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ロッテ・黒木コーチ「一番の印象というのはタフ」複数の勝ちパターンを作り、しっかりとリリーフ陣を登板管理

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ロッテ・黒木コーチ「一番の印象というのはタフ」複数の勝ちパターンを作り、しっかりとリリーフ陣を登板管理(C)ベースボールキング

◆ 様々な勝ちパターン

 「一番の印象というのはタフだなと思いました。タフ、体のタフだけじゃなくて、心のタフさ。厳しい状況の中でも心の中で文句の一つや二つはあると思うんですよ。そういうものを出さずにマウンドで前向きに投げる姿勢、姿がしっかりと結果を出してマウンドを降りてきて、ガッツポーズするところを見ているとタフだなと思いましたね」。

 ロッテの黒木知宏投手コーチは、今年のリリーフ陣をこのように評価した。今季は開幕から決まった形の“勝利の方程式”を採用せず、場面や状況に応じてリリーフ投手をうまく起用し、勝利を積み重ねてきた。

 今季初勝利した4月4日の日本ハム戦は、7回・ペルドモ、8回・澤村拓一、9回・益田直也だったが、翌日は0-0の7回に中森俊介、2-1の8回にペルドモ、9回・益田で逃げ切り。ペルドモ、益田が連投となった6日は2-0の7回に小野郁、3-1の8回は坂本光士郎とカスティーヨ、6-1となった9回は西村天裕が試合を締めた。

 4月14日のオリックス戦は2-0の8回、今季初めて勝ち試合の8回に益田が登板し、9回・澤村で逃げ切れば、19日の日本ハム戦はペルドモ、益田が連投中ではなかったが、4-2の7回に唐川侑己、8回・小野、9回・澤村で勝ち切るパターンも。ブルペンデーとなった5月21日の楽天戦は益田がベンチ外だったこともあり、6-4の9回はペルドモがマウンドに上がった。6月15日の中日戦は勝ちパターンの澤村、ペルドモ、益田を使わずに1-1の引き分け。7月9日の日本ハム戦は、勝ち試合の8回、9回に任されることが多かったペルドモ、益田が連投中ではなかったが、1-2の8回表に逆転した直後の8回裏に澤村、そして9回は横山陸人にマウンドを託した。オールスター明けも、8月4日の楽天戦で5-3の7回に横山、ペルドモが連投中ではなかったが8回は坂本、東妻、9回は益田が連投中ではなかったが東條大樹の継投で逃げ切った。

 黒木投手コーチは「昨年の秋に監督と色々話をして起用法ですよね。ある意味固定というところではなくて、バッターの状況によって適材適所じゃないですけど、起用していくところで始まっている。選手にとってすごくイレギュラーが多かったと思うんですよ。本来であればイニングをちゃんと決めて、ビハインドとビハインドじゃない時のイニングを投げるピッチャーを作ってあげるほうが本当は準備しやすいと思うんですけど、そうじゃないやり方を今年はやるよと去年の秋から話をして取り組んで行った。相当選手に負担をかけました。それでもしっかり結果を出して投げていくような投手陣。リリーフ陣。特にタフに感じたし感謝していますよ」と期待に応え続けたブルペン陣を評価した。

 特に西村、坂本、東妻などは勝ち試合、ビハインド、同点と様々な局面で投げた。西村は「いつでもいける準備をしているので別にそんなに難しさとかは感じていないです」と話せば、坂本も「なんとなく自分かなと思いながら体を動かしているので、いろんな場面で出ていくことが多いですけど、そこは別にいつもと変わらない感じで投げています」と頼もしい言葉が返ってきた。東妻も「難しく考える方が余計に自分で難しくしてしまうので、自分は全力で一人のバッター、何アウトだろうが、どんな展開だろうが腕を振るだけ。細かいことを考えずに、状況だけしっかり把握して打者に向かってしっかり投げられるようにしています」と力強く話した。


