
わが子を「自分で学べる子」に育てるには、親としてどんな環境作りや関わり方をしていけばよいのでしょうか。教育家・小川大介氏の著書『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、書籍内に掲載されている43の「コツ」のうちの一つ、「学びを止めるNGワードを使わない」を紹介します。
<前回記事>親「子どもが全然話を聞いてくれない」⇒教育家「これを意識してみて」【子どもの「聞く力」を伸ばすコツ】
【コツ】学びを止めるNGワードを使わない
子どもは自分の心が動いたことをきっかけに、学ぶ力を日々育てているわけですが、親御さんが悪気なく、学びを止める「NGワード」を発しているときがあります。ここではよくあるNGワードをご紹介します。もし心当たりのワードがあれば、使う回数を減らしていけるようにちょっと意識してみてください。
NGワード①「さあ、知らない」
子どもに「これ、なあに?」と聞かれて「さあ、知らない」。「知らないことは聞かないで」というような答え方をしている親御さんがけっこういらっしゃいます。おそらく、「子どもに何か聞かれたら正解を教えなくてはいけない」と思うあまり、知らないことは答えられないという気持ちから、突き放してしまうのでしょうね。
でもね、必ずしも親御さんが正解を教えなくてもいいんです。「知っている、知らない」ではなく、大事なのは、知るまでのプロセスです。「さあ、知らない」の代わりに、「お父さんも知らないから、一緒に調べようか」「わかんないなぁ。じゃあ、一緒に本を読んでみようか」などと、次につながる言葉を選んでみてください。
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大人同士でも「あれ何かな?」と口にしたとき、「さあ、知らない」としか返さない人と、「確かに、何だろうね。不思議だよね」と返事をしてくれる人、どちらと付き合いたいかといえば、後者ですよね? 私が前者の返し方をされたら、確実にショボン…となってしまいます。
NGワード②「いいから早くしなさい」
せっかく子どもが興味を持っていることがあるのに、親の都合で、親が考えるスケジュール通りに子どもを動かそうとする言葉です。たとえば、遊んでいる子どもに宿題をさせたいとき、まだ名残惜しそうな子どもに向けて発したりするのが典型的なシーンですね。似たようなNGワードに「そんなこといいからこっちをしなさい」というものもあります。
これらの言葉には2つの問題があります。
ひとつは、「今あなたが興味を持ったことは、どうでもいいことなのだ」というメッセージを伝えることになってしまい、子どもの心の動きを止めてしまうこと。
もうひとつは、「早くしなさい」と親が用意したメニューを与えることで、自ら取り組む意欲を失わせてしまうことです。
子ども自身の気持ちが向いていないときに無理にたきつけてもうまくいきません。ゆったりとした予定を組むなどして親御さんが気持ちに余裕が持てるようにすると、これらのNGワードをあまり使わずに済むので、工夫してみてください。