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ロッテ・藤岡裕大、覚悟を持って挑んだ1年「これを最低ラインにしてまた来年からやりたい」

ベースボールキング

ロッテ・藤岡裕大、覚悟を持って挑んだ1年「これを最低ラインにしてまた来年からやりたい」(C)ベースボールキング

◆ 「去年に比べたら試合に出られたので楽しかった」

 「結果だけ見ると最後悔しかったですし、よくできたとは思わないですけど、去年に比べたら試合に出られたので楽しかったです」。

 「まずは楽しむということを一番、それで精一杯やってダメだったら去年と一緒で、ファームに行くだけなので本当にできることはやろうというだけでした」。

 ロッテ・藤岡裕大にとってプロ6年目の今季は充実の1年になった。ただ、春季キャンプでは今季に向け、「しっかり打つことで貢献したいというのはありますし、打ちたいという気持ちが強い」と、強い覚悟を持って臨んでいた。

 22年はプロ入り後自己ワーストの28試合、12安打、打率.176、1打点に終わり、同年10月に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習では、グラウンドに一番に現れ置きティーを行う日があれば、全体練習が終わったあと、休むことなく一塁側ベンチ前からライト方向に向かってロングティー。

 さらに特打で振り込んだ後、加藤匠馬(中日)と共にロングティーする日もあった。スタッフに動画を撮影してもらい、自身の打撃をチェックし、チェック後に何かを確認するように素振りする姿を何度も見てきた。

 シーズンオフはスイングのフォームを見直すことをテーマに取り組み、打撃フォームも「もっと打ちたいから」という理由で改造。「ちょっと形を変えたり、重さをいじったりしました」とバットも改良した。

 春季キャンプ時点で、新しい打撃フォームについて「日によってですね。いい時はいい感じで打てているなという時もありますし、ああちょっと違うなという時もありますし、まだこれからもうちょっと振り込んで形がしっくりくるようにしたいなと思います」と話していた。

◆ 最高のスタート

 シーズンが開幕して、藤岡はロケットスタートを切った。3月31日のソフトバンクとの開幕戦に『8番・遊撃』でスタメン出場し、第2打席で今季初安打を放つと、4月4日の日本ハム戦では4打数4安打。翌5日の日本ハム戦も1打数1安打2四球、9日の楽天戦も1安打と、最初の出場5試合で打率.583。特に4安打した4日の日本ハム戦は、第1、2、4打席が2球目、第3打席が3球目に安打と、早いカウントからしっかりと捉えた。

 「初球から振れる準備をしていこうと思っているので、しっかり手を出せているかなと思います」と話し、早いカウントから積極的に仕掛けられている要因に「タイミングだけですね。ネクストから、ベンチからしっかりとって、どういう球が来るかというのをイメージするようにしています」と説明。

 「練習からそんなに感じは悪くない。1日1日、課題を克服できるようにとやっていきたいです」と好感触を掴み、「怪我で去年は出られなかったので、そこのケアを今年は心がけています。なるべく万全な状態で1日1日迎えられるように意識しています」と語った。

 今季は藤岡1人がショートのポジションで出ずっぱりではなく、開幕から友杉篤輝、茶谷健太らと併用して出場。その効果もあったのか、開幕からの1カ月を打率.279、5月終了時点の打率.264、交流戦終了時点の打率は.268。

 「特にランナーいようがいなかろうが変わることはないんですけど、よりチャンスの時は手出しをしていこうという思いで打席に立てています」。

 6月3日の阪神戦で3-5の9回一死二、三塁で湯浅京己からライト前に弾き返す同点2点適時打を放てば、6月10日の広島戦では4-4の9回二死二、三塁の場面で栗林良吏のカーブをセンター前に弾き返す自身初となるサヨナラ打と、勝負強さが光った。

 藤岡は春季キャンプ中に“打つことで貢献したい”と話した中で、交流戦終了後の取材で「まあそれなりに打ててはいますが、全然満足していないです」とし、「打てたり打てなかったり、波がまだまだあるので、フォーム的にもバラバラするところが気になっているかなと思います」と続けた。

 それでも、「わりかししっくりきているところはありますし、ここがこうなっているなと、微妙に修正して試合に挑めているのが、今年は良いのかなと思います」と話し、「1日1日試行錯誤しながらやっていますし、ピッチャーによって打つ方向だとか、球種なんかを整理して打席の中で勝負できているのかなと思います」と明かした。

