
子どもの便秘は、単に排便の問題以上の影響を及ぼすことがあります。例えばお腹が痛くなったり、集中力が落ちてしまう可能性があることなどです。さらに長期間にわたる便秘は、身体的な健康だけでなく、心理的な健康にも影響を与えることがあるため、注意が必要。今回は、2児の母でもある管理栄養士が、子どもの便秘の予防や改善方法、食事で気を付けたいことを解説していきます。
子どもの便秘の原因

子どもの便秘は健康面だけでなく生活にも大きく影響を及ぼします。ここでは子どもの便秘の原因について解説します。
原因は複合的な場合が多い

子どもの便秘には、ひとつの要因ではなく、複数の要因が組み合わさって発生することも。例えば、不適切な食生活と運動不足、それにストレスや心理的な問題が加わることで便秘は悪化するなどです。また、新学期の開始、連休明け、引っ越し、家族が増えるなどといった環境の変化も子どもの便秘に影響を及ぼすことが考えられます。
食生活の乱れ

子どもの便秘の最も一般的な原因は、食生活の乱れにあります。例えば、加工食品の食べすぎやスナック菓子の食べすぎなどです。さまざまな食品を適度に食べることが大切で、バランスのよい食事は、消化器系の健康を維持させて便秘のリスクを低下させてくれます。
食物繊維の不足
食物繊維は、消化器系の健康維持に重要な栄養素。食物繊維が不足することで、便秘につながる可能性があります。食物繊維は腸内で水分を吸収し、便の量と柔軟性を増やします。これによって、便は腸を通りやすくなり、排出がスムーズに。食物繊維が不足すると、便は硬く小さくなり、腸内を移動するのが難しくなり便秘になってしまうので注意しましょう。
水分不足
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水分が体内で不足すると、腸内の便が硬くなり、排出が困難になります。硬い便は腸を通過するのが難しく、便秘を引き起こす可能性があるため、適切な水分摂取が大切です。十分な水分がないと、体は便から水分を吸収しようとし、結果として便が硬くなってしまいます。
乳製品の過剰摂取
乳製品の過剰摂取が便秘を引き起こす理由は、乳製品が含む特定の成分が腸の動きを遅らせることにあります。特に、乳糖を分解するのに必要な酵素であるラクターゼが不足している子どもは、乳糖が腸内で適切に消化されずに、ガスや不快感を引き起こし、便通の遅れにつながることも。さらに、乳製品に含まれる高い脂肪分が消化過程を遅らせ、便の硬化を引き起こすこともあります。
運動不足

運動不足は腸の筋肉の弱化を招きます。その結果、便の排泄が困難になってしまう可能性があるのです。適度な運動をすることで腸の蠕動運動を刺激し、全体的な代謝を高め、消化器系の血流を改善することが期待できます。
ストレスや心理的要因

ストレスが便秘の原因になる理由は、ストレスが消化器系の機能に影響を与えるためです。ストレスは自律神経のバランスを崩し、特に副交感神経の活動を抑制することも。副交感神経は消化活動を促進するため、その抑制は消化器系の動きを遅らせ、腸の蠕動運動を弱めてしまいます。これによって、便が腸内で停滞しやすくなり、硬くなって排出が困難となる場合があります。また、ストレスは腸の感覚過敏を引き起こし、便通に影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
便秘の予防・改善策

便秘の予防・改善するためには、どのようなことに気を付けていけばよいのでしょうか。ここからは、子どもの便秘の予防・改善策について解説していきます。
食物繊維の豊富な食品を増やす
