
11月18日に東京都立川市にある「ムラサキパーク立川立飛」で第6回マイナビ日本スケートボード選手権大会ストリート種目の決勝が開催され、男子は小野寺吟雲(13歳)が昨年に続き優勝し大会連覇を果たした。
準優勝は池慧野巨(22歳)でこちらも昨年に続いての準優勝、渡辺星那(17歳)が3位で初の表彰台入りとなった。
女子は織田夢海(17歳)が初優勝。
準優勝は赤間凛音(14歳)、3位は松本雪聖(11歳)がそれぞれ表彰台入り。
今大会はワールドスケートジャパン2024強化選手および特定育成対応選手の選考を兼ねており、強化選手は2024年1月にUAEにて開催予定のパリオリンピック予選大会に派遣されるため、来年8月に迫ったパリオリンピックを目指すスケーターにとって重要な大会となる。
※2024年1月にUAEで開催される大会までがパリオリンピック予選大会におけるフェーズ1となり、ストリート・パークともに各種目44人(最大国枠、オリンピック選考基準などもあるので一概にオリンピックランキング上位44人とはならない)が2024年5月に上海、6月にブタペストで開催されるフェーズ2の予選大会に出場することができる。
ストリート種目は45秒間コース内を自由に滑って技を披露するランを2本と、1つのセクションで1発技を行うベストトリックを5本行い、ランの最高得点とベストトリックの上位2本を合わせた合計得点で順位が競われる。
ムラサキパーク立川立飛の前身となるムラサキパーク東京時代のローカルスケーターとして、取材に行かないわけにはいかないということで、日本最高峰のスケーター達が繰り出すトリックを目撃するために、会場に足を運んだ。
【日本選手権2連覇/小野寺吟雲】

昨年に続き、2連覇を成し遂げた小野寺吟雲。
決勝ではラン2本目で87.73点を獲得し、首位でベストトリックに臨むと、怒涛のフリップトリックを見せ、ベストトリックを終えると、2位に約12点差をつけての大勝。

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大会後のインタビューでは
「自分の滑りができ、自分のやりたいと思っていた技がフルメイクできて嬉しいです」
2連覇について聞かれると
「2連覇とかは考えてなくて、自分に勝てたのがよかったです」
来月に東京で開催される世界選手権に向けた意気込みを聞かれた際には
「東京の世界選手権では絶対に優勝できるようにがんばります」
と答えてくれた。
【天才的な動きで他を翻弄/池慧野巨】

池慧野巨/ノーリーバックサイドKグラインド
準決勝ではただ一人、ベストトリックを5本全てメイクし、2位で決勝に駒を進めた池慧野巨。
決勝のベストトリックでは優勝した小野寺に続いての90点台のトリックとなる、ノーリーバックサイド180スイッチフィーブルグラインドで90.34点を獲得。
前回大会と同じく準優勝で今大会の幕を閉じた。
取材をしていて印象的だったのが、準決勝でのシーンだった。
競技の合間や練習時間などで練習していなかった技を、ベストトリックでいきなり繰り出し、しかもそのほとんどが完璧にメイクしていたところ。
まるでコンテストの最中に、その瞬間瞬間で自分が今どの技をメイクできるか、自分のコンディションと相談しながら滑っているような感じさえした。
日本選手権で上位に入る選手はどの選手も天才的なのはもちろんだが、これほどまでに引き出しの多さを持つスケーターはなかなかいないと感じるシーンであった。

表彰後のインタビューでは、オリンピックに向けた思いを聞かれると
「オリンピックに出るまでに世界大会などで勝たないと出れないので、まずはそこでいい成績を残せるくらいじゃないと、たとえオリンピックに出れても勝てないと思うので」
と答え、現在オリンピックランキングは40位と苦戦しているが、これから続くオリピック予選大会についてさらなる飛躍を期待させてくれた。
【多彩なヒールフリップで銅メダル/渡辺星那】

3位で表彰台に上がったのは渡辺星那
予選をトップで通過し、準決勝を5位で決勝に進むとラン2本目で79.71点を獲得。
ベストトリックでは2本目にバンクtoバンク横のフラットバーにバックサイドスミスグラインドからバリアルヒールフリップアウトを狙うが3本立て続けにミス。
あとが無くなった5本目ではトリックを変更し、ハンドレールでヒールフリップ フロントサイドブラントスライドを決め、土壇場で3位に輝いた。