 併用での出場についても「コンディションはそんなに(併用による影響は)ないですけど、打席の感覚であったり、出続けていた方が、なんていうんですかね、いい時はそのままガッと行けるので、いいですけど。悪い時になると苦しいので、いいところもあれば、悪いところもあるのかなと思います」とメリットとデメリットを口にした。


◆ 夏場にバット変更

 藤岡は6月23日に特例2023で一軍登録抹消となり、28日の日本ハム二軍戦で実戦復帰し、6月30日の楽天戦から一軍復帰した。「暑いのが苦手なんですけど、変えることなくしっかり体のケアを大事にしてこれからが本当の勝負だと思うので、これからしっかりもっとレベルを上げられるように1日1日を送りたいなと思います」。

 言葉通り、7月に入ってから打撃の調子がさらに上向いた。7月1日の楽天戦で2安打すると、8日の日本ハム戦から15日の楽天戦にかけて5試合連続安打。前半戦を打率.272、8打点、5盗塁で終えた。

 7月21日にZOZOマリンスタジアムで行われた自主練習では、前半戦白黒のバットで打っていたが、白木のバットで打撃練習。オールスター明けの7月22日のソフトバンク戦でも試合前の打撃練習で左の打撃投手の時に白木のバットで打ち、試合中は全打席黒茶色のバットで打った。8月1日の日本ハム戦からは白木のバットで打つことが多くなった。

 藤岡は「元々のバットが重かったので変えたかったのと、元々白木のバットも頼んでいました。バットの重さを変えるタイミングで白木に変えました。夏場どうしても振れなくなっちゃうので、軽いのにして早いボールに対応できるようにと思って軽くしましたね」と前半戦で使っていたバットから30グラム、40グラムくらい軽いバットに変更した。

 バットを軽くした効果があったのか、8月は月間打率.316、9・10月は打率.261、規定打席に届かなかったものの、シーズンの打率は.277、1本塁打、22打点の成績だった。

 クライマックス・シリーズでも1勝1敗で迎えたソフトバンクとのCSファーストステージ第3戦、ファイナルステージ進出へ負けられない中で、0-3の10回無死一、二塁の第5打席、津森宥紀が投じた初球の148キロストレートを右中間ラグーン席に飛び込む値千金の同点3ランを放った。シーズン、CSでも今年は藤岡のバットで何度もチームを救った。


◆ 何度も口にしてきた打つことで貢献

 “打つことで貢献したい”と春季キャンプから何度も口にしてきた中で、自身の中ではそれが達成できたのだろうか、それとももっとできたという思いが強かったのかーー。

 「振り返ってみたら、もうちょっとできたのかなというのもありますし、短い期間で見たら、できすぎていたなと言う時もありましたけど、トータルで見たらそれなりにはチームに貢献できたので、自分としてはよかった。これを最低ラインにしてまた来年からやりたいと思います」。

 同じくシーズン中に何度も“修正”についても語ってきたが、そこについても「映像を見ながらここがこうなっているから、こうしようとかは自分でチェックポイントを理解できるようになってきたなという感じです」と説明した。

 また、体のケアに関しては「そこはシーズン通してできましたね。痛いところは多々ありましたけど、怪我なくやれたので、年齢も年齢なので今まで痛くなかったところが痛くなったりするので、ケアしてもらって試合に挑めました」とし、友杉らとの併用についても「疲労的なことに関してはすごい楽でしたけど、出たいなという気持ちはもちろんありました。そことの葛藤がありました」と振り返った。

 今季に向けて“覚悟”を持って昨年の秋季練習から過ごしていた。「1年間通してやり続けることができたので、そこは自分にとっても良かったと思いますし、この1年だけじゃなく来年以降も、1年間何かをやり続けることが大切にしたいなと思いました」。

 来季に向けた戦いが始まっている。「(今年は)シングルヒットが多く、長打があまり出なかった。そこをもう少し伸ばせたら出塁率が上がったと思う。来年はもう少し長打率を上げたいなと思ってオフから取り組みたいなと思います」と長打力アップを誓った。

 「試合数がというのが不安的なところですけど、来年もなんとか出続けられる体力をつけて挑みたいなと思います」。来季も今季披露した勝負強い打撃、安定した打撃を見せてほしいところだ。

取材・文=岩下雄太

 
   

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