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『ドラクエモンスターズ3』発売間近 シナリオ/システムにファンが求める要素は?

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 その魅力を支えるひとつの要素が、敵役であるピサロの存在だ。魔族の王である彼は、エルフ族に生まれた最愛の人・ロザリーが人間に冷遇され、最後には殺されてしまったことから、怒りを爆発させ「進化の秘法」に手を伸ばす。これにより、ピサロは強い力を手にすることになったが、同時に自我が崩壊。ロザリーと過ごした日々の記憶も失い、1体の魔物として勇者たちの前に立ちはだかるのだった。

 『ドラクエ4』のオリジナル版が発売されたのは、1990年のこと。対応ハードは、ファミリーコンピュータである。当時は、現代のようにゲームを自由に表現することが、技術的にも、容量的にも、難しかった時代。ボスとはいえ、1人の敵キャラクターがこれほどのパーソナリティを持っていること自体が珍しかった。

 もちろん『ドラクエ4』がこれまで何度もリメイクされたことで、表現が補完されてきた部分もあるだろう。しかし、(原作に含まれていた)必ずしも勧善懲悪ではないストーリーは、同作の魅力の根幹であると言って差し支えない要素であるはずだ。この点を支えているのが、ピサロの存在だった。

 そのおかげもあり、彼は敵役としては異例の人気を獲得するようになり、のちに発売されたリメイクでは(賛否はともかくとして)最終盤に仲間に加わる仕様が追加された。『ドラクエモンスターズ3』において、本来は敵だったピサロが主人公に据えられた背景には、このように築かれてきた彼の人気や、パーソナリティのドラマ性による影響があったに違いない。だからこそ、「ドラゴンクエスト」ファンが『ドラクエモンスターズ3』に期待するのは、そうした彼、さらにはロザリーを含めた彼ら2人のバックグラウンドに負けない、シナリオの良さなのではないだろうか。

 体験版をプレイするかぎり、同タイトルには、(『ドラクエ4』に詳しく描かれていなかった)ピサロとロザリーの出会い、惹かれ合うまでの経緯、ともに過ごす様子などが、「ドラクエモンスターズ」というシリーズのフィルターを通して描かれていた。彼ら2人が手を取り合いながら進める冒険のなかで、どのように物語が展開し、どう『ドラクエ4』の世界へとつながっていくのか。その点が気になっているファンはきっと多いだろう。これはピサロを主人公に据えたからこそ、『ドラクエモンスターズ3』が背負うことになった期待とも言えるかもしれない。

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 なお、同タイトルのシナリオは、『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』などの物語を手掛け、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』ではディレクターを、『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』(Ver.1)ではディレクター/メインシナリオライターを務めた、株式会社ストーリーノート・藤澤仁氏が担当している。2023年9月に配信された公式番組 「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅 おしえてアゲ★ナイト」では、プロデューサーの横田賢人氏が「今までのモンスターズよりお話の比重が少し高くなっている」と、『ドラクエモンスターズ3』のシナリオについて言及した。

■システム面に求められるのは、シリーズの面白さを維持したままでの“欠点”の改善か

 一方のシステム面に関しては、「シリーズの良さを生かしつつ、過去のシリーズ作品で不評だった点に対し、ブラッシュアップ程度の変更があれば十分である」との意見が大勢ではないだろうか。

 四半世紀の歴史のなかで試行錯誤が繰り返されてきた「ドラクエモンスターズ」のシステム。人気に裏付けられた期待の大きさから、継続点・変更点をめぐり、都度議論が交わされてきたが、「(多少の不満はあれど)基本的には、ある程度完成されたシステムである」との意見がファンの共通認識だろう。だからこそ、プレイヤーの体験に大きく関わる部分には抜本的なテコ入れをせず、従来どおりの魅力を純粋に楽しめるタイトルとしてほしいところである。

 『ドラクエモンスターズ3』には、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』に類似するシステムが採用されている。当初は既存のものからの大幅な変更がプレイヤーの戸惑いを招いたが、その後、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D(ナンバリング第1作のリメイク)』『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵(ナンバリング第2作のリメイク)』と、数々のシリーズ作品に踏襲されたことで定着。第1作・第2作のオリジナル版を触っていないプレイヤーにとっては、「『ドラクエモンスターズ』と言えばこれ」とされるようなシステムへと育てられてきた。

 反面、各作品では、「個々のモンスターのステータス格差が激しい」「ステータスに上限値があるせいで、思い入れるモンスターをパーティーに組み込みづらい」「一部モンスター/スキル/とくせい/耐性がゲームバランスを壊している」といった問題が表面化。システムの根幹は完成されたものでありながらも、やり込めばやり込むほど、そうした欠陥とも向き合っていかなければならない点が、シリーズにとっての“弁慶の泣き所”と化していた面もある。

 熱狂的なファンたちが『ドラクエモンスターズ3』のシステムに望むのは、こうした点の改善だろう。ベースにあるシリーズの面白さを崩すことなく、欠点が解消される方向に向かえば、これ以上は望むことのない最新作が完成するのではないか。

 SNS上には、体験版を手に取ったプレイヤーの期待と不安の声が集まっている。『ドラクエモンスターズ3』の発売はまもなく。はたしてその評価はどちらに転ぶだろうか。人気からハードルばかりが高く設定されている同タイトルだが、開発・発売に携わる株式会社スクウェア・エニックス、株式会社トーセの両社には、良い意味でファンの想定を裏切ってほしい。

(文=結木千尋)

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