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『セーラームーン』『カードキャプターさくら』 『なかよし』アニメの大きすぎる影響力

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 同作が登場する前ももちろん変身ヒロインアニメは多数あったわけだが、それらの作品で描かれる変身の多くは同作の描写よりもかなり寂しい。

 有名呪文“テクマクマヤコン”を使う『ひみつのアッコちゃん』の変身は一瞬で終わるし、『魔法使いサリー』に至っては通常の姿に近い状態で魔法を使うためそもそも変身シーンは無し。

 しかし、『セーラームーン』アニメの放送が始まった1992年以降、戦うヒロインを主役としたアニメの変身シーンはどんどん美しくなっていく。

 1999年放送開始の『おジャ魔女どれみ』、2004年放送開始の『ふたりはプリキュア』などの変身シーンはどれもかわいく、変身アイテムも多様な形でグッズ化されている。

 後の作品の美しい変身が多くの少女の胸をときめかせたことを考えれば、同作の功績がいかに大きいかがわかるのではないだろうか。

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 加えて、『セーラームーン』はいまや日本の2次元文化の一翼を担っている“2.5次元ミュージカル”を世に広める大役も果たす。

 漫画を原作とした舞台化作品の元祖としては1974年に宝塚歌劇団が上演した『ベルサイユのばら』が有名だが、正直に言って宝塚歌劇団の舞台は一般人には少し縁遠いものもある。

 そんななかで、バンダイが中心となって制作された大衆向けの舞台が1993年開始のミュージカル『美少女戦士セーラームーン』だったのだ。

 その後、舞台版『テニスの王子様』が大ヒットとなり2.5次元ミュージカルは勢力を拡大するわけだが、その陰に『セーラームーン』の存在があったといえるのではないだろうか。

“小学生”そのままの強さを描いた『カードキャプターさくら』
 『セーラームーン』に続いて言及したいのは、1996年から連載が始まった『カードキャプターさくら』。

 同作は、多くの戦うヒロインアニメと異なり“与えられた力では変身しない”点が大きな特徴の作品だ。

 初代シリーズ「クロウカード編」の主人公・木之本桜は小学4年生。早起きや算数が苦手な桜が学校の制服のままで呪文を唱え、杖を振ってカードを封印していく動作にはある意味で小学生の夢がつまっている。

 幼い少女が主役として活躍するアニメには前述した『おジャ魔女どれみ』や『魔法使いサリー』があるが、それらのアニメの主人公には、特殊な変身や生まれ持った才能が必須。

 桜のように一見普通で(魔力はかなり高いが)、日常の姿そのままで不可思議なモノに立ち向かうヒロインは珍しかった。

 桜は洋裁好きの親友のおかげでかわいらしい衣装を身にまとうが、それは決して魔法の力ではない。

 封印の杖こそあれど、比較的無防備な状態で未知の事象に向かう桜の物語には、“現実の小学生が体験できるかもしれない活躍”としての魅力が確かにあった。さらに、変身しない小学生を描いた同作には、母親の他界をはじめとするダークな話題も含まれている。

 魔法のドレスも輝くティアラも身につけない小学生、しかも不幸がかぶさっている。一歩間違えればうつ展開な作品のわけだが、その暗い話題を越えて桜が羽ばたく姿を見せることで、アニメにおける“”過度な配慮”が必要ないことを同作は実証したのではないだろうか。

 歴史ある少女漫画雑誌として、今もなお数多くの名作を連載し続ける『なかよし』。子ども時代より自由に使えるお金が増えた今、同誌発のアニメ作品のさらなる飛躍とグッズ展開に期待をしたい。

参照
・http://nakayosi60.com/news/6.html
・https://sailormoon-museum.com/
・https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/honey_f/story/

(文=三山てらこ)

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