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芽衣おばさんの身体に青あざが絶える日がなく、綺麗だった白い前歯も欠けてしまった

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涙腺崩壊! 誰にも言えない過去を抱えた2人。共鳴するように惹かれあう彼らを、衝撃的な結末が待ち受ける。名古屋市・八事町を舞台に紡がれる、切なくも美しい純愛物語。※本記事は、宮野入 羅針氏の小説『八事の町にもやさしい雪は降るのだ』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。

長瀬 律

少年時代の僕には二人の母親がいて、同い年の妹がいた。

芽衣おばさんは笑顔が絶えないとても明るい人だった。笑うと白い歯並びがチャーミングで、子供の僕から見ても魅力的な女性だった。

そんなよく笑う母親とは対照的に、沙耶伽は口数が少ない女の子だった。活発でやんちゃで、目立ちたがり屋の僕とは真逆な性格だった。それでも僕は沙耶伽と一緒に過ごすことが楽しかったし、彼女も僕と遊ぶのをいやがってはいなかったと思う。

人見知りの沙耶伽も、僕の両親の前では遠慮がなかった。学校から帰ると母親が居ない自宅には戻らず、ランドセルを僕の家に置き、一緒におやつを食べてそろばん塾に通った。

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沙耶伽の父親は職人気質の人だった。お店の接客は芽衣おばさんに任せて、まな板の上に置かれた肉の塊に包丁を入れる。白衣姿で、トレーに部位を仕分けする姿は、凛とした職人の風格があった。

おじさんはお店を開く都合で八事に引っ越してきたが、この町の歴史に魅了されていた。

暇を見つけては興正寺の界隈を歩いて回った。

「律くん。八事にはおもしろい歴史が隠されているんだ」

子供の僕相手にもいろんな話を聞かせてくれた。そのおじさんが、僕たちが四年生の夏休みに軽トラックで事故を起こした。それ以来右膝が曲がらなくなり、足を引きずって歩くようになった。

長時間の立ち仕事が困難になり、芽衣おばさんが肉の捌(さば)き方を覚え、おじさんの仕事も賄(まかな)ってお店を切り盛りしていた。おばさんの接客がうまかったのか、店は相変わらず繁盛していた。

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