税制面で優遇されているとはいえ、投資にリスクはつきものだ。
「中国では不動産市場が不調で、若年層の失業率も上昇し、不満の捌け口を台湾や日本など外部の国に向ける可能性も考えられますし、中東情勢も予断を許さない状況。国内でも能登半島地震に続いて予期せぬ大地震が起こらないとも限りません。戦争や自然災害、パンデミックなど、いつどこで暴落のトリガーが引かれるかわかりません。常にリスクを頭に入れて、投資は余剰資金の範囲にとどめておくべきです」(森永氏)
荻原氏も過去のケースを引き合いに出して警鐘を鳴らす。
「2000年2月に野村證券が運用を始めたノムラ日本株戦略ファンドをご存じですか? 1兆円をかき集めたものの、その年にITバブルが崩壊して基準価額が半値以下に暴落。今でこそ持ち直していますが、当時、なけなしの退職金をつぎ込んだ人にとっては大きな悲劇ですよ。今回の新NISAにしても、虎の子の老後の資金をつぎ込んではいけません」
暴落の恐ろしさは誰にも予測できない点にあるが、
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「日々の値動きに振り回されないことが肝心」(ふゆこ氏)
「暴落のニュースに動じることなく、自分のペースで10年20年と長いスパンで続けることで、結果的にプラスに転じるケースは、珍しくありません」(森永氏)
というセオリーも付け加えておこう。
岸田政権は「貯蓄から投資へ」と訴えてきたが、そもそも庶民の多くは投資にまで気が回らないのではないか。
ふゆこ氏は、昨年12月に上梓した「貯金はこれでつくれます」(アスコム)の中で数々の節約テクニックを紹介している。