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『毒戦 BELIEVER 2』はハン・ヒョジュのための映画? いまの時代らしい試みと懸念点

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『毒戦 BELIEVER 2』Netflixにて独占配信中

 韓国で大ヒットを記録した映画『毒戦 BELIEVER』(2018年)が、配信映画『毒戦 BELIEVER 2』としてNetflixでリリースされている。既存の映画作品の続編を、配信作品として公開するのは、いまの時代らしい試みだ。

参考:前作以上の困難に挑んだ『毒戦 BELIEVER 2』 敢闘賞は“メガネ姿のヤクザ”ハン・ヒョジュ

 『毒戦 BELIEVER』は、ジョニー・トー監督による、香港ノワールアクションの傑作『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)を、韓国で大胆に翻案し、麻薬組織のトップに立つ謎の存在“イ先生”をめぐり、麻薬捜査官たちと、ともに捜査に協力する犯罪者の決死の潜入ミッションを描いた作品だ。なかでも、憶測を呼ぶラストの描写が物議を醸すことになった。

 本作『毒戦 BELIEVER 2』では、そんな謎めいた前作のラストで何が起こったのかが明らかになる。「そんなことやっていいのか?」とも思ってしまう本作について、魅力とともに懸念される点も含めて深掘りしていきたい。

 前作『毒戦 BELIEVER』は、基となった『ドラッグ・ウォー 毒戦』とは、設定や印象的なシーンなどに共通点はありながら、全く別作品と言っていいほど、雰囲気や楽しみ方が異なる内容だった。

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 『ドラッグ・ウォー 毒戦』は、ジョニー・トー監督の持ち味がたっぷりと味わえる内容で、無常感が漂うリアリスティックな犯罪描写や、人間の酷薄さや醜さ、生への執着が前衛的なまでに乾いたタッチで表現されていた。麻薬の袋を飲み込んで体内に入れたまま密輸する人々が警察に捕まり、腸から排出された袋を捜査官が流し台で洗浄する、目を背けたくなるようなシーンに象徴されるように、普通なら映画では描かれない、不恰好にすら感じられる描写を採用することで、圧倒的なリアリティを醸し出している。カッコつけないことが逆にカッコいいというスタイルである。

 対して『毒戦 BELIEVER』は、あくまでエンターテインメントとしてストーリーを解釈し、カッコつけることでカッコよさを表現する、王道的な娯楽路線で“麻薬戦争”を題材にしている。なかでもキム・ジョヒョク、チン・ソヨンが演じた、カリスマ的な闇市場の支配者ハリム夫妻など、エクストリームな悪人たちの常軌を逸する振る舞いが、作品に活力を与えていた。

 筆者としては、より作品としてエッヂが立っている『ドラッグ・ウォー 毒戦』の方が好みだが、両者が追求する方向性が全く違うので、基本的には別ものとして、この二つを考えたい。その方が、『毒戦 BELIEVER』シリーズの魅力を味わいやすいからだ。

 さて続編となる本作では、キャストはできる限り継続されているが、監督のイ・ヘヨンはペク・ジョンヨル(『ビューティー・インサイド』)に、パク・チャヌク作品を手がけてきた脚本のチョン・ソギョンからチョン・チョルホン(『奈落のマイホーム』)に変更になっている。

 物語は、あの問題のラストシーンの後……ではなく、時系列的に、あのラストに至る直前に何があったのかを描いている。そして、ラストで起こったことの全貌を描き直すのだ。前作のラストシーンは全てを終わらせてしまう内容だっただけに、その前に物語を挟み込むというのが合理的であるのは確かだろう。

 このやり方は多くの名作映画にも転用可能であり、さまざまな映画において、このタイプの続編を作ることができるという可能性を示したといえよう。しかし一方で、もちろんこのメソッドには懸念もある。それは、前作の意味合いを変化させてしまいかねないということだ。実際に今回のケースでは、本作を観ることで、あのラストシーンまでの物語が複雑化し、ミステリアスな要素が薄らいでしまっているし、記憶に残るラストシーンも、分かりやすい内容に上書きされてしまったところがある。

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