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King Gnu、桑田佳祐&松任谷由実、キタニタツヤ、ちゃんみな……注目新譜6作をレビュー

Real Sound

King Gnu『THE GREATEST UNKNOWN』

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はKing Gnu「):阿修羅:(」、桑田佳祐&松任谷由実「Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない) 2023」、キタニタツヤ「Moonthief」、ちゃんみな「Biscuit」、アイナ・ジ・エンド「華奢な心」、Nissy(西島隆弘) & Saweetie「Feels」の6作品をピックアップした。(編集部)

(関連:King Gnu 井口理、セーラー服にバスローブを羽織って一服 “女子高生プロレスラー”としてアルバム告知

King Gnu「):阿修羅:(」

 4thアルバム『THE GREATEST UNKNOWN』収録の新曲で、本人たちも出演するPlayStationのCM曲。いわゆるタイアップ用の書き下ろしというよりは、与えられたテーマもスケールのデカい遊びに変えてしまう今の彼らの自由度を示す内容になっている。最新のビートミュージックを飲み込むサウンドは、どこまでが生演奏でどこから打ち込みなのか判別不可能。4人の顔が見えるバンド編成のまま、ロックの常識に囚われない異能を剥き出しにしている。しかし全体を見ればクラシカルな気品や調和は失われることがない。まさに彼らにしかできない現代のアートフォームだ。〈危険な程に楽しいでしょ〉〈遊ぶ事も仕事の内〉なんて歌詞が粋にキマっている。(石井)

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 1986年放送の音楽番組『メリー・クリスマス・ショー』(日本テレビ系)のために制作された「Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない)」(作詞:松任谷由実/作曲:桑田佳祐)が37年ぶりにリメイクされ、“桑田佳祐&松任谷由実”のシングル曲としてリリースされた。ロマンティックで切ないメロディ、きらびやかな音像としなやかなグルーヴが共存するサウンドのなかで歌われるのは、穏やかな愛の風景、そして、平和に対する切実な願い。収益の一部が「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付されることも含め、今の社会の状況に思いを馳せながら聴きたいクリスマスソングに仕上がっている。「恋人がサンタクロース」(松任谷由実)「波乗りジョニー」(桑田佳祐)のフレーズを引用するなど、この二人にしかできない演出も楽しい。(森)

キタニタツヤ「Moonthief」

 アルバム『ROUNDABOUT』に先駆けての配信曲。キタニはギターロックとの親和性が高いイメージがあったが、この曲は硬質なダンスミュージックが骨子。ハードな低音に乗って膨大な言葉が押し寄せてくる。早口言葉にも近く、何を歌っているのか途中から脳が追いつかなくなることも。しかしサビは超ポップ。艶っぽい歌声による〈死にたくなるほどの夜だけは ちゃんと生きれてる気がしたんだ〉というフレーズが引っ掛かり、よくよく聴き返すと、これはうまく自分を肯定できない人たちに渡すキタニ流の手引きだと気づく。結論としては、何を歌っているのかよくわからない曲の真逆。言葉をことさら大切に受け止めたい人たちに贈る曲であった。キタニが踊るMVにも要注目。(石井)

ちゃんみな「Biscuit」

 2022年にリリースされた「Don’t go(feat.ASH ISLAND)」「Mirror」に続く韓国語(と英語)楽曲第3弾。アコギとフィンガースナップからはじまり、タイトな4つ打ちビートとともにドライブしはじめるトラック、韓国語の響きをしっかりと活かしたフロウ、抑制を効かせたラップ/ボーカルの聴き心地はめちゃくちゃ良いが、リリックの内容はきわめてシリアスだ。主人公は都会で暮らす女性。母親からの“結婚したくないの?”という質問、消えることがない孤独、本心を隠して生きる姿などをリアルな言葉で描いた歌詞はまちがいなく、すべての現代人に“自分ごと”として響くはず。〈Give me your biscuit〉というラインに込められた想いをぜひ、それぞれの経験に照らし合わせて想像してみてほしい。(森)

アイナ・ジ・エンド「華奢な心」

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