◆ 先を見据えて起用も夏場に苦しんだリリーフ陣

 また、オールスター明けはベンチ外の日を多く作っていた。8月8日からの週でいえば、8日が高野脩汰、9日が西村と東妻、10日が西村と高野、11日が西村と澤田圭佑、12日と13日は東妻がベンチ外だった。ブルペンを担当する小野晋吾コーチは夏場に取材した時には「できるだけ疲労を溜めないのもそうですし、状態を維持していくために色々試行錯誤している感じです」と話していた。

 その一方で前半戦を支えたリリーフ陣が苦しんだのも事実。7月30日のソフトバンク戦は5-2の7回に西村が1点を失うと、8回に登板したペルドモが2失点で同点に追いつかれ、延長11回に澤村が周東佑京に適時打を浴びサヨナラ負け。8月1日の日本ハム戦も2-1の9回に益田が万波中正、マルティネスに一発をくらい逆転負け。8月5日の楽天戦は4-5の8回に2点を奪い逆転したが、その裏ペルドモが2失点し敗れた。リーグ制覇を許した9月20日のオリックス戦も、2-0の7回にリリーフ陣がリードを守りきれず6失点した。

 さらにシーズン最終盤には、西村が9月3日に一軍登録抹消され約1カ月間離脱すれば、ペルドモも9月18日から10日間一軍登録抹消の時期があり、益田も特例2023で10月1日に一軍登録抹消されるなど、リリーフ陣の台所事情が苦しくなった。


◆ 後半戦、大きな力になったのが澤田の存在

 この苦しい8月以降のブルペンを支えたのが澤田圭佑だ。オリックスを自由契約となり、今季から育成選手と入団し、7月27日に支配下登録されると、8月9日に移籍後一軍初昇格。同日のオリックス戦で移籍後初登板し0回2/3を無失点に抑えると、8月12日の西武戦では1-2の9回に登板し無失点に抑え、その裏に佐藤都志也の適時打、荻野貴司の犠飛でサヨナラ勝ち。移籍後初勝利を手にした。8月19日の楽天戦では、5-3の6回に登板し1回を3人で片付け移籍後初ホールドをマークし、一軍昇格後初の連投となった10月1日の西武戦では同日に特例2023で一軍登録抹消となった益田に代わり3-2の9回に登板しプロ初セーブをマークした。

 ファームでは昇格前の時点で防御率4.58だった澤田が活躍できた要因は、ファームとの連携も大きかったのだろうかーー。

 「連携はとっていましたね。毎日二軍の投手コーチと話をして、3日、4日先のピッチャーが誰が投げるのかまで打ち合わせをしていました。もし上でリリーフピッチャーがイニングを投げてしまった時には、使えるピッチャーは誰なのか、いろんな運用の仕方があるんですけど、そういうところはしっかりと二軍のピッチングコーチと打ち合わせをしていました。そう言ったところでうまく状態が上がってきた澤田くんと、上で投げているピッチャーが何人か不具合がおきて入れ替える、スイッチできる。うまくハマりましたよね」(黒木コーチ)。

◆ シーズン中の3連投は1度もなし。しっかりと登板管理

 今季のリリーフ陣を振り返ると、登板管理がシーズン通してしっかりと行われた。5️月18日のオリックス戦、5月21日の楽天戦、9月24日のソフトバンク戦、10月6日のオリックス戦でブルペンデーを行ったが、シーズン中は3連投した投手は誰もおらず、1週間に4登板以上した投手も益田(6月5日〜の週)、坂本(6月5日〜の週)、東條大樹(8月29日〜の週)3人のみで、益田と坂本の2人は6月3日から9連戦中だった。

 西村にシーズン中、登板がしっかり管理されていることについて質問すると、「自分たちのことを考えてベストなパフォーマンスを出せるように考えてくれていると思うのでありがたいです」と感謝し、坂本は「大体2連投したら3連投はないので、そこは2連投したらリカバリーの日にしたりしています。3連投がないので体の負担も少ないのかなと思います」と自己分析した。

