じゃないと、可能性は本当に増えていかないなと。

わたしは行動力があるわけではないのですが、想像力はあるみたいです。想像から先に入りますね。そしたらそっちに自分がたぶん動いていっているんだと思うのですが、けっこうゆっくりなんですね。しかもちょっと面倒臭がり屋なので「よし、これもやる、あれもやる」みたいなタイプではないんです。だから、そういう人を見ているとすごいって思うのですが、それができないから「自分のやり方はなんだろう?」みたいに考えます。

そうやってのろのろとそっちに動いて行っているんです。「あ、動けているな、今」って感じるきっかけみたいなのが、たびたびあるみたいな。そういう感覚でなんとなくできていくのが、今のわたしです。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。



 
   

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