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小1男児の窒息死に衝撃広がる。親として再確認しておきたい“3つのこと”

女子SPA!

 子どもの命を守るために、今何ができるのか?

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 2024年2月26日に福岡県みやま市の小学校で、給食を喉に詰まらせた小学1年生の男児が亡くなる事故が発生しました。原因はみそおでんに入っていた「うずらの卵」とみられています。ニュースを受けて、多くの人が胸を痛めていることと思います。

 私も小学生を育てる親として、一人の人間として、非常に大きなショックを受け、食育について情報発信する立場としても、やるせない思いでいっぱいになりました。そして亡くなられたお子様のご遺族に心からお悔やみ申し上げるとともに、何か少しでもできることはないかと考えました。

 今回の事故に関しては、食品による窒息事故を防止するために厚生労働省や医療機関などがわかりやすい情報発信を行っていますし、教育機関でもさまざまな対策が取られています。

 そこで私は、給食のみならず普段の食事の際に気をつけるべき視点を整理しながら(専門家アドバイスを端的に整理し、忙しい方々でも目を通していただきやすい文章にまとめました)、リアルに子どもを育てている親として、もう少し視点を広げて子どもと再確認したい、意外と見落としがちな点を整理してみようと思います。

食品による窒息死事故は、幼児だけではない

 それでははじめに、食品による窒息死事故を防ぐために、保護者や子どもと食事をする可能性がある人が、改めて確認しておくべき事項を整理しました。

 厚生労働省のサイト「e-ヘルスネット」や、こども家庭庁サイトの「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」を参照しまとめています。

 すでに報道や専門サイトなどで確認できている方は飛ばしていただいてかまいません。

1.食品による窒息死事故は、小学校でも起こっている



14歳以下の子どもが食品を誤飲して死亡する窒息死事故は、2014~2019年で80人。そのうち、5歳以下は73人。小学校での給食においても窒息事故が起こっている(厚生労働省の調査より)。

2.原因となりやすい食品は、3種類



事故の要因となるのは、食品の食感(表面のやわらかさ、弾力性、かたさ、かみ切りにくさなど)、大きさ、形状など。次のような食品は、いったん気道につまるとなかなか吐き出せない。

(1)丸くてつるっとしているもの

ブドウ、ミニトマト、サクランボ、ピーナッツ、球形のチーズ、うずらの卵、ソーセージ、こんにゃく、白玉団子、あめ、ラムネ

(2)粘着性が高く、唾液を吸収して飲み込みづらいもの

餅、ごはん、パン類

(3)固くてかみ切りにくいもの

リンゴ、生ニンジン、水菜、イカ、肉、

3.窒息事故を予防するために、提供側と子ども側で対策を確認する



(1)食べやすい大きさにすること

(2)水分をとって喉を潤して、よく噛んで食べる

(3)遊びながらはNG,食べることに集中をする

(4)口の中に食べ物があるときは、話をしない

(5)子どもの食べている様子や食べ方を観察、見守る意識を持つ

食事のしつけの「固定観念」にとらわれないことが大切

 今回の事故をきっかけに、子どもの食事には常に注意が必要であること、リスク管理が欠かせないことを気づかせてもらいました。

 子どもは時として周囲の予測不可能な食事行動をとることがありますが、その言動は子どもの意思ではないケースもあります。

 例えば、嫌いな食べ物を食べないと大人から怒られるという恐怖心から、食べ物を噛まずに無理に丸飲みしてしまうという行為。これは窒息事故にもつながりかねません。つまり「これさえやっていれば大丈夫」という完璧な対処法は存在せず、医療機関や学校では教えてもらえない視点がまだまだたくさんあると思うのです。

 育児のリアルな現場で子どもを観察していると、食事のあり方や認識について留意していきたいことはたくさんでてきます。その中で、窒息事故のみならず子どもの日常生活の安全面を考えていく上で、食事のしつけに関する古めかしい固定観念にとらわれないことは非常に有意義だと、私は考えています。

 そこでちょっと視点を変えて、次の3つについて再確認してみるのはいかがでしょうか。

 日常のちょっとした練習や経験が、子ども自身の食事に対する注意力やリスク回避力が養えると、私は考えています。これらは実際に我が子で実践していますが、これによって食わず嫌いや偏食にはつながらないことも実感しています。



1.食べたくない、食べられないは悪いことではない

 最後まで食べなさい、嫌いなものも無理して食べなさいというしつけは、度が過ぎると子どもの心身に支障が出る可能性があります。

 スポーツも根性論の時代は終わっています。食事において「食べられない」と言いやすい空気作りや子どもが言ってみる経験をさせておくと、不慮の事故を防ぐことにつながる他、食事による劣等感や消極性の醸成も軽減できます。

2.食べたことのない、慣れない食材やメニューは慎重に

 給食や外食時において、初めての料理や食材に出会うことがあります。

 その場合は、アレルギー問題や事故を防ぐためにも、子どもが食べる前に周囲に質問・確認するという行為ができるようにしておきましょう。



3.口から出す、吐き出す練習や経験は必要な場合も

 異物や危険を察知した場合に、意外とやったことのないのが、「口から出す」という対処法。

 本能だからできるはず、という思い込みは禁物です。

 口から出すのは汚い、悪いことだと決めつけることなく、子どもが違和感を察知したら、迷わず吐き出すという練習をしてみることも時として重要です。

 私たちはどこかで「出される食事は受け入れるのが正義」という固定観念にとらわれて生きている時があります。これは社会性や協調性を育む要因にもなりますが、時として個人を傷つけてしまうきっかけにもなると、多くの子ども達の様子や悲しいニュースを目にして実感してきました。

 そこで私は我が子と一緒に“食事の避難訓練”というコンセプトで、子どもが食に対する危機意識や判断力を高める練習をしています。

 無理なく、楽しみながら、でも真剣に、というのが重要です。これからはますます命や人権が尊重され、食事の安全・安心が重視される時代です。そして親子の心のケアも軽視してはなりません。

 悲しい事故が起こらないよう、今一度家庭で食に関する話し合いや確認をしてみることは、決して無駄にはならないはずです。

<文/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12



 
   

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