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物心もつかない幼いうちに養子に出された武蔵。養子先の母を実母と思い慕っていたが…

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円明流や二天一流の開祖として知られる、天下無双の剣豪・宮本武蔵。謎に包まれた彼の半生を、甲賀の忍びたちとの絆を交えて描いた臨場感あふれる歴史巨編。※本記事は、石崎 翔輝氏の小説『宮本武蔵と忍びの者』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。

龍野・  圓光寺

半三郎は、数年に亘りここ圓光寺の道場で兵法修行に寝食をともにした武蔵が、志乃に対してどのような気持ちでいるのかはよく弁えていた。

また、その幼い頃より妹のようにかわいがってきた志乃は、いま二人から顔を背け、その涙を見られまいとしてか、少し離れていったが、思いつめると一途なだけに心配なところがある。

志乃のそんな様子を顧みることなく、武蔵は半三郎のただならぬ様子に鋭い目を向けた。

「さように慌てて、いったいいかがなされたのでござる?」

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「はい、先生。忠右衛門が白装束を身に纏い、道場にて切腹すると息巻いております。

皆もやめさせようとはするのですが、あやつ、われらの申すことなどいっこうに聞く耳を持ちませぬ。先生にお願いするしかござりませぬ」

「うーむ。困ったやつだ。すぐに参る」

武蔵は、道場のほうに向かいながらも、川面のほうに顔を背けている志乃にちらりと一瞥を投げかけた。何か声を掛けようかと思ったが、言葉が見つからなかった。

志乃は、足早に去っていく二人の足音を聞きながら、自分はこの世にほとんど何の意味など持たぬ芥(あくた)のようなものにすぎないのではないかと、川面に浮かんで流れる落葉を見つめながら感じていた。

圓光寺の境内には、かなり広い道場があった。この時代、剣術道場はまだ屋外に設けられていることが多かった。砂が敷かれた道場の片隅には、白装束の落合忠右衛門が座している。

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