 黒木投手コーチは「それ(登板管理)は監督が一番の考えているところで、選手はいくというんですよ。行かせるのも簡単。でも実際いろんな数値を見てみると、3連投、4連投になると良くない。他にもいいピッチャーがいるわけだし、そこをうまく運用していきながら、なんとか1年間頑張れたというのはありますけどね」と振り返った。

 守護神の益田と最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したペルドモはビハインドでの登板はほとんどなく、益田がビハインドで登板したのは10月7日のオリックス戦のみで、ペルドモは来日初登板となった4月1日のソフトバンク戦、4月16日のオリックス戦、9月10日のオリックス戦、10月7日のオリックス戦の4試合。勝ちパターンで投げる2人を、チームの士気を高めるために、負けた場面で投げさせるようなことはほとんどしなかった。ペルドモはシーズン中、「監督が自分のことを信頼してくれて投げさせてもらっていると思っているので、その機会を大事に投げています」と話していた。

 投手陣をしっかりと登板管理していた中で、4月19日の日本ハム戦、7月9日の日本ハム戦、8月4日の楽天戦のように守護神・益田が連投中ではなかったが、勝ち試合の9回に別の投手がマウンドにあがることもあった。

 黒木コーチは「1年通してというのはすごく長い。1人の選手、2人の選手に負荷をかけてしまうと、この選手がいなくなったら実際にその裏でバックアップする選手たちの歪みもくる。そうなるとチーム力が下がってくると考えたら、うまく運用しなければいけない。絶対的なクローザーだった益田投手が連投だったらパフォーマンスが落ちる、大きな怪我をさせないように運用するために適任なのは横山だった。横山だけでなく西村もそうだったし、澤田もそうだった。監督も含めて投手コーチと運用していきましたけどね」と説明した。

 今季は様々な投手を起用して勝ちパターンを運用していったが今季のような形が理想なのだろうか、それとも力のあるリリーフ3人を7回から固定して投げ切るのが理想なのかーー。

 「時と場合によるんじゃないですかね、絶対的なものがあったとしてもその選手が使い減りしてパフォーマンスが落ちたら結局、ゲーム壊れちゃいますよね。できるだけフレッシュな状態にしてあげたい。フレッシュじゃなかった時にどうしようか。バックアップメンバーは作っておかないといけない。全てを固定にするのではなく、固定ができるような運用の仕方がすごく大事かと思いますね」(黒木コーチ)。

 長いペナントレースを勝ち抜くためには、力のあるリリーフが複数人いると心強い。今季はリリーフ陣が苦しんだ時期や故障者が出た時もあったが、投手運用やその時々で調子の良い投手でカバーした。今季の良かった部分、課題点を見つめ直し、来季は今季以上のブルペンを作ってくれることを期待したい。

▼ 主な救援陣の投球成績 ※リリーフの成績のみ
益田直也 58試 2勝5敗13H36S 防3.71
ペルドモ 53試 1勝3敗41H1S 防2.13
坂本光士郎 51試 1勝0敗16H0S 防3.21
西村天裕 44試 4勝0敗14H0S 防1.25
横山陸人 37試 2勝2敗8H1S 防4.46
東妻勇輔 36試 0勝1敗11H0S 防2.91
澤村拓一 33試 4勝3敗14H3S 防5.06
岩下大輝 26試 1勝0敗3H0S 防3.03
中村稔弥 17試 3勝1敗0H0S 防2.31
澤田圭佑 17試 2勝0敗6H2S 防1.08
鈴木昭汰 13試 0勝0敗0H0S 防2.76
中森俊介 11試 3勝0敗0H0S 防2.61
東條大樹 11試 0勝0敗2H1S 防7.45
小野 郁 10試 0勝1敗4H0S 防4.66

▼ シーズン中に3連投した投手(移動日挟む3連投、CSは含まない)
なし

▼ シーズン中に1週間に4登板以上した投手
益田直也(6月5日〜の週)
坂本光士郎(6月5日〜の週)
東條大樹(8月29日〜の週)

取材・文=岩下雄太

 
   

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