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杉江松恋の新鋭作家ハンティング 日比野コレコ『モモ100%』に溢れる“強烈な言葉”たち

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『モモ100%』は基本的に、語り手であるモモが十代における自分のありようやその成り立ちをほぼ時系列に沿った形で読者に示していくことが主導する小説なのだが、すべてが主線に集約されるように書かれているわけではなく、部分では文章自体が生み出す躍動感や閃きが優先される。それによって生産されたイメージが主線の物語に回帰するような形でモモコの語りは補強されていくのである。読むという行為によって生み出されたものが作品を形成していくような感覚がページを繰るごとに得られる。素晴らしい自由度だ。

 本作に目を通すことによって自分が世界の中で生きているという実感を再獲得する読者もいるのではないだろうか。生の感覚がこの中にはあると私は感じた。生きることに倦んだときに読むべき小説の一つであると思う。日比野コレコの小説がある、ということを若い読者に知ってもらえれば幸いだ。

文=杉江松恋

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