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侍ジャパン前監督・栗山英樹氏に学ぶ、「できる上司」がやっている「スランプの部下」への声かけ

幻冬舎ゴールドオンライン

「やればできる」が、能力を発揮できていない部下への適切な対処とは? 侍ジャパンに選出された当初、コンディションを整いきれずにいたオリックス・バファローズの宇田川選手を例に、栗山監督の選手への向き合い方を紹介します。※ 本記事は2023年7月刊行の書籍『栗山ノート2 世界一への軌跡 』(光文社)より一部を抜粋したものです

キャンプインしても調子が上がらない宇田川選手

侍ジャパンのキャンプインを前に、オリックス・バファローズの宇田川のコンディションが上がってこないとの連絡がありました。彼は22年シーズンに1軍デビューを飾った選手で、シーズンオフの過ごしかたがつかめていなかったのかもしれません。

あるいは、1軍で投げられるようになってすぐに侍ジャパンに選出されたことに、戸惑いを覚えていた可能性もあったでしょう。それでいて、やることは多いのです。

投手の彼は、WBCの使用球に慣れておく必要があります。2月1日にスタートしたオリックスのキャンプでは、中嶋聡(さとし)監督が「こんな状態でなにが侍ジャパンだ!」と、強い言葉で背中を押してくれていました。

本人はもがき苦しみながらもコンディションを上げて、我々のキャンプに合流してきました。ただ、なおも苦しみの真っただ中にいたのでしょう。

ダルビッシュが栗山監督にした“提言”

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18日にダルがブルペンに入り、若手投手陣がズラリと並んで見学していたそのとき、宇田川はトレーニングルームにこもっていました。その日の練習後に取材に応じると、「正直、気後(おく)れというか」と、チームに馴染めていないことを匂わせていました。そんなときに、ダルが監督室のドアをノックしてきたのです。

「監督、お願いがあります。宇田川の今日のピッチング、見ていましたよね。良くなってきましたよね。監督からその良かったなという感じを、話してあげてもらえませんか。いまの状況を考えれば、そういう言葉が大きな意味を持ちます」

ダルのチーム愛に溢れる思いに触れながら、ここは「吉」と「凶」の分かれ目だと理解しました。宇田川の調子が上がっていないことを悔やみ、私自身の彼への働きかけを過ちだと後悔して、「吉」へ向かっていくようにしました。ここで後悔することを良しとしないと、宇田川の調子は変わらない。つまりは、どんどんと「凶」へ進んでしまう。

私たちの心には、知らず知らずのうちに油断が入り込んできます。過ちを後悔して行動を変えても、また油断して驕(おご)りや慢心にとらわれてしまう。吉と凶の分かれ目で、変わることをためらうとか、面倒だとする「吝(りん)」の心境に陥るのではなく、自分の大切な人のために動ける人間でありたいものです。

ダルの貴重な助言を受けて、私は宇田川に声をかけました。本人は「まだまだ緊張感が大きいのですが」と申し訳なさそうに話していましたが、「何とかします」という言葉にはそれまでとは違う力強さが込められていました。

誰かを指導する立場の人は、「褒めて伸ばす」のか、「𠮟って伸ばす」のか、頭を悩ませるのではないでしょうか。どちらかではなくときに𠮟り、褒めて、励ます、というのが理想なのでしょうが、その使い分けが難しい。

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