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サマソニ初開催控えるタイの音楽シーン FORD TRIO、_less、YONLAPA……ライブでも楽しみたいアーティスト

Real Sound

YONLAPA「I’m Just Like That」ミュージックビデオより

<土井コマキのアジア音楽探訪 Vol.1>

 はじめまして。私は大阪のFM802というラジオ局で20年余りDJをしていますが、音楽シーンはどんどん細分化し、それぞれのシーンで絶大な人気を得ていても、フォローしていない人には知られていない、そんなことが当然の昨今です。それはどの国でも言えること。そんな中、私がどうにも気になって仕方がないのが日本以外のアジア諸国の音楽。特に売り上げチャートなど商業的なものを意識していない音楽性のアーティストたち=インディペンデントな精神性のミュージシャンたちが気になって仕方ないのです。

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 日本も含むミュージシャン同士の国籍や言葉を超えての交流がとても盛んなんですよね。しかもリスナーがちゃんといて、チャートインもするし、大型フェスにも出る人気のアーティストも多い。日本のFM局で20年DJをしてきた耳で聴いていて、日本の音楽ファンにも好まれそうだから届けたいなと思う音色の音楽が多いのです。ジャンル分けはナンセンスだし難しい。でも、少しのきっかけでもっとたくさんの人に届くであろう作品やアーティストが揃っています。そこで、この連載では、海外にいても耳に届くほどのパワーのあるアジアの音楽を紹介していきます。氷山の一角でしかないとの前提でお付き合いいただき、あなたにとって新しいドアになれたらと思います。

 この夏『SUMMER SONIC』がタイのバンコクに進出する。タイの人に少し聞いてみたら、日本と同じヘッドライナーを連れてきてほしいとの声。これまで日本からもコーネリアスやCHAI、おとぼけビ~バ~、新しい学校のリーダーズらが出演してきた『Maho Rasop』(マホラソップ)、音楽以外にもアート、ライフスタイル、自然をテーマに掲げる『Wonderfruit Festival』(ワンダーフルーツフェスティバル)など、タイにもインターナショナルフェスがあるとはいえ、グローバルアーティストをもっと観たいといいます。

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 ですが、日本から遊びに行く我々としては、せっかくならばここでしか観ることのできないアーティストたちをまとめて観られたら嬉しいと思ってしまうものです。そこで今回は、『SUMMER SONIC BANGKOK』にもぜひ出てほしい、タイのアーティストをピックアップします。

 そもそもタイでは、食事やお酒を楽しむ店で生演奏を聴くことが多いとのことですが、近頃いわゆるライブハウスができ始めているそう。例えばバンコクのBlueprint Livehouse。1年ほど前にオープンさせたNewさんにお話を聞いた。「Blueprint=青写真」と名付けられたこの会場は、タイの音楽業界の未来のために立ち上げられたもの。また、「Livehouse」という日本独自の呼び方を名前に使っていることからわかるように、日本のライブハウスからも影響を受けているという。

 ちょうどCOMMON PEOPLE LIKE YOUというバンドがライブをしていたのですが、フロア最前列でナードな雰囲気の若い男子たちが熱狂しているのをみてハッとした。生演奏をパブでしか見ることができないということは、未成年の若者は、なかなかライブが見られないということだ。未成年でも入店できる場所が増えるということは、アーティストになりたいと憧れる人も増えるだろう。PAなど裏方の技術職を目指す人も増えるかもしれない。全員の目と耳を肥やすことになっていくはずで、Newさんの踏み出した一歩は大きな一歩なはず。もちろんアーティストにとってもプラスだ。だってパブではカバー曲を求められるけれど、ライブハウスでみんなが聴きたいのはオリジナルだから。実際に期待値も高いようで、たくさんのアーティストたちが、この場所を応援するために出演を決めたり、情報を拡散したりとサポートをしてくれたそうだ。そんなNewさんにオススメしてもらった中から1組。

 FORD TRIOは、日本での活動にも積極的なFUNKバンド。日本のバンドとコラボレーションでリリースもしている。テキサスのKhruangbinがデビュー当時タイファンクから影響を受けたと言っていましたが、FORD TRIOはレアグルーヴなクール感もありつつ、現在進行形の若いバンドだと感じさせる快活さもあって、演奏力も相当高いらしい。タイ独特の音階から生まれるのか、気温も湿度も高いバンコクの夜を思い出させるムードが私はとても好きだ。

 憧れのラジオ局、Cat RadioのDJのRitさんにもお話を伺った。Ritさんが教えてくれた_lessは、今Cat Radioでチャートインし続けているフレッシュなアーティスト。アーティストから直接送られてくる音源を放送するRitさんの番組『Bedroom Studio』出身で、タイのソニーミュージックと契約に至ったそうだ。いつも必ずお面をつけている2人組(主に赤鬼&ひょっとこ)。今年1stアルバムをリリース。お面を替えるように曲ごとに表情が違う。ユーモアがありメロディックで可愛らしく、シンセサウンドは微熱の浮遊感。どれもこれも抜けの良さがちょうどいい。ライブではダンサーがいるとか?

 チェンマイのバンド、YONLAPA。毎年のように来日ツアーをしたり、STUTSとコラボ曲をリリースしたりで、ご存知の方も多いかもしれない。来日のたびにファンが増えているのを感じます。最初はボーカル・ノイナの弾き語り曲をバンド編成で演奏するところから始まったそうですが、バンドスタイルが前提の良曲が出揃い、ライブがとてもいい。チェンマイの郊外で開催された野外イベント『Jive Garden』に行ったのですが、YONLAPAのオリジナリティと演奏力はチェンマイの音楽シーンの中で、頭ひとつ抜けているのだなと実感。今年は福岡のフェス『CIRCLE』への出演も決まっています。ぜひ見てほしいです。

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