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堂本剛、退所と共に踏み出す“始まり”の一歩 アーティストとしての自分を諦めない覚悟

Real Sound

 KinKi Kidsの堂本剛が今年3月31日をもって所属事務所を退所することを発表した。その一報を耳にしたときは、ひとつの時代の“終わり”のようなものを感じたが、今はそうは思わない。この決断は、堂本剛にとってアーティストであり続けるための“始まり”の一歩なのだ。

(関連:堂本剛がファンクを鳴らす理由 人生への苦悩、突発性難聴の発症……自身を支えてきた音楽と理解者の存在

■自分の活動を、自分でハンドリングしていく必要性

 「音楽を続けるために、そういう大きな環境の変化っていうものが、必要になってきているなって感じたんですよね」とは、2月24日放送のラジオ『堂本 剛とFashion & Music Book』(bayfm78)にて語られた言葉だ。かねてより同番組では、2017年より患っている突発性難聴と闘う堂本剛の声をまっすぐに届けてきた。KinKi Kidsとして、またはソロアーティストとして出演するステージ上では、なかなか語られない本音たち。思い通りにいかない自分自身に苦しんだり、それでもできることをやっていくのだと冷静な覚悟を見せたり……。堂本剛の言葉に、それぞれ病や困難と直面している多くのリスナーが鼓舞されてきた。

 そんな番組で語られた、今回の独立を決意した理由。それは「自分で自分を労ってあげないといけないとなって思った」というものだった。これまでもリハビリやトレーニングなど「自分の過ごしている環境のなかでの最大限の方法で体のケアはしてきました」というが、先日新たな病院で検査したところ、残念ながら耳の状況は決して良くはなっていないことが判明したそう。それは医師が「え、ちょっと待って。本当に聞こえてないじゃない」「これでどうやって歌ってるの?」と困惑するほどだったと、同行した家族から聞かされたとも。そして、医師が堂本剛の現状を踏まえて言い渡したアドバイスは「環境を大きく変える必要性があるんじゃないんですかね」というものだった。

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 その言葉に「例えば、“いや、この状況では身体的には厳しいかも”と思ったら、仕事をキャンセルすることができたりとか、自分のスケジューリングのなかで、“だいたい今の自分の体はこんな感じだからこんなふうにしていこうかな”とか。レコーディングとかライブが続くスケジュールを、自分で調整して、耳を労りながら音楽を続けていく必要性があるな」と、堂本剛自身も納得したそうだ。

■「自分が最期まで諦めない」それがひとつの力

 もちろんこの決断に至るまでに、私たちには想像もつかないくらい大きな葛藤もあったはずだ。「本当に長い月日をかけて、いろんな方にお話を伺ったり、ご意見・ご指導をいただいたり……(中略)その方々の想いとか言葉とか、いろいろなものも、自分の心に響くものばかり」と、多くの人と話し合ってきた時間を振り返る場面もあった。

 先述したように同番組には、堂本剛と共に病と闘うリスナーからのお便りも届く。正直な気持ちを吐露することで築き上げられてきた、堂本剛とファンとの想い想われる関係性。この日も、脳出血で体に麻痺が残りながらも家族が代筆をする形で、80代のファンから届いたメッセージがあった。さらに、高校時代から堂本剛に憧れてきた40代の男性が余命半年を宣告された病床から送られてきたメールもあった。

 そのメッセージを読み上げながらこみ上げるものも隠すことなく、言葉を詰まらせながら寄り添っていく。そして、闘病生活を送るリスナーに向けつつも、自分自身に対して言い聞かせるように「自分が最期まで諦めない」という言葉を贈っていたのが印象的だった。自分だけは自分のことを信じてあげること。そして親しい人が愛情をもってさする手当てが、ときに映画や漫画のような奇跡を起こすことだってあるのだと奮い立たせるのだと。

 そんな心と心のやりとりを通じて、きっと堂本剛の中に「人生一度きり。自分で自分を労ってあげないといけない」という想いがより強くなっていったのだろう。そして、自分の直感にしたがって一瞬一瞬を紡いでいくことができればこそ、ファンの、そして自身の“命の匂いをプンプンさせる”ことができる音楽を届けられるのだと思い至ったのではないか。誰よりも、堂本剛が“アーティスト・堂本剛”を諦めていない。そんな強い決意に触れられたような気がした。

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