2月14日の『バレンタインデー』に続く、3月14日の『ホワイトデー』は、いまや日本におけるギフト文化として、広く定着しています。男性から女性への贈り物へのお返しをする『ホワイトデー』が、いまから約半世紀近く前に福岡・博多で誕生したことをご存じでしょうか。ホワイトデー、そのルーツである『マシュマロデー』の誕生秘話に迫ります。
少女雑誌の投稿で誕生した石村萬盛堂の『マシュマロデー』
石村萬盛堂では1978年のマシュマロデー誕生以降、多彩な告知ポスターを製作してきた(画像提供:石村萬盛堂)
「男性からバレンタインデーのお返しがないのは不公平。ハンカチやキャンディー、せめてマシュマロでも……」。
1977年の某日、博多銘菓『鶴乃子』で知られる石村萬盛堂の石村僐悟社長は、「新商品ヒントはないか」と、少女雑誌のページをめくっていた。
すると、偶然にも女の子が投稿した一文に遭遇したのだ。
この投稿を目にした石村社長は、「男性から女性へマシュマロをお返しする日を、鶴乃子をきっかけとして作れないか?」と発想した。
そのことが、後にホワイトデーとなる国民的なイベントが誕生するきっかけだった。
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当時、石村萬盛堂において『鶴乃子』の売り上げが、全体の約8割を占めており、新商品のコンセプトは「バレンタインデーに君からもらったチョコレートを、僕のやさしさ(マシュマロ)で包んでお返しするよ」に決まった。
女性社員らを集めた企画会議において、「マシュマロをお返しする日をいつにするのか?」について話し合った。
その候補日として、下記の3候補日が挙がった。