プロ野球の世界では、ドラフト会議を経て新しく球界に入る選手が誕生するが、現役引退や戦力外通告など、球界を去る選手もいる。しかしながら、戦力外となった選手の中には、他球団への移籍を機に飛躍を遂げる事例もある。今回は、戦力外通告を受けた若手選手の中で、抜群のポテンシャルを秘める選手を紹介したい。
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土居豪人
・投打:右投右打
・身長/体重:191cm/92kg
・生年月日:2000年4月2日
・経歴:松山聖陵高
・ドラフト:2018年ドラフト8位
2021年には14試合に登板した土居豪人だが、高卒5年目にして非情宣告が言い渡された。
松山聖陵高時代には、3年春に甲子園出場。初戦で敗退となったが、147キロを計測するなど能力の一端を示した。そのポテンシャルが評価され、2018年ドラフト8位で千葉ロッテマリーンズに入団した。
プロ入り後2年間はファームが主戦場となったが、その間に最速153キロをマークするなど大きく成長。高卒3年目にオープン戦で結果を残し、開幕一軍入りを果たした。同年は14試合に登板して防御率7.53と振るわなかったが、プロでの第一歩を切った。
しかし、翌2022年は一軍登板なし。ファームでも37試合登板で4勝4敗7セーブ、防御率4.37と目立つ数字を残せなかった。
今季は開幕から出遅れると、二軍でも7試合の登板にとどまり、今オフに戦力外通告を受けた。その後、12球団合同トライアウトに参加し、2奪三振を含む無安打投球と猛アピールを見せた。
伊藤康祐
・投打:右投右打
・身長/体重:174cm/76kg
・生年月日:2000年2月3日
・経歴:中京大中京高
・ドラフト:2017年ドラフト5位
高卒6年目の今季は、自己最多の34試合に出場した伊藤康祐。しかし、オフには非情通告が言い渡された。
中京大中京高時代はリードオフマンとしてチームを牽引。3年夏の甲子園では、バックスクリーンに本塁打を放つなど印象的な活躍を見せ、高校日本代表にも選出された。迎えたドラフト会議で中日ドラゴンズから5位指名を受け、プロ入りを果たした。
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高卒2年目に一軍デビューすると、2021年には25試合に出場。同年は打率.053に終わったが、ファームでは68試合に出場し、打率.278、8盗塁と光るものを見せた。
しかし、その後も一軍の舞台では打撃で結果を残せず。2023年は34試合に出場したが、打率.150と寂しい数字に。
岡林勇希の台頭やブライト健太、鵜飼航丞ら同世代外野手の入団で厳しい立場となり、今オフに戦力外通告。12球団合同トライアウトでは7人の投手と対戦したが、安打を放つことはできなかった。
増田珠
・投打:右投右打
・身長/体重:179cm/84kg
・生年月日:1999年5月21日
・経歴:横浜高
・ドラフト:2017年ドラフト3位
近い将来のレギュラーとして期待されていた増田珠。今季は自己最多の出場数を記録したが、まさかの非情通告。その後、東京ヤクルトスワローズとの契約が合意に至ったことが発表された。
横浜高では主軸を務め、甲子園でも打線を牽引した増田。その活躍はスカウトの目にも留まり、2017年ドラフト3位で福岡ソフトバンクホークスに入団した。
高卒2年目の2019年に一軍デビューを飾ったが、プロ初安打はお預けに、その後はけがの影響もあって、目立った活躍をできないシーズンが続いた。
それでも、2022年にプロ初安打・初本塁打を記録。持ち前の長打力を見せ、存在感を示した。
今季は自己最多の35試合に出場。打率こそ.182だったが、シーズン終盤は主に右の代打としても起用された。しかし、今オフにまさかの戦力外通告。その後、ヤクルトへの入団が発表された。一軍で活躍できる能力があるだけに、新天地での覚醒を期待したい。
中川颯
・投打:右投右打
・身長/体重:184cm/80kg
・生年月日:1998年10月10日
・経歴:桐光学園高 – 立教大
・ドラフト:2020年ドラフト4位
プロ3年目にして戦力外通告を受けた中川颯だが、横浜DeNAベイスターズへの入団が発表された。
立教大では1年春のリーグ戦から登板機会を得ると、1年生ながら全日本大学選手権の優勝に大きく貢献。その後も活躍を続け、大学通算10勝を記録した。アンダースローという希少性にも注目が集まり、2020年ドラフト4位でオリックス・バファローズに入団した。
ルーキーイヤーは開幕一軍入りも、登板機会がないまま登録を抹消。最終的に同年はわずか1試合の一軍登板にとどまったが、ファームでは41試合登板、2勝2敗1セーブ、防御率1.12の好成績を残した。
ところが、翌2022年は一軍での登板機会なしに終わると、同年オフに戦力外通告。その後育成選手として再契約を結んだ。
プロ3年目の今季は二軍で21試合(32回2/3)を投げ、防御率1.38、奪三振率9.37と無双状態だったが、オフに2度目の戦力外通告。DeNAが獲得を発表した。神奈川県出身の中川にとっては慣れ親しんだ地元だけに、これまで以上の活躍が期待される。
加藤大
・投打:右投右打
・身長/体重:179cm/83kg
・生年月日:2002年4月24日
・経歴:横浜隼人高
・ドラフト:2020年育成選手ドラフト2位
今季で高卒3年目を迎えていた加藤大。支配下登録を勝ち取ることができず、今オフに戦力外通告を言い渡された。
横浜隼人高では1年秋から公式戦に登板。2年夏には神奈川県大会で完封勝利を挙げるなど、主戦投手として活躍した。最速151キロの本格派右腕と注目を集め、2020年育成選手ドラフト2位で地元・横浜DeNAベイスターズに